APC 技術ブログ

株式会社エーピーコミュニケーションズの技術ブログです。

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KubeCon EU 2023 : 注目が集まるInternal Developer PortalのBackstage

Backstage関連セッション(第1日目)

BackstageはSpotifyが開発し、CNCFに寄贈された Internal Devleoper Portal(IDP) のアプリケーションです。

Platform Engineeringが注目されていくなか、IDPもその中の役割として重要度が増しており、CNCFのIncubating projectであるBackstageはKubeCon + CloudNativeConでも存在感がましています。

今回のKubeCon EU 2023 Amsterdamでは合計5つのBackstage関連のセッションがあります。4/19はその中の2つがありました。

合計5つもあるということでも注目が集まっているんだなと感じることができますが、今日のセッションの参加者の人数をみてもその注目度合いがわかりました。2つのセッションともに多くの人数を収容できるホールなどで行われ、それぞれ推定500人以上の方が参加しました。会場はほぼ満員という感じです。

以下で今日の2つのセッションの内容を簡単にご紹介します。

The State of Backstage in 2023

最初はBackstage本体の状況についてお伝えするセッションです。

kccnceu2023.sched.com

現在Backstageは1,000を超える利用者(Adopter)、1,000を超えるコントリビューター、27.5Kを超えるスターの獲得など、大変大きな拡大をしています。増加率がそれぞれ数百%というほんとうにSkyrocketな拡大を遂げています

こうした急拡大の中で、Backstage Projectはプロジェクトガバナンスの内容を変更したそうです。その内容はCNCFのProject Templateに沿ったもので、コミュニティの拡大に伴い必要なものであるということです。 今後はBackstage Projectで定義した Contribution Ladderに沿ったものになります。詳しくはBackstageのサイトでも紹介されています。

backstage.io

機能面では Software Catalogの機能追加・改善や、新しいBackend Systemの紹介がありました。これまでBackend Pluginの利用はとても複雑なものでした。あちこちのコードを修正したり、追加したりする必要があったのです。これを新しい仕様では、とてもシンプルにすることができました。さらに今後 Declative integrationという、コード修正の必要がなく、コンフィグレーションファイルの週背のみでPluginが追加できる機能を開発していくとのことです。

どんどんPluginも増加し、エコシステムも拡大しているのでこうした機能はとても楽しみです。

Let's Go Backstage : IDP Security for Platform Engineers

kccnceu2023.sched.com

つづいてIDPの有用性とKubernetes Securityの実現例です。

最近の開発者は Dev*Ops というDevSecMLDataOpsなどDevとOps以外の様々なことに、かつ複数のアプリケーション/サービスに対して対処しなければならない状況です。そしてそのビルドと実行・運用には数多くのツールが必要となっています。こうした開発者の認知負荷を低減するためにPlatform Engineeringというものが注目されています。Platform Engineeringによって、各種の作業を自動化・セルフサービス化できるようにはなってきています。しかし、それだけでは数多くのサービス・ツールを使わなければならないという状況は改善しきれません。そこで登場するのがInternal Developer Portalです。開発者が参照するところを1つにまとめておくことで、AはXというツールで、BはYというツールで、ではなくAもBもIDPでまず確認する、すべてを1箇所に集めることができるようになるのです。

こうしたツールとして開発されたのがBackstageです。

さて、こうした認知負荷の1つにKubernetesのセキュリティがあります。そうしたセキュリティ上の課題を解決するのがKubescapeです。

github.com

そしてそのKubescapeの情報もBackstage Pluginとして導入することができるのです。 (ハッカソンで数日で実装できたようです)

こうした統合で開発者の認知負荷がどんどん低減されていくとよいですね。

4/20には1つ、4/21には2つのBackstage関連のセッションがあります。引き続きこれらのセッションも注目していきたいと思います。

こちらのブログでこれまでにご紹介したBackstage関連の記事についてもぜひご覧ください。

techblog.ap-com.co.jp