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GitLab無償版について調べてみた

こんにちは。
クラウド事業部CI/CDサービスメニューチームです。

1.はじめに

CI/CDツールとして今後GitLabの導入を考えている、GitLabを動かしてみたい、という方はいらっしゃいますでしょうか。
その場合、ライセンスを購入する前に試してみたい!という方もいるかと思います。
本記事ではそのような方に向けて、GitLab無償版について紹介させていただきます。

2.無償版について

GitLabと聞くと「エンタープライズ用⇒有償」というイメージを抱きがちですが、実はGitLabには無償版もあるんです。
というのも、GitLabは元々OSSとして開発されていたためです。
無償版の形態としては、現在、「Community Edition(CE)」と「Enterprise Edition(EE)のFreeプラン」の2つが存在します。

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今この記事を読まれている方の多くが「えっ、無償版が2種類あるってどういうこと?」と首を傾げられていると思うので、歴史的な経緯を簡単にご説明します。 2013年にリリースされたGitLab 6.0で大規模プロジェクト向けの機能が追加された有償版のEnterprise Edition(EE)の提供が開始され、
それまでOSSとして提供されていた無償版をCommunity Edition(CE)とした差別化がなされました。
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その後2016年7月よりオープンコアビジネスモデルが採用されたことで、
現在では、CEはオープンソース、EEはオープンコア(中核機能はオープンソース、エンタープライズ用の機能はクローズド)
という棲み分けがされるようになりました。
ちなみにCEとEEは当初別々に開発・管理されていましたが、開発プロセスの複雑さを解消するため、
2020年9月22日にリリースされたGitLab 12.3から一つのコードに統合されています。

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なお、EE専用機能のコードに関してはソースアベイラブルな「The GitLab Enterprise Edition (EE) license」という独自ライセンスが適用されています。
ソースアベイラブルとは「コードは開示されているが、何らかの理由でオープンソースの要件を満たしていない」ことを指し、
ここでは使用のためにサブスクリプションを必要とするのがこれに当たります。

CEとEEの違い

CEとEEのFreeプランで提供される機能は同じだであると公式ドキュメントでは説明されていますが、
Community Edition(CE)については、以下のデメリットが存在します。

  • 公式のサポートが利用できない
  • 有償版にアップグレードする場合システムの移行が必要になる

そのため、将来的に有償版を使う可能性があってお試しで無償版を導入する場合は、同じ無償版でもEEのFreeプランを利用した方が良いでしょう。

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EEの提供方法

GitLab EEの提供方法には、「SaaS版」と「Self-Managed版」の2種類が存在し、
料金に関しては、SaaS版とSelf-Managed版それぞれに「Free」「Premium 」「Ultimate 」という3つのプランがあります。

SaaS版はサーバを自社で管理する必要がないというメリットがありますが、
ストレージ容量・月ごとの転送量・月ごとの使用時間に制限があり、
加えてFreeプランではNamespaceごとにユーザー数が5人までという制限も設けられています。

逆にSelf-Managed版では、無料版含め、前述のような制限は設けられていませんが、
代わりにGitLabをホストするインフラリソースの管理コストが発生します。

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3.EE:Self-Managed版の導入オプション

EEのSelf-Managed版を利用するにあたって様々な導入オプションがあります。

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上記ページより、GitLabはGNU/Linuxディストリビューション、
各クラウドプロバイダー、Kubernetesクラスターにインストール可能であることがわかります。
要件が決まっていれば選定には困らないと思いますが、
これから要件を確認していく場合、選択肢がありすぎて困ってしまうこともありそうですね。
選定基準については、以下の観点が公式ドキュメントで示されています。

  • パフォーマンス
  • 信頼性
  • 管理のしやすさ(バックアップ、アップグレード、トラブルシューティング)
  • ホスティングのコストのバランス

gitlab-docs.creationline.com

各プロダクトの特徴を見極めながらどのような構成で導入し無料版を試してみるか、
ぜひその検討自体も楽しみながらGitLab無料版を触ってみてください。

4.最後に

弊社はGitLabオープンパートナー認定を受けております。
また以下のようにCI/CDの導入を支援するサービスも行っているので、何かご相談したいことがあればお気軽にご連絡ください。

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