APC 技術ブログ

株式会社エーピーコミュニケーションズの技術ブログです。

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CloudNative成熟度モデルにおけるBusiness Outcomesの到達度レベル概要

本投稿は「エーピーコミュニケーションズ Advent Calendar 2022」8日目のものでもあります。

Cloud Native Maturity Model (成熟度モデル) 2.0

先日Cloud Native Maturity Model 2.0 (CNMM 2.0) の各レベルの概要をご紹介しました。

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その中で1つだけ記載していない領域がありました。それがCloud Native Maturity Model 2.0で追加となった「Business Outcomes」です。

システム導入・運用の成功は、やはりビジネス上の成功なくしては語れません。 今回はその「Business Outcomes」の各レベルの内容を紹介したいと思います。

Level 1 : Build

Level 1 は本番前の環境への実装がメインとなる部分です。すべてはこれから始まります。 Business Outcomesとしてはこの段階では Cloud Native Journeyの成功をどのように測定するか(初期KPI)を決定します。また、もう1つ重要なのはそれをどのように利害関係者に示すかです。利害関係者とはエンジニアリングのリーダー、アプリケーションオーナー、CEOや取締役会です。

Level 2 : Operate

Level 2では本番での実装がはじまっています。 このレベルではLevel 1で確立したKPIを使用して成功を測定し、利害関係者に伝達します。成果は主に本番環境への移行に関するものとなります。また、チームがLevel 2で運用するとき、繰り返しが可能なパターンが出現します。それらもビジネス成果として適用されます。 KPIにはROI(投資収益率)を含むこともできますが、Level 5よりもLevel 2のほうがROIが低くなることを理解してください。これはチームによるツールやスキル確立に多くの投資を行うためです。

Level 3 : Scale

Level 3では能力が向上しスケールアップしていく段階となります。 このステージではビジネス上の成果はチームの経験に依存します。チームの自信が高まるにつれて、セキュリティ、効率性、信頼性といった能力が高まり、規模に応じて定義されたプロセスを実装できます。 チームが改善するについれて、これらがサービスとアプリケーションに影響を与えます。運用がよりスケーラブルであることに気づくと思います。 Level 3では、単一障害点または期待はずれのパフォーマンスからアプリケーションまたはサービスを保護することができます。またMonitoringも実装されておりビジネス上機能している部分と機能していない部分のレポートを得るのに役立ちます。

Level 4 : Improve

Level 4では、複数の環境のセキュリティ、ポリシー、ガバナンスに関する改善に焦点をあてています。チームはKubenetesを維持するような技術的課題以上により多くの時間をビジネス上の課題に集中することができます。 Level 1で確立したKPIに対して測定し続け、それらを利害関係者に提供しています。このため、成果を示すことができ、目標を調整することができます。 レポートにはコンプライアンス、セキュリティ、パフォーマンス、コストといった項目が含まれることが重要です。 この段階で、他のアプリケーションの移行も開始し、達成したいこととそれぞれのレベルの成熟度で見られる価値の理解を深めることができます。

Level 5 : Optimize

最適化のこのフェーズではPeople、Process、Policy、Technologyといった領域で多くの変化が見られます。 Business Outcomesではビジネス目標に到達し、チームリーダーやCEO、CFO、その他取締役会に示す測定可能な成果が得られています。 今後もさらに高度なコストとパフォーマンスの指標に対してワークロードを最適化していきます。最適化は終わりがありません。ここで期待されるビジネス上の成果は、最適化が確立された目標に対して、どのように基準を動かし続けられるかを追跡する能力です。 この時点で目標を再検討し、達成したことと達成したいことを調整することができます。 また、Cloud Nativeのベストプラクティスに沿って、可能な限り自動化し、セキュリティとパフォーマンスの問題を回避すると同時にヒューマンエラーを排除していきます。

原典

オリジナルの定義は以下のものです。

github.com

最後に

CNMM2.0のように、到達レベルとその次に何を行っていくべきかのガイドがあると取り組みやすいものです。 こうした成熟度を参考に自身のチーム・組織の成長を体感できるようにしてはいかがでしょうか

エーピーコミュニケーションズ Advent Calendar 2022 9日目もぜひご期待ください。

qiita.com