APC 技術ブログ

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新卒1年目のCKA合格体験記

はじめに

はじめまして、クラウド事業部の中本です。
昨年4月に入社し、早いもので丸1年が経ちました。
今回はタイトルにある通り、新卒1年目でCKAに合格した時の受験体験記を書いていきます。

最初に、簡単に私の経歴を紹介します。

  • 文系卒、IT未経験で入社
  • Kubernetesを利用したサービス開発、運用を行う現場へ配属
  • CKA取得前のIT知識は、ITパスポート試験、LPICレベル1取得

この通り、ITの初歩的な部分を少しかじった程度の未熟者ですが、現場で必須な知識だったため、1年目のうちからCKAの勉強を始めました。
初学者としての勉強方法や、当日受験してみての感想、受験環境(トラブルあり…)などを 書いていきたいと思います。 これから受験される方の参考になれば幸いです。

試験概要

  • 試験名:CKA(Certified Kubernetes Administrator)
  • 試験時間:2時間
  • 試験形式:コンソール上からKubernetesクラスタを操作し、タスクを完了させる
  • 受験費用:55000円(高い…)
    ※為替相場により変動します。私が受験した時の円換算ではこの値段でした。
  • 合格ライン:66%

受験ログ

2022/09/19 15% 不合格
2023/01/09 56% 不合格
2023/01/29 75% 合格!

3度受験してようやく合格しました。
1度目は試験の形式に慣れるという意味で、本格的な勉強はしていない状態で挑みました。(後述の参考書を軽く読んだ程度)これはさすがに無理がありました・・・。
2回目までは同じバウチャーで受験できるので、なるべく1,2回目で合格したいところです。
ちなみに購入したバウチャーはこちら↓

認定Kubernetes管理者(CKA)試験| Linux Foundation

勉強方法

2022年8月頃から、合格するまでに半年ほどかけて勉強を進めました。
LPICレベル1の学習として、軽くサーバーについて学んだ程度からのスタートです。

基礎の学習

正直「コンテナとは何ぞや」レベルの知識量だったので、まずは基礎から学びました。

  • Docker&Kubernetesのきほんのきほん

コンテナの概念やコンテナが使われる理由、DockerとKubernetesの基礎が丁寧に説明されている本で、 この一冊でKubernetesを学ぶ上での前提知識を身に付けることができました。
初学者向けに書かれているので、コンテナのコの字も知らない私でも非常に読みやすかったです。

本格的な学習

くじら本である程度Kubernetesの概要を掴んだら、本格的にCKAの学習に入っていきました。

解説動画と、実際に環境を触ることができる演習問題が用意されており、この講座一つでCKAの学習を網羅することができました。
ただ非常に量が多いので、私は要点を絞って勉強していました。
特にpodのdrainやlabel、requestやlimitなど、Kubernetesの基礎的な部分はしっかり勉強しました。
基本的には解説動画を見る→演習問題を解く という流れで学習を進めましたが、私の場合は解説動画を見てもよく分からないことが多かったので、 その時はKubernetesの辞書のような書籍「Kubernetes完全ガイド」を読んで勉強しました。
図が多用されており、分かりやすいので行き詰まった時に非常に役立ちました。

試験直前

ひたすら問題演習をやっていました。

  • 上記Udemy対策講座の模擬試験
    演習問題の最後に模擬試験が用意されているので、これを繰り返し解きました。
    本番と似た問題も結構あるので、やっておいて良かったです。

  • 過去問の復習
    1回目に受験した時の問題を覚えておき、2回目以降はしっかり復習して挑みました。
    私が受験した時は、全くと言っていいほど同じ問題が出題されたので、出た問題の復習が合格への近道だと思います。
    先述の通りCKAは2回目まで同じバウチャーで受験できるので、1回目は問題を覚える目的でサクッと受験してみるのも手かもしれません。

