こんばんは、ACS 事業部の埜下です。
KubeCon + CloudNativeCon Europe 2023 の 2 日目、CNCF TAG Storage が公開するホワイトペーパーについて紹介します。
TAG の役割
TAG は CNCF のサポートやユーザー コミュニティの拡大のために、CNCF の技術の整合性維持や品質向上をおこなっています。 具体的には、以下のようなことを実施しています。
- 教育
- プロジェクトのレビュー
- ユーザー コミュニティへの参加
- 専門知識の提供
その一環として、以下のホワイトペーパーを作成、公開しています。
ホワイトペーパー
CNCF Storage Whitepaper
このホワイトペーパーには、一般的なストレージの用語や機能、以下のストレージシステムの属性と、それらがシステムに与える影響などが記載されています。
- 可用性 (Availability)
- 拡張性 (Scalability)
- 性能 (Performance)
- 一貫性 (Consistency)
- 耐久性 (Durability)
Data on Kubernetes Whitepaper
TAG Storage が Data on Kubernetes (DoK) コミュニティと協力して作成したホワイトペーパーです。
Kubernetes の内部と外部でデータを実行するパターンが比較説明されています。 外部パターンでは、ほとんどのクラウドプロバイダが提供するマネージドデータサービス、内部パターンではオペレータなどが紹介されています。
Performance Whitepaper
ストレージのパフォーマンスに関するホワイトペーパーです。
ボリュームとデータベースのパフォーマンス測定とベンチマークのための共通概念の定義、一般的な落とし穴と考慮事項が記載されています。
Cloud Native Disaster Recovery (CNDR) Whitepaper
クラウドネイティブな災害対策 (Disaster Recovery) について記載されたホワイトペーパーです。 DR 手順を設計する際に参照してほしいとのこと。
このホワイトペーパーには、従来の DR 手順と CNDR の比較が載っています。
例えば、従来の DR はアクティブ/パッシブ構成がメインだったが、CNDR ではアクティブ/アクティブになることが望まれるため、障害ドメインを考慮するなどの違いがあるようです。
また、有名どころのステートフルワークロードがレプリカやシャードで使う合意プロトコル (Paxos や Raft) の一覧も載っています。
おわりに
Cloud Native Storage に関連したものだけでも 4 つあり、それぞれ読み応えのあるホワイトペーパーとなっています。
ストレージに関連した設計をするうえで参考になると思うので、ぜひ目を通しておきたいですね。