こんにちは、クラウド事業部の山路です。 今回はAWS re:Invent 2023のKeynote (Day2) の様子を共有します。
※追記:録画も公開されたので興味ある方はこちらからどうぞ。
講演開始
発表者はAWS CEOのAdam Selipskyさん。
まずはAWSを利用する企業やパートナーの紹介。当たり前ですがすごい数。
まずはインフラの話から。リージョン、AZなど。
次はストレージの話。Amazon S3はこれまで進化を続けてきましたが、ストレージにはさらなるスピードが求められていると課題を紹介。
早速の新サービスとして、Amazon S3 Express One Zoneの発表!これまでより10倍速く、かつ40%のコスト減を実現するとのこと。
続いてコンピューティング。AWS Gravitonの新バージョンであるGraviton4と、それを利用できるEC2インスタンスタイプ R8g の発表!
続いては、多くの方が期待していたであろう生成AIの話。
生成AIにはレイヤーが3つありますという紹介。インフラ、モデル、そしてアプリケーション。
まずはインフラレイヤーの話から。AWSは昔からNVIDIAと協力しています。
ここで一人目のゲストとしてNVIDIAの創始者兼CEOのJensen Huangさんが登場。
当たり前ですが同じ会場にいらっしゃいます。すごい。
話は戻ってAI学習向けチップのAWS Trainiumの話。
新しいバージョンのTrainium2が発表されました。
AWS NeuronやAmazon Sagemakerの紹介もあり、ようやくインフラレイヤーの話が終了。すでにボリュームがすごいことになってます。
2つ目のモデルレイヤーの話。どうやってベストなモデルを選択するか。
ここでAmazon Bedrockの話。すでにこんなに多くの企業で使われてます。
2人目のゲストとしてAnthropic CEO兼共同創業者の Dario Amodeiさんが登場。OpenAIのライバルともいわれる企業のCEOということもあり、今後の展開にも注目です。
AWSもAmazon Titanというモデルを提供しています。Titan Familyの紹介。
これらを使い、ユーザー自身に特徴的なモデルを使うことが重要。
Amazon Bedrockの新機能としてFine-Tuningが発表。Anthropic社の提供するClaudeもComing Soonとのこと。
BedrockはRAGにも対応しました。
Amazon Titan向けのContinued Pre-training機能も登場。
これらの新機能を使い、カスタマイズをすることができます。
アプリケーションからAmazon Bedrockを利用するのをサポートするAgents for Amazon BedrockもGAになりました。
さて、生成AIの話題としてはセキュリティも外せません。
Amazon Bedrockはセキュアにデータを扱います。SOCにも準拠しています。
責任あるAIの話から、Guardrails for Amazon Bedrockの発表。不適切なコンテンツのフィルタリングなどをしてくれます。
ここでAWSを活用する企業として、PfizerのLidia Fonsecaさんが登場。
ウイルスに対抗する新薬開発のためにはイノベーションの加速が必要。また、一刻も早く完成させて患者のもとに届けるため、スピードも重要です。そのためにAIも活用。SageMakerも使ってます。
トレーニングのお話もはさみつつ、生成AIの3つ目のレイヤーの話。ここではAmazon CodeWhispererの紹介。
先日カスタマイゼーションの発表もありました。
AWSが生成AIでまだ着手していないように見えていたAIチャットの話。これはもしや・・・?
おそらく今回の発表で最も反響の大きかった、Amazon Qの発表!
Amazon Qは何をしてくれるのか?まずはAWSのエキスパートとして、過去10数年にわたるAWSの知見をもとにアドバイスしてくれます。
発表を見る限り、AWSマネジメントコンソールならどこからでも使えそう。
何か問題のあるリソースがあれば、解決を手助けしてくれます。あとは最適なリソースを提案してくれたり。
開発のライフサイクルの様々な場面でAmazon Qが助けてくれます。その結果開発者の働く時間を減らせます。
ここでなぜかJavaを例に開発言語のバージョンアップの話に。なんとコードの変換もしてくれます。
どれくらいすごいかというと、1000のJavaアプリケーションの移行が2日で完了するくらい。会場も大盛り上がりでした。
ここまでは主に開発者をどうサポートするかのお話ですが、次は開発者と共に働く人たちをサポートする例の紹介。
ビジネスのエキスパートとしてもふるまってくれます。
ここでAWSのVPであるDr. Matt Woodが登場。
初期設定とデータ元へのアクセスが必要になります。S3やらSlackやら様々なデータ保存場所と接続。
データをもとにビジネス上のサポートをしてくれます。
まだまだ役割はあります。次はBIをサポートするお話。
Amazon QuickSightとの連携の紹介。
データをもとにグラフを生成したり、テキストを生成したり。
最後はカスタマーサポートのエージェントを手助けするお話。
Amazon Connectとの連携。顧客とのやり取りの最中に利用できるだけでなく、オンボーディングもサポートしてトレーニング時間を少なくしたり。
以上がAmazon Qの機能の紹介でした。AWSでもついに登場、だけでなく、ユースケースごとに別サービスとの連携も盛り込んだ発表でした。
ここまでで生成AIの3つのレイヤーの話が終了。インフラからアプリまで網羅してます。
続いてはBMWのStephan Durachさんが登場。
多岐にわたる機能を実現するためにAWSを活用しています。
続いてはデータの使い方、ではなく、データそのもののお話。あなたの持っているデータが差別化につながります。
データの活用には、包括性・統合性・統治性が求められます。
まずは包括性。AWSはもっとも包括的にデータサービスを提供していますという紹介。
次は統合性。例えばETLパイプラインは複雑で、ちょっとしたことでうまくいかなかったり壊れてしまう。理想は一直線にデータが転送されること。
これを解消するため、AWSはZero-ETL integrationという機能を、Amazon RedShift向けに提供しています。ただし現状ではAurora MySQLにしか対応していませんでした。
この対象がさらに3つ追加されます。
さらにAmazon OpenSearch Service向けにもZero-ETL integration機能を提供。現状はDynamoDBのみ。
これでZero-ETL integrationは5つの選択肢ができました。
最後は統治性。Amazon DataZoneはデータの統治に役立つサービスです。
データをもっと発見しやすくしましょうとのことで、Amazon DataZone AI recommendationsの発表。
これで終わりかと思いきや、最後にとんでもない発表が。
Project Kuiperの紹介。
紹介ムービーが流されます。宇宙めがけてスペースシャトルが発射されたりします。会場でも煙が噴出してました。
Project Kuiperは、通信の届きにくい、あるいは届かない地域の方向けに、衛星を用いて通信が届くよう橋渡ししてくれるもの。今後の展開に期待です。
これでKeynoteは終了。とんでもない情報量でした。
さいごに
Day1に続きKeynoteの紹介をさせていただきました。合計で2時間半近い長時間の講演でしたが、時間を忘れて見入ってしまいました。最後のほうはまるで映画を見ているような気分になりました。
内容については、おそらく多くの方の予想通り?生成AIがメインの内容となりましたが、これで生成AI系でよくあるサービスは、AWSも網羅した感じになるでしょうか。今後の生成AI界隈の勢力図がどうなるかも気になりますが、まずはAmazon Qがどれくらいすごいか知りたいところです。
明日以降もAWS re:Invent2023の内容を共有していこうと思います。