CWE(Client Working Engineering)部の宮川です。
↓前回Velocloudのライセンス概要について記載しました。
https://techblog.ap-com.co.jp/entry/2024/04/03/212034
今回はVelocloudの帯域ライセンスの考え方とVelocloudの特色の一つであるDMPO(Dynamic Multi Path Optimization)について記載します
尚、本情報は2024/04時点の情報となります。
①Velocloudの帯域ライセンスについて
VelocloudではStandard / Enterprise / Premiumのライセンスと、
以下のような帯域が用意されています。
10M / 30M / 50M / 100M / 200M / 500M / 700M / 1G / 2G / 10Gの帯域が有
参考:https://sase.vmware.com/content/dam/digitalmarketing/vmware-sase/pdfs/sdwan-712-edge-platform-spec-ds-1020.pdf
※機器によって選択できるライセンスは異なっているため注意が必要
ここから機器と帯