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Delta Sharing: The Key Data Mesh Enabler Part 2 (デルタ共有: 主要なデータ メッシュ実現要因 Part 2)

はじめに

​​GLB事業部Global Engineering部 ヨハンです。 ​ 今回は、データメッシュとDelta Sharingについての講演「Delta Sharing: The Key Data Mesh Enabler」を取り上げます。講演者は、AvanadeのデータエンジニアリングディレクターであるFrancesco Pizzolong氏です。彼は、銀行、小売、交通、エネルギー、公共セクターなどの業界で12年以上のデータエンジニアリングの経験を持っています。 ​ 本講演のテーマは「Delta Sharing: The Key Data Mesh Enabler」であり、データメッシュの主要なエンエーブラーについて説明することを目的としています。対象となる読者は、データ&AIに関心のある技術者や、データプラットフォームを構築する企業のCIOやビジネスリーダーです。 ​ このブログは全2部構成で、今回は第2部をお届けします。第1部では、データメッシュとDelta Sharingを用いたデータプラットフォーム構築の事例を紹介しました。今回の第2部では、中央集権型データプラットフォームとデータメッシュの比較、データメッシュを選択する際の標準化の重要性、データフォーマット標準としてDeltaの利点、そしてDelta Sharingをデータ共有標準として採用する理由について解説します。 ​ それでは、早速本題に入りましょう! ​

データプラットフォームの選択とDeltaの利点

中央集権型データプラットフォームとデータメッシュの比較

​ データプラットフォームの選択には、中央集権型とデータメッシュという2つのアプローチがあります。中央集権型データプラットフォームは、一元管理されたデータを提供することで、データの品質やセキュリティを保証します。しかし、このアプローチではデータの利用や共有が制限されることがあります。 ​ 一方、データメッシュは、データを分散させて管理することで、データの利用や共有を促進します。データメッシュでは、データの所有者がデータを自由に管理し、他のチームや組織と共有することができます。これにより、データの利用が容易になり、イノベーションが促進されます。 ​

データメッシュを選択する際の標準化の重要性

​ データメッシュを導入する際には、データの標準化が重要です。標準化されたデータフォーマットやAPIを使用することで、データの利用や共有が容易になります。また、標準化により、データの品質やセキュリティも保証されます。 ​ データ標準化のポイントは以下の通りです。 ​

  1. データフォーマットの統一

  2. APIの標準化

  3. データ品質の確保

  4. セキュリティの確保

データフォーマット標準としてDeltaの選択とその利点

​ データメッシュのデータフォーマット標準として、Deltaが注目されています。Deltaは、以下のような利点があります。 ​

  1. スキーマの進化: Deltaは、スキーマの変更を柔軟に対応できるため、データの進化に迅速に対応できます。

  2. トランザクションのサポート: Deltaは、ACIDトランザクションをサポートしているため、データの整合性が保証されます。

  3. 高速なクエリ実行: Deltaは、データの圧縮やパーティショニングにより、クエリの実行速度が向上します。

  4. オープンフォーマット: Deltaは、オープンなフォーマットであるため、様々なデータ処理ツールと互換性があります。

​ データメッシュを実現するためには、Deltaのようなデータフォーマット標準が不可欠です。Deltaを活用することで、データの利用や共有が容易になり、データプラットフォームの効果的な運用が可能になります。 ​

Delta Sharingをデータ共有標準として採用する理由

​ Delta Sharingは、データメッシュの成功に欠かせない要素として注目されています。データメッシュは、データを簡単に共有・活用できる環境を提供することを目指しており、そのためにはデータ共有の標準化が不可欠です。Delta Sharingは、以下の理由からデータ共有標準として採用されるべきです。 ​

  1. オープンソース: Delta Sharingはオープンソースであり、誰でも自由に利用・改変・配布が可能です。これにより、データ共有のハードルが下がり、より多くの人がデータメッシュに参加できるようになります。

  2. データの互換性: Delta Sharingは、様々なデータソースやデータフォーマットに対応しており、データの互換性が高いです。これにより、データの取り扱いが容易になり、データメッシュの利便性が向上します。

  3. セキュリティ: Delta Sharingは、データのアクセス制御や暗号化など、セキュリティ面でも優れています。これにより、データの安全性が確保され、データメッシュの信頼性が向上します。

データメッシュプラットフォームの成功指標と現状

​ データメッシュプラットフォームの成功を測るためには、以下の指標が重要です。 ​

  1. データの利用率: データメッシュプラットフォームが提供するデータが、どれだけ活用されているかを示す指標です。利用率が高いほど、データメッシュプラットフォームの価値が高まります。

  2. データの品質: データメッシュプラットフォームが提供するデータの品質が高いほど、データの信頼性が向上し、データメッシュプラットフォームの価値が高まります。

  3. データのアクセシビリティ: データメッシュプラットフォームが提供するデータが、容易にアクセスできるほど、データメッシュプラットフォームの価値が高まります。

​ 現状では、データメッシュプラットフォームはまだ発展途上であり、これらの指標を満たすプラットフォームは少ないと言われています。しかし、Delta Sharingのような技術の普及により、データメッシュプラットフォームの成功が現実的になってきています。 ​

今後の展望とマーケットプレイスの導入、機械学習データプロダクトの開発

​ 今後のデータメッシュの展望として、以下の2つの要素が重要視されています。 ​

  1. マーケットプレイスの導入: データメッシュプラットフォームにマーケットプレイスを導入することで、データの取引が容易になり、データの価値がより明確になります。これにより、データメッシュプラットフォームの利便性が向上し、データの活用が促進されます。

  2. 機械学習データプロダクトの開発: データメッシュプラットフォーム上で機械学習データプロダクトを開発することで、データの活用範囲が広がります。これにより、データメッシュプラットフォームの価値が高まり、データの活用が促進されます。

​ これらの展望を実現するためには、Delta Sharingのようなデータ共有標準が重要な役割を果たします。今後もDelta Sharingの普及が進むことで、データメッシュの成功が加速されることが期待されています。 ​

まとめ

​ 今回のブログでは、データプラットフォームの選択とDeltaの利点、Delta Sharingをデータ共有標準として採用する理由について解説しました。データメッシュとDelta Sharingは、データの利用や共有を促進し、イノベーションを加速するための重要な要素です。これらの技術を活用することで、データプラットフォームの効果的な運用が可能になります。 ​ 今後もデータメッシュとDelta Sharingの普及が進むことで、データの活用が促進され、データプラットフォームの価値が高まることが期待されています。皆さんもぜひ、データメッシュとDelta Sharingを活用して、データの活用を進めてみてください。

おわりに

現地でのDAISに参加しているメンバーからの報告をもとに、セッションの内容を解説しました。 DAIS期間中では、セッションに関する記事を以下の特設サイトに順次上げていきますので、見ていただけると幸いです。

www.ap-com.co.jp

引き続きどうぞよろしくお願いします!