目次
はじめに
こんにちは、株式会社エーピーコミュニケーションズの松尾です。
本記事ではAmazon SESを使って徐々にメール送信数を増やしていき、数日後に送信クォータの引き上げをしていきます。
構成イメージはこのような形。lambdaで定期的にメールを送信する仕組みを構築していきます。lambdaのトリガーで送信レートを調整してメール送信の頻度をコントロールします。
ゴール
次の点を目的としていきます。
- Amazon SESの送信クォータ引き上げまでの流れを理解する
Amazon SESの構築
以前の記事を参考にAmazon SESとlambda、Route53でのドメイン登録は構築済みでの状態から始めていきます。
SPF、DKIM、DMARKも設定された状態で1件のメールを送信して受信できることまで確認しました。SESの評判メトリクスにも1件の送信成功が記録されています。
lambdaの構築
EventBridgeで定期的にメール送信するように設定し、数日間メトリクスの様子を見ていきます。 まずは1時間に6通のペースで送信していきます。(6通×24時間=144通。200通以下)問題無さそうであれば上限の200通に近づけていきます。
1時間に8通ペースに変更した状態はこちら。
送信メトリクス確認
メトリクスを見ても送信が100%成功しており、拒否やバウンスは0%となっています。
送信クォータ緩和申請
「Service Quota」かSESダッシュボードから送信クォータ緩和申請を進めていきます。
上限緩和後の状態はこちら。申請した数値(10000)よりも大きい値(50000)で設定されていました。特に明記は無かったので状況にもよるものと思われます。
50000通でも不足するようなら、50000通近くまで正常な送信を一定期間行ったうえで、更に送信クォータを上げていくことになると思います。
まとめ
今回はドキュメントに従って実際に送信クォータ上限近いメール送信を数日行ったうえで、送信クォータの上限緩和申請を行ってみました。
初期状態のサンドボックスから1回だけ上限緩和を行い、送信数が少なくて済んだため、拒否やバウンスは無い状態となりました。
基本的には、送信数が多くなるほど拒否やバウンスも増えてくる可能性も比例するはずなので、本番環境では構築だけではなく運用も重要であることを再認識しました。
ドキュメントを見ると、現在の上限に近い値での送信を継続すると自動的に緩和されることがある、との記載もあります。本来ならこのような形で自動的にスケールしていけるのがクラウドのメリットだと思います。自動的にスケールするほど正しい運用を目指したいものです。
おわりに
私達クラウド事業部はAWSなどのクラウド技術を活用したSI/SESのご支援をしております。
また、一緒に働いていただける仲間も募集中です! ご興味持っていただけましたらぜひお声がけください。