受験当日

受験場所は定められていないので、3回ともコワーキングスペースの個室で受験しました。 時間になったらPSIという専用のソフトウェアを立ち上げ、そこで試験官とやり取りし、試験環境(ubuntu)へリモートデスクトップで接続して試験がスタートします。
この試験環境がまた厄介で、色々とトラブルが多かったので書いていきます。

「ID」が何か分からない

2回目受験の際、試験官から「IDを教えて下さい」と言われ、何のことかよく分からずこのやり取りだけで30分くらい時間を費やしてしまいました。
聞くと「受験に必要なID」とのことだったので、マイナンバーカードを提示したのですが「それではない」と言われ、最終的に「あなたのIDをこちらで調べます」と言われ次のステップに進むことができました。
後から調べると、IDとは身分証明書のことで、試験の登録時に記載した氏名と身分証明書の表記が異なる場合は、身分証明書を複数提示しなければならない場合があるようです。

CKA/CKAD 試験に関するよくある質問 - クリエーションライン株式会社

Q, 11. 試験登録時に氏名をアルファベットで申し込みましたが、提示する予定のIDは漢字表記です。大丈夫ですか?
A, ID照会については、IDの表記が漢字であっても条件が合致していれば認められます。 例えば、Primary IDが運転免許証の場合、Secondary IDとして健康保険証を組み合わせれば大丈夫です。

Candidate Identification & Authentication - T&C DOCS (Candidate Facing Resources)

The first and last name on the ID must exactly match the verified name entered on your exam checklist

私は登録時に英語表記の氏名で申し込みましたが、提示したマイナンバーカードは表記が日本語であることから、他にも身分証明書を提示しろ、ということだったのかと思われます。 事前にしっかり確認しておけば良かったと反省しました…

ドキュメントの可読範囲が狭すぎる

試験中はKubernetesの公式ドキュメントを確認することができますが、リモートデスクトップで接続してブラウザを開き、そこから見る形になります。
そうなると、PCの画面はPSIのメニューバーや試験問題、リモートデスクトップ先のブラウザのメニューバー、ドキュメントの目次などですっかり埋まってしまいます。試験で使用したPCは13インチ程度だったのですが、肝心のドキュメントは3㎝くらいしか見れなくなってしまいました。
文字検索をかけてもヒットした文字がその3cmの枠内に表示されず、yamlファイルをコピーしようとするも範囲選択が上手くいかず…
そんなこんなで、1,2回目の受験の際はまともにドキュメントを使うことができませんでした。
この失敗から、3回目の受験で以下の対策を取りました。

  • ドキュメントの目星を付けておく
    「この問題が来たらこの文字で検索をかけ、上から何番目にヒットしたドキュメントを開き、スクロールバーのこのへんの位置にある設定値を見る…」 といった具合で、見たいドキュメントの部分と、そこにたどり着くまでの経路を把握しておくようにしました。

  • 文字サイズの変更
    ドキュメント上でCtrlを押しながらPCのタッチパッドをズームアウトさせると文字サイズを小さくすることができたので、小さくして全体を見やすくしました。

こういった対策で、3回目の受験はなんとかドキュメントを活用することができました。

リモートデスクトップ先の動作が重い

試験開始から1時間半経ったあたりから、リモートデスクトップ先の動作がやたらと重くなる現象が発生しました。
コマンドを打ってから反映されるのに3秒くらいラグが生じ、ドキュメントもスクロールができず、もはやまともに試験を受けられる状況ではなくなってしまったのです。
しかし3回目の受験の際、幸か不幸かPSIから追い出されるというハプニングが生じ、再接続後にこの現象は直っていました。
同じような現象が起こった方は試験官に伝え、PSIの再接続を試しても良いかもしれません。

まとめ

そんなこんなで、なんとか3度目の正直で合格できました。
所属するプロジェクトのメンバー全員がCKA保有者だったので、自分も絶対取らなければ…というプレッシャーもあったのですが、 かなり実務に生きているので、早いうちに取ることができて良かったです。

今回の経験を糧に、引き続き自己学習に励みます!