APC 技術ブログ

株式会社エーピーコミュニケーションズの技術ブログです。

株式会社 エーピーコミュニケーションズの技術ブログです。

DXに必要なスキルで忘れがちなこと

はじめに

こんにちは。 たーとるマークでおなじみ(?)の亀崎です。 今回も個人の見解が内容の中心となっているのであえて記名とさせていただきました。
まずは最初に。『本記事は個人の体験・感想・考えであり組織を代表するものではありません。』

DXで必要とされる職種

皆さんはDX推進にあたって必要な職種・役割の人材が必要かご存じでしょうか? IPAの調査では以下の7つが挙げられています。

  • プロダクトマネージャー
  • ビジネスデザイナー
  • テックリード(エンジニアリングマネージャー、アーキテクト)
  • データサイエンティスト
  • 先端技術エンジニア
  • UI/UXデザイナー
  • エンジニア/プログラマー

IPA デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進に向けた企業とIT人材の実態調査~概要編~

様々な書籍を読んでいても、まとめ方の違いはあれどおおむね上記のような、 大きく分けるとビジネス領域・IT領域・データ領域といった3つの領域の人材が必要とされています。 確かに合っているとは思うのですが、どうも 「何かが足りないような気がする」と私は感じています。

何が足りない?

DXで重要なOODAループ

「何が」足りないのか?そのヒントをDX推進に重要なプロセスから 見ていきたいと思います。

DXを推進する際のポイントは「OODAループ」と言われています。 OODAとは意思決定と行動に関する理論で、Observe・Orient・Decide・Actionのそれぞれの頭文字からとったものです。 周囲の状況観察を基に意思決定し、即座に実行、その実行の結果を即座に次の状況観察につなげる、というループを継続的に行います。

DXを実施する際、周囲の状況など不確定要素・未確認要素が多いため、このOODAループで状況を確認しながら意思決定をし、課題等が発見されれば即座に修正することが求められます。

つまりDXではこのObserve(観測)が非常に重要な要素になります。

2つの観測対象

では、Observe(観測)の対象はどういったものがあるでしょうか? 私は対象として次の2通りあると考えています。

  • ビジネス上で必要となるデータ(顧客操作履歴、購入履歴等)
  • システム安定稼働やチームの能力に関するデータ(システムモニタリングや開発プロセスのメトリクス)

最初にあげたDXの職種では、主にビジネス上のデータを取り扱うことを想定すると思います。 ではもう1つのシステム安定稼働やチーム能力に関するデータはだれが取り扱うか?職種としては見えてきません。 そう、なんとなく「何かが足りない」と感じたのはこの点だと思います。

従来のシステムであれば、「運用」であったり「保守」といったチームがあったと思いますが、DXでは「運用」も「保守」もすべてDXチームの役割です。その中でもあえて言うならば エンジニア/プログラマーといった職種が主として担うことが多いと思います。しかし、従来のイメージにおける役割から エンジニア/プログラマー の役割を考えると「運用」や「保守」が抜け落ちやすい。 これが「何かが足りない」と感じた部分であり、 タイトとしてあげた 意外と忘れがちな「DXに必要なスキル」となるのではと思います。

「システム安定稼働やチーム能力に関するデータ」もDXを推進する上でとても重要な要素です。 システムが安定的に稼働され、また将来の拡張に備えた運用上・アーキテクチャ上・プログラム上の課題 (多くは技術負債と言われるものかもしれません)を見定め、その課題を早期に解決する。 新しいビジネス課題とともにシステム課題を見いだし、できる限り早期に機能追加・改善していく、そうした チームとしての能力を客観的にとらえることで、チーム・そしてビジネスそのものの成長が見込めるようになります。 ぜひこの点を踏まえつつ、DX人材の育成をしていく必要があると考えます。

最後に

私達のチームでは、Azure・AKSを活用したシステムのSIや内製化のお手伝いをさせていただいております。 「Azureを使用したDXを推進したいのだけどどうしたらよい?」 といったご相談も対応させていただいておりますのでぜひご連絡ください。