はじめに

こんにちは、クラウド事業部の山路です。

以前AWS Application Discovery Service (以降AWS ADS) の紹介をしましたが、AWS ADSはAmazon Athena / Amazon QuickSightといったサービスと連携することで、収集したサーバーの情報を分析することが可能です。これにより、移行計画を考案するうえで必要な既存のサーバーの情報を分析し、計画立案に役立てることができます。

今回はAWS ADSとAmazon Athena / QuickSightとを組み合わせる例を試してみます。

AWS ADSと組み合わせるサービス

AWS ADSと他サービスを組み合わせたデータ分析はAWSドキュメントに紹介されています。

Amazon AthenaはSQLを用いてAmazon S3内のデータを分析することができるサービスです。AWS ADSと組み合わせる場合、Amazon Kinesis Data Firehoseを経由してS3バケットにデータを格納し、対象のS3バケットに対してAthenaを使って分析を行います。

Amazon QuickSightはAWSサービスの持つデータを利用できるBIサービスです。AWS ADSとの組み合わせでは、上記AthenaのデータをQuickSightから取得することでデータの可視化を実現します。

AWS ADSのデータを分析する

ここから実際にAWS ADSとAmazon Athena / QuickSightとの組み合わせを見ていきます。作業を進める前の事前準備として、テストサーバーの作成とAWS ADS Agentのインストールを完了しておきます。

Amazon Athenaへのエクスポートの有効化

Amazon Athenaによる分析を利用するには、まずこの機能を有効化する必要があります。機能の有効化はAWSマネジメントコンソールまたはAWS CLIから可能です。

ここではAWSマネジメントコンソールから有効化します。AWS Migration Hubの画面に移動し、「データコレクタ」に移動すると、Amazon Athenaへのエクスポートを有効化するトグルがあります。

こちらをクリックすると、有効化してよいかの確認画面が表示されます。なお本機能を有効にすると、Amazon Kinesis Data Firehoseのストリームが作成され、各リソースの利用料に応じた課金が発生します。

「有効にする」をクリックすると、Athenaエクスポートが開始され、しばらく待機すると機能が利用できます。

Amazon Athenaの画面に移動するには、Migration Hubの「サーバー」に移動し、サーバーを選択してから「Amazon Athenaで表示」をクリックします。

Amazon Athena画面に移動しました。AWS ADSで収集したデータは application_discovery_service_database というデータベースに格納されるので、念のためデータベースが application_discovery_service_database になっていることを確認します。