Bradesco銀行がデータ民主化とオープンバンキングを実現するためにDelta sharingテクノロジーを活用
GLB事業部Global Engineering部 ヨハンです。 現地でのData + AI SUMMIT2023(DAIS)に参加している市村の報告をもとに、セッションの内容をまとめた記事を書きました。 今回は、データ民主化とオープンバンキングに関する興味深い講演を取り上げたいと思います。その講演のタイトルは、「Data Democratization with Lakehouse: An Open Banking Application Case」です。発表者は、FabioさんとPedroさんというBradesco銀行で働くデータ&AIの専門家です。この講演では、Bradesco銀行がDelta sharingテクノロジーを使用して、データを民主化し、オープンバンキングを実現する方法を紹介しています。ターゲット視聴者は、データとAIに興味を持つ技術者、金融業界に勤める人、オープンバンキングに関心がある人です。 それでは、早速講演の内容を見ていきましょう!
Bradesco銀行とオープンバンキングの概要
Bradesco銀行は、ブラジルを代表する大手銀行の一つであり、創業以来、イノベーションを追求してきました。その取り組みの一環として、データ民主化とオープンバンキングの実現に向けて、Delta sharingテクノロジーを活用しています。 オープンバンキングは、銀行が保有する顧客データを、顧客の同意を得た上で、他の金融機関やサービス提供者と共有することで、新たな金融サービスの創出や競争促進を図るものです。しかし、データの共有にはセキュリティやプライバシーの課題が伴います。ブラジルでは、オープンファイナンスという概念を取り入れ、より広範な金融サービスのデータ共有を目指しています。
Delta sharingテクノロジーを活用したデータ民主化とオープンバンキングの実現
Delta sharingは、データの共有と管理を効率化するためのオープンソースの技術です。以下のような特徴があります。
データのセキュリティとプライバシーを保護
データのリアルタイムな共有とアクセスを可能に
データのバージョン管理や変更履歴の追跡が容易
Bradesco銀行では、Delta sharingテクノロジーを活用して、以下のような取り組みを行っています。
顧客データのセキュアな共有: 顧客の同意を得た上で、他の金融機関やサービス提供者とデータを共有し、新たな金融サービスの創出を促進しています。
データアクセスの制御: Delta sharingを用いて、データへのアクセス権限を細かく制御し、セキュリティとプライバシーを保護しています。
データのリアルタイムな共有とアクセス: 顧客データをリアルタイムで共有し、迅速なサービス提供や意思決定を実現しています。
クラウドソリューションを活用したデータ共有の取り組み
Bradesco銀行は、データの民主化とオープンバンキングの実現を目指して、Delta sharingテクノロジーを活用した取り組みを行っています。この取り組みにより、データの取り込みプロセスやLakehouseソリューションの活用が可能になりました。 データの取り込みプロセスでは、以下の手順が行われます。
データの収集: 顧客データや取引データなど、さまざまなデータソースからデータを収集します。
データのクレンジング: 収集したデータを整理し、不要なデータを削除します。
データの統合: クレンジングされたデータを統合し、一元的なデータストアに格納します。
このプロセスを通じて、Lakehouseソリューションが活用されます。このソリューションは、データウェアハウスとデータレイクの機能を組み合わせたもので、データの取り込みや分析が容易になります。
まとめ
Bradesco銀行は、Delta sharingテクノロジーを活用してデータ民主化とオープンバンキングを実現し、金融サービスのイノベーションを推進しています。今後も、このような取り組みが広がり、より多くの金融機関がデータ共有を通じて新たなサービスを創出し、競争力を高めることが期待されます。
おわりに
現地でのDAISに参加しているメンバーからの報告をもとに、セッションの内容を解説しました。DAIS期間中では、セッションに関する記事を以下の特設サイトに順次上げていきますので、見ていただけると幸いです。
引き続きどうぞよろしくお願いします!