APC 技術ブログ

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Lakehouses: The Best Start to Your Graph Data and Analytics Journey(レイクハウス:グラフデータとアナリティクスの旅への最良のスタート)

はじめに

GLB事業部Lakehouse部の阿部です。現地でのData + AI SUMMIT2023(DAIS)に参加している市村の報告をもとに、セッションの内容をまとめた記事を書きました。

DAISでのセッションに関する記事は、以下の特設サイトにまとめています。 こちらも見ていただけると幸いです。

https://www.ap-com.co.jp/data_ai_summit-2023/

Lakehousesで始めるグラフデータと分析の旅

今回は、講演「Lakehouses: The Best Start to Your Graph Data and Analytics Journey」についてお話しします。講演者はLead Specialist Solutions ArchitectであるDatabricksのDouglas Moore氏です。 この講演では、グラフデータと分析の旅を始めるための最良のスタートであるLakehousesについて、グラフデータベースの課題と潜在的な機械学習と深層学習のサポートについて説明されました。データサイエンティストやデータアーキテクト、データエンジニア、そしてデータ分析に興味のある方々にとって、非常に興味深い内容となっています。

それでは、早速講演の内容を見ていきましょう!

データサイエンティストQuinnの挑戦: 複雑なデータセットとグラフ解析

ある日、データサイエンティストのQuinnは上司から複雑なデータセットを受け取り、グラフ解析に取り組むことになりました。これは、従来のリレーショナルデータベースでは対処しきれない複雑なデータ構造を扱うための新しいアプローチでした。

グラフデータベースの課題

しかし、グラフデータベースにはいくつかの課題がありました。

  1. スケーラビリティ: 大規模なデータセットに対応するためには、分散処理や並列処理が必要ですが、これが容易ではありません。
  2. パフォーマンス: クエリの実行速度が遅く、リアルタイムの分析には向いていません。
  3. 柔軟性: 異なるデータソースやデータ形式に対応するのが難しいため、データの統合が困難です。

機械学習や深層学習のサポート

さらに、グラフデータベースは機械学習や深層学習のサポートが不十分でした。これらの技術を活用するためには、以下のような機能が求められます。

  1. データの前処理や特徴量抽出が容易に行えること
  2. 複数のアルゴリズムやモデルを組み合わせて実行できること
  3. 学習済みモデルの管理やデプロイが簡単に行えること

Lakehouses: グラフデータと分析の旅の最良のスタート

そこで登場するのが、Lakehouseです。これは、データレイクとデータウェアハウスの機能を組み合わせた新しいデータ管理アーキテクチャで、グラフデータベースの課題を解決し、機械学習や深層学習のサポートも提供します。 以下、Lakehouseの特徴です。

  1. スケーラビリティ: 分散処理や並列処理により、大規模なデータセットにも対応できます。
  2. パフォーマンス: 高速なクエリ実行が可能で、リアルタイムの分析にも対応しています。
  3. 柔軟性: 異なるデータソースやデータ形式に対応し、データの統合が容易です。
  4. 機械学習や深層学習のサポート: データの前処理や特徴量抽出、モデルの管理やデプロイが簡単に行えます。

最新の概念や機能

Lakehousesは、最新の概念や機能を取り入れています。

  1. データバージョニング: データの変更履歴を管理し、過去の状態に戻すことができます。
  2. スキーマ進化: データのスキーマが変更されても、自動的に対応できます。
  3. セキュリティ: データへのアクセス制御や監査が容易に行えます。

これらの機能により、Quinnはグラフデータと分析の旅をスムーズにスタートできました。Lakehousesは、データサイエンティストやエンジニアが直面する課題を解決し、データの価値を最大限に引き出すための最良の選択肢となっています。

グラフニューラルネットワークを活用したサプライチェーンの可視化とリスク軽減

この講演では、グラフニューラルネットワークを用いた企業のグローバルサプライチェーンの可視化と、リスク軽減を実現するプロジェクトが紹介されました。グラフニューラルネットワークは、グラフデータベースの課題と潜在的な機械学習や深層学習のサポートについても説明されています。

グラフニューラルネットワークとは

グラフニューラルネットワーク(GNN)は、グラフデータを扱うためのニューラルネットワークです。グラフデータは、ノード(頂点)とエッジ(辺)で構成されるデータ構造であり、さまざまな分野で利用されています。GNNは、グラフデータの特徴を捉えることができるため、従来のニューラルネットワークでは難しかった問題に対しても有効な解決策を提供します。

サプライチェーンの可視化とリスク軽減

グラフニューラルネットワークを活用することで、企業のグローバルサプライチェーンの可視化が可能になります。これにより、サプライチェーン全体のリスクを評価し、リスク軽減策を立案できます。具体的には、以下のような活用が考えられます。

  1. サプライヤーのリスク評価: サプライヤー間の関係をグラフデータとして表現し、GNNを用いてリスクスコアを算出できます。
  2. サプライチェーンの最適化: GNNを用いて、サプライチェーン全体のコストやリードタイムを最適化できます。
  3. リスク軽減策のシミュレーション: GNNを用いて、リスク軽減策の効果をシミュレーションし、最適な対策を選択できます。

このように、グラフニューラルネットワークを活用することで、サプライチェーンの可視化やリスク軽減が実現できることが分かりました。

まとめ

今回の講演では、グラフデータベースの課題と潜在的な機械学習や深層学習のサポートについて説明され、Lakehousesがその解決策として提案されました。また、グラフニューラルネットワークを活用したサプライチェーンの可視化やリスク軽減の事例も紹介されました。データサイエンティストやデータアーキテクト、データエンジニアの皆さんにとって、LakehousesやGNNの活用は今後ますます重要になってくることでしょう。ぜひ、この機会にLakehousesやGNNについて学んでみてください!