はじめに
こんにちは、クラウド事業部の山下です。
AWSのコストを削減する方法として、Savings Plansという料金モデルを購入・適用することができます。
AWSの試験等で出てくるので概要は知っていたものの、これまで実際に活用したことがありませんでした。
現在関わっている業務の環境でSavings Plansが適用されており、業務を行う中でSavings Plansへの理解が深まったのでまとめておきたいと思います。
どんなひとに読んで欲しい
- Savings Plansの活用を検討しているひと
- Savings Plansについての理解を深めたいひと
Savings Plansとは
1 年 or 3 年の期間で一時間あたりいくら分使用する、という使用量 を事前に契約・購入すると、実際に契約分を使用した場合にその分該当サービスの割引を受けられるという料金モデルです。
Savings Plansには以下のような支払い方法、プランがあります。
期間
下記2つから選択します。
1年
3年
契約期間が長い3年の方が割引率は高くなります。
同じ暦月内かつ直近 7 日間以内に購入された、契約額が 100USD/時間 以下という条件を満たせば、Savings Plansの購入をキャンセルできます。
料金の支払い方法
以下の3つの支払いオプションがあります。
- 前払いなし (No Upfront):1か月分のコミット額を毎月支払う方法です。割引率は最も低くなります。
- 一部前払い (Partial Upfront)::契約期間の半額を最初に支払い、残りを毎月均等に支払う方法です。割引率は中程度です。
- 全額前払い (All Upfront)::契約期間の料金を全て一括で支払う方法で、割引率は最も高くなります。
期間が3年で全額前払いで支払いする方法が一番割引率が高くなります。
3つのプラン
Compute Savings Plans
最も柔軟性が高いプランで、最大66%のコスト削減が可能です。
EC2、Fargate (ECSとEKS用)、Lambdaに適用されます。
インスタンスファミリー、サイズ、リージョン、OS、テナンシー(デフォルト、専有インスタンス、専有ホストなど)に関係なく、コスト削減効果が高いリソースへ自動で適用されます。
インスタンスファミリーを変更する可能性などがある場合は、こちらのプランの購入が柔軟性が高いので良いと思います。EC2 Instance Savings Plans
特定のリージョンと特定のインスタンスファミリーを選択するEC2インスタンスのみに適用されるプランです。
最大72%のコスト削減が可能です。
サイズ 、OS 、テナンシー (デフォルト、専有インスタンス、専有ホストなど)に関係なく、選択したリージョン内の指定されたインスタンスファミリー内での使用に自動的に適用されます。SageMaker Savings Plans
SageMakerインスタンスの使用に適用されるプランです。
SageMakerの使用料を最大64%削減できます。
割引について
AWS公式ページにて、各インスタンスタイプごとの一時間あたりのオンデマンド料金とSavings Plans料金を確認することができます。
例えば下記のようにEC2 Instance Savings Plans、期間:1年間、前払いなしでt3の料金を確認するとオンデマンドと比較して37%削減できることがわかります。
また、料金計算ツールで試算すると、損益分岐点も確認することが可能です。
購入手順
AWSコンソールで「請求とコスト管理」に進み、メニューから「Savings Plansの購入」を選択します。
どのような内容でSavings Plansを購入するのか、各項目を選択します。
- Savings Plansタイプ
- リージョン、インスタンスファミリー(EC2 Instance Savings Plansの場合)
- コミットメント額
- 支払いオプション(前払いするかどうか)
- Savings Plan開始日
カートに追加後、内容を確認し問題なければ注文すると購入が完了します。
コミットメント額に迷ったら…
「請求とコスト管理」>「Savings Plans推奨事項」に行くと、過去の使用状況から見てこれくらい買うといくら削減できそう!というAWS側のレコメンドを確認できます。
このレコメンドされた内容をカートに追加して購入することも可能なので、こちらを活用するのも良いと思います。
躓いた箇所
最後に個人的に躓いた箇所について記載しておきます。
- 割引とコミットメント額の考え方
初歩的な部分ではあるのですが、割引の適用とコミットメント額の考え方が自分の中でなかなかしっくりきませんでした。
割引について、Savings Plansはざっくり言うと年間パスポートのようなもの、と考えることで少し腑に落ちました。
コミットメント額はAWSコンソール上で推奨事項を確認できる&料金計算ツールで損益分岐点を確認できる点で納得できました。
- Savings Plansの適用について
こちらも初歩的なことですが、Savings Plansは特定のインスタンスに狙って適用することはできないので注意が必要でした。
たとえばEC2 Instance Savings Plansのタイプであれば、選択したインスタンスファミリーであればサイズ(large、xlargeなど)に関わらずその時コスト削減効果が高いリソースに自動で適用してくれます。
なので「〇〇のインスタンスに絶対適用されるようにしたい!」ということはできないので注意する必要があります。
おわりに
知識としては持っていたものの実際に業務で扱ってみて、なんとなくわかっているくらいだったところの理解が深まったので良かったです。
AWSを扱うなかでコスト問題については考慮・検討しなければならないことが多いと思うので、ぜひSavings Plansを活用してみていただければと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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