APC 技術ブログ

株式会社エーピーコミュニケーションズの技術ブログです。

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KubeCon EU 2023 : ライトニングトークの紹介

こんばんは、ACS 事業部の埜下です。

いよいよ始まりました KubeCon + CloudNativeCon Europe 2023! 私は現地参加ではなくバーチャル参加になりますが、すでに気持ちが昂ぶっております。

そこで今回は、明日の 4/19 に行われるメインセッションに先駆けておこなわれたライトニングトークを簡単にご紹介して、明日に繋げようと思います。

⚡ ライトニングトーク

Debugging Kubernetes E2E Tests with Delve

Delve というツールを使って E2E テストをデバッグした経験を紹介した LT です。

kubetest を使って Windows ノードプールの E2E テストをしたところ、テストが通ったり失敗したりという事象が起こったようです。 sleep コマンドなどを追加してテストコードのデバッグを試みたそうですが、テストコードを変更する度にバイナリを生成する必要があったそうです。

そこで、Delve というツールを E2E テストのデバッグモードに組み合わせることで、デバッグをしやすくして原因を特定できたとのこと。

github.com

ちなみに、kubetest のリポジトリを見てみると、現在は kubetest2 の使用が推奨されているようです。

github.com

Be the Main Character of Your Story: The Cloud Native Way of Technical Writing

CNCF に貢献する1つの方法である「テクニカルライティング」について紹介された LT です。

テクニカルライティングのスキルを上げる方法として「新しい技術を試す」、「コンセプトを学ぶ」、「ブログを始める」などが挙げられています。

Airflow and Armada - Airflow Meets Multi-Cluster Kubernetes with Armada

マルチクラスタ向けのバッチキューイングシステム Armada について紹介された LT です。

Armada は CNCF の Sandbox プロジェクトとして登録されています。 この Armada をワークフロー管理プラットフォームである Apache Airflow と統合することを目指しているようです。

armadaproject.io

airflow.apache.org

GreenCourier: Towards Sustainable Serverless Computing

GreenCourier というスケジューリングフレームワークについて紹介された LT です。

Azure Functions を始めとした各クラウドの Function as a Service (FaaS) は毎日11億回も関数が呼び出されているそうです。

GreenCourier は Carbon Aware SDK を使って炭素効率の高い地域を選択し、選択された地域の Kubernetes クラスタにサーバーレス関数をスケジューリングすることで、FaaS による炭素排出量の削減できるようです。

内部的には Knative と、Liqo という動的でシームレスな Kubernetes マルチクラスタトポロジを構築できるオープンソースのプロジェクトが使われているとのこと。

liqo.io

The CNCF Board Game Rules Explained

CNCF をボードゲームに見立てて、スピーカーが CNCF のコミュニティビルダーとして学んだ知識を共有する LT です。

Lv99 のプレーヤーを見て怖がっていけない、とのことです。 また、新しく "CNCF" を始めようとする人たちへ「友人と共に旅をすることにパワーを感じてほしい」ということも伝えていました。

FAQs for CFPs: A Beginners Guide to Conference Speaking

CFP (Call For Proposal) に対するよくある質問とその回答を初心者向けに紹介した LT です。

CFP を募集しているイベントの探し方や CFP には何が必要か、何を話せばよいか、などの説明がありました。

特に印象に残ったのは「なぜ私が話すのか?」という質問に対する「あなたが話したいことは既に誰かが話しているかもしれない。しかし誰も同じ経験はしたことがないから、あなたの話が他の誰かにインスピレーションを与えるかもしれない(だからあなたが話す)」という回答です。

また、こちらのスピーカーは KubeCon に5回 reject (不採択) されて、今回始めて approve (採択) されたとのこと。 諦めない熱意が大事ですね。

Tricks for Enforcing Conventions for Your Kubernetes Cluster Using Only YAML

Validating Admission Policies を例に、YAML だけで Kubernetes クラスタに規則を適用する方法を説明した LT です。

Validating Admission Policies は 1.26 でアルファ版として導入され、1.28 でベータ版を公開できるように準備しているとのこと。 ValidatingAdmissionPolicy リソースで使われる Common Expression Language (CEL) の記述例がいくつか紹介されています。

Power-Aware Scheduling in Kubernetes

電力を考慮したスケジューラについて紹介した LT です。

Kubernetes のクラスタが大きくなることで、ノード電源リスクが高まるとのこと。 Kubernetes のスケジューラは CPU やメモリといったコンピューティングリソースのみを焦点に当てているため、電力の監視データ等を基にスケジュールするスケジューラプラグインが提案されていました。

また、娘さんに自慢するために自撮りをしていたのは印象的でしたw

Talking to Kubernetes with Rust

Rust から Kubernetes を呼び出す方法について紹介した LT です。

Kubernetes API への通信の大変さの説明があり、それを解決する kube crate の使い方が紹介されていました。

私は Rust 未履修のためコード部分は理解できませんでしたが、Rust で Kubernetes を操作したい方はぜひ見てみてください。

さいごに

KubeCon + CloudNativeCon Europe 2023 でバーチャルでも見ることができる LT を紹介しました。 LT とは言え、どれも内容が濃くてよいですね。

明日からのメインセッションも KubeCon 楽しみましょう!

本記事の投稿者: 埜下 太一
AKS/ACA をメインにインフラ系のご支援を担当しています。
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