APC 技術ブログ

株式会社エーピーコミュニケーションズの技術ブログです。

株式会社 エーピーコミュニケーションズの技術ブログです。

PL-300(Microsoft Power BI Data Analyst)学習方法

はじめに

Power Platform推進チームの小野です。
Power BI Data Analyst資格「PL-300」を取得しました。
これからPL-300取得を目指す方に向けて、学習方法を共有します。

learn.microsoft.com

※同じAssociate資格の学習方法については、下記を参照ください。

PL-200(業務コンサルタント) techblog.ap-com.co.jp

PL-100(App Maker) techblog.ap-com.co.jp



試験範囲

※2023/8/22版 の情報です。

  • データの準備 (25 - 30%)
  • データのモデル化 (25 - 30%)
  • データの視覚化と分析 (25 - 30%)
  • 資産のデプロイと保守 (15 - 20%)

learn.microsoft.com

Power BIに全振りした試験です。
Power Apps・Power Automate・DataverseといったPower Platformの構成要素はまったく登場しませんでした。

その代わり、Excelにも使われるPower Queryが登場します。
試験対策としてPower QueryのM言語をマスターする必要はありませんが、データ準備(ETL)の手順は理解しておく必要があります。
データ準備作業がデータ分析の8割を占める、と言われるほど重要な工程なので、しっかり押さえておきたいところです。

なお、2023/8/22の改訂で、データの視覚化と分析>PowerPoint でレポートとビジュアルを共有するが追加されています。
英語以外へのローカライズに8週間ほどかかるので、私が受験したのは2023/8/22以前のバージョンだったと思われます。
PowerPointにPower BIを埋め込む操作については、下記のdocsを参照ください。

learn.microsoft.com



学習方法

前提知識

PL-900(Power Platform 基礎)に合格していることを前提にしています。
PL-900がPL-300などのAssociate試験の受験要件になっているわけではありませんが、
まずはPL-900を取得して全体感を理解しておくことをオススメします。

PL-100・PL-200などの他のAssociate試験とも、範囲はほとんどかぶっていない印象です。
PL-200をやっておくと、データセキュリティの点で理解しやすいかも、くらい。
Power BIに特化して学びたい方が、PL-900合格後にすぐPL-300を目指すのはアリだと思います。

Microsoft Learn

Microsoft資格試験では定番のインプット手段です。
Microsoftが作成したコレクション(約22時間分)をひととおり確認しておきましょう。 なお、22時間の中には、Microsoft Learn上の仮想環境で行う演習(45分)が多数含まれています。

また、Learnには「試験対策用の練習問題」があり、安定して9割正解できるようになるまで繰り返しました。

(ESI:実施なし)

※Enterprise Skills Initiative:Microsoftが企業に提供している教育プログラム

ESIから実施できるPractice Testは、提供されていませんでした。

実機操作

Microsoft Learnの仮想環境だと動作が重かったので、演習と同じような工程をPC上のPower BI Desktopで再現して確認しました。
Power BI Desktopは無料でインストールできるので、ひととおりのことが実機で確認できます。

例えば、Power BI Desktop(Power Query)を使ってExcel等からのデータをモデリングする手順は、実機を操作して挙動を把握しておくと、ドラッグ&ドロップ問題にも迷わず解答できます。 列選択→ピボット解除→ヘッダー調整→型変更、の流れは実務でも使う機会が多いはず。

Power BI サービスは、試用版やPower BI Proライセンス(Microsoft 365 E5に付属)などが必要になります。
ダッシュボードやワークスペースなど、Power BI サービスでしかできないところを中心に、実機を操作して確認しました。

Passnexam

Web上の問題集です。英語で、無料だと多少の機能制限はありますが、十分使えます。
他のMicrosoft試験の問題集も公開されていますが、Power Platform系はPL-300だけで、あとはAzure系(AZ-###、DP-###)です。

Microsoft Learnの模試では扱われない、ドラッグ&ドロップ問題・ケース問題を中心に学習しました。
Learn模試よりも、Passnexamの方が実際の試験問題に近いです。
仮に試験合格だけを目指すなら、Passnexamを繰り返すのが最短かもしれません。

www.passnexam.com

書籍・Udemy

試験対策というより、Power BIやデータ分析の知識を底上げするために、以下を購入・受講しました。
書籍やUdemyの方が、より実務に近い領域を学習できると思います。

  • 『Microsoft Power BI入門 BI使いになる! Excel脳からの脱却』清水 優吾 www.amazon.co.jp
  • 『Power BIの基本 -初学者~中級者に「準備・視覚化・共有」の3ステップで、データの見える化と分析の基本が身につく』石川 陽一 www.udemy.com
  • 『Power BI サービスの全体像-主要な機能や管理の仕組みから最新の機能まで、利活用するためのポイントがわかる』石川 陽一 www.udemy.com

英語

海外ベンダーの資格試験を受けるなら、やっぱり英語がある程度読めた方が有利だと実感しました。
使えるツールの幅や、得られる情報量が段違いです。

前述のPassnexamでも、文章はブラウザで自動翻訳できますが、図表やドラッグ&ドロップの解答欄などは英語のままです。
私は英語に堪能なわけではない(英検3級止まり)ので、わからない単語を調べて文全体の意味を把握してから、ようやく問題を解く、といった形で、結構エネルギーを使いました。
財務・会計系の英語(SalesAmount、Revenue、COGS、YTD/QTD/MTDなど)が列名や関数名に使われるので、このあたりの意味を理解しておくと試験にも役立つはずです。
PL-300のために学習するというより、PL-300を学習しながら自然と覚える、といった感じですね。



学習方法まとめ

  • Learnでひととおりインプット
  • Learnの模試は入門編だと思って、全問理解できるくらいまで繰り返す
  • Power BI Desktop・Power BI サービスをそれぞれ操作してみる
  • Passnexamでドラッグ&ドロップ問題・ケース問題を対策する
  • 英語から逃げない

PL-300においては、Learnをやりながら実機を操作して、概念と動きを並行して理解することが効果的だと思います。
Learnだけだと抽象度が高くなりがちなので、Learnと実機とで行ったり来たりして、具体的な理解も進めるとよいです。
また、セキュリティなど高めの視座が要求されるところはPL-200、実機で理解を深めるところはPL-100の学習方法が参考になると思います。



おわりに

かなり専門的な分野の資格でした。
誰でも・すぐに役立つような分野ではなく、人を選ぶと思います。

一方で、Power BIの資格試験という枠組みを外して考えると、非常に有用な情報も含まれています。
例えば、データ準備・データモデリングの考え方は、Excelでデータ管理する場合でも必須だと思います。
また、「伝わる視覚化」の観点から、デザインについて学べるLearnもあります。

learn.microsoft.com

ビッグデータの時代の流れ・Microsoft Fabricの発表もあり、データ関連がアツイ分野であることは間違いないです。
Power Apps・Power Automateに比べると人気がなさそうなPower BI、もっと注目しましょう!

learn.microsoft.com