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株式会社エーピーコミュニケーションズの技術ブログです。

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KubeCon EU 2023 : AKSにおける「5つ」のコスト最適化戦略

4/17に開催されたAzure Day with AKSでも言及されていましたが、MicrosoftがAKSにおける「4つ」のコスト最適化戦略を紹介しました。

4 cloud cost optimization strategies with Microsoft Azure | Azure Blog and Updates | Microsoft Azure

4つ」の内容は次のとおりです。

1) Right Size
一番最初に重要なのは正しいサイジングです。システムで必要なサイズを把握し、過剰に確保することなく適正なサイズで利用することです。

2) Clean-Up
さらに不要なリソースは削除することです。移行作業などに伴って削除されずに残ってしまっているものなどがあればそれはコスト増の要因ですので削除すべきです。

3) Azure reservations and savings plans
Azureの予約プランを利用すると大幅な価格低減が期待できます。適正なサイズの範囲で予約プランと従量課金プランを併用するなどしてコスト削減を図ります。

4) Database and application tuning
レガシーシステムからクラウドに移行したシステムでは、クラウド環境におけるデータベースなどのリソースの最適化がなされずに利用されているケースが多くあります。こうした点を見直し、最適化を行うことでコスト最適化が実現できます。

Microsoftで挙げた項目は上記4つですが、ここでMicrosftの記事にはない「5つ目」を挙げたいと思います。

5) Spot Instanceの活用
Azureの予約プラン同様スポットインスタンスでも価格低減が期待できます。予約プランでは事前にノードを1年ないし3年分購入しなければなりませんが、スポットインスタンスならば利用量に応じた支払いとなりより効果的です。 ただし、スポットインスタンスを手動で作成し適切に活用していくのは困難です。
そこで Cast AIのようなツールを活用します。

cast.ai

Cast AIではAKSなどKubernetesの実行状況をAIで分析し、適切なノードサイズに最適化しつつ運用することができます。 最適化にはスポットインスタンスも活用できますし、普段の利用状況に沿ってノード数などを算出し、自動的にノードのオートスケールを行ってくれますので、まさに利用料に応じた最適化ができます。

さらにこうしたツールを利用することで日々進化する最適化機能を利用することができます。 実はKubeCon North America 2022 Detroitで偶然であった日立ソリューションズの方の紹介で、Cast AIの方から説明をうけたものでした。今回その後の機能追加について聞いてみたところいくつもの機能が追加されていました。その1つはPodの実際のMemory/CPU使用量とRequest/Limitの指定を比較し、不必要に大きいものを指摘してくれるようになっています。PodのRequest指定は実際にそれだけ必要がなくても指定したサイズを確保してしまうため、動作状況によってはその値も最適化しなければなりません。こうしたこともツールでできるようになります。

Cast.AIMicrosftの資料と合わせ「5つ」のコスト最適化戦略をAKSで行うことで、何もしないときよりも圧倒的にコストが低減できる可能性がありますので、ぜひご利用を検討いただければと思います。

弊社ではCast AIをはじめ、AKSに関する様々な導入支援、その他Azureサービス・クラウドネイティブ技術を活用したシステム内製化のご支援を行っております。今回のように海外イベントにおいて先進サービス企業のエンジニアと会話をし、よりよいものをお客様に提供できるようにと考えております。直接会話をしているからこそ、その後のコンタクトも行うことができております。 クラウドネイティブのシステム開発・運用に興味をお持ちいただけましたらぜひお声がけください。

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