APC 技術ブログ

株式会社エーピーコミュニケーションズの技術ブログです。

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【PlatformCon 2023】Platform Team事例紹介

PlatformCon 2023では様々な適用事例が紹介されています。今回はその中から2つをご紹介。

Case 1 : How we scaled DevOps 10x with platform engineering

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100人程度の組織で、インフラ担当は3名。10人程度のBackendチームをDevOpsチームに転換。「You build it you own it!」を実践。そして・・・オンボーディングを他の人に試みたそうですが失敗しました(Oh my ...)。

その理由は以下のようなものでした。

  • 他のチームの責務が異なる(たとえばFrontendなど)
  • スキルセットがそれぞれ異なる
  • etc..

ここでTeam Topologiesの登場です。エンジニアの成熟度やチームサイズなどを考慮してチーム分割等を再検討したとのこと。その中でPlatform Team(Group)のコンセプトを採用しました。

主な役割は以下のようなものとなったそうです。

  • Backend Infra aka SRE
  • Frontend Infra aka DevEx/DevRel

全体としてKPI / Metricsとして採用したのはDORAでした。

これによって当初のスケール上の課題を解決したとのこと。

Case 2: From platform team to a platform organization: Connecting the dots

大規模組織のDutch Railways」の事例です。なんと1500名を超えるエンジニアがITの部門にはいるそうです。 一例としてアムステルダム周辺での自転車レンタルサービスなども展開しており、数千台の自転車を管理しているそうです。 そうした大きな組織でプラットフォームを提供しているのがCPO(Center Platform Organization)。ここが様々なプラットフォームサービスを提供していいるとのこと。

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CPOは開発から実行環境へのデプロイ、そしてモニタリングまでをランディングゾーンとしてすべて提供しているそうです。 その結果、すべてのソフトウェア開発フェーズをカバーすることができています。

つまり 開発(コード/テスト/セキュリティ)、CI/CD(パイプライン/品質/セキュリティ)、実行(デプロイ/モニタリング)といったそれぞれのフェーズで必要なものが用意されました。

これで開発者はハッピーでしょうか?? 確かにすべて揃ったのでその点は良かったのですが、まだまだ数多くあって認知負荷も高い状態位です。それぞれのフェーズで選択肢もいくつかあるのでそうしたものを選択するためにさまざまな知識が必要となります。

そこでCPOはさきほど提示した開発〜実行までの各フェーズのパターンを用意しました。これが彼らの舗装道路(Paved Path)となり、作業が円滑に進むようになります。

お気づきの方もいるかと思いいますが、この開発〜実行までの各フェーズはソフトウェアサプライチェーンセキュリティの項目にもなっており、昨今重要度が増しているSBoM対応などもこれらの取り組みの中で進行しているそうです。

これだけ多くの要素をカバーしなければならないため、まだまだ改善の必要性はあるとは思いますが、これだけの組織でこれだけのものを揃えてくるのはさすがだなと感じます。

そして、今回あらためてソフトウェアサプライチェーンセキュリティ対応などを考えると本当に大変なんだな、とあらためて感じます。そして大変であればこそ、Platform Teamの重要性は高まるんだろうなと感じました。

最後に

PlatformCon 2023では他にも多くの事例が発表されています。もしかすると後日このブログにそうした事例を追加するかもしれません。引き続いて注目していただけると幸いです。また皆さんも気になる事例などを見つけてご覧になられることをおすすめします。Startupから大規模まで様々な事例が出ていますので大変参考になると思います。(Day1の事例紹介セッションのビデオはこちらからご覧になれます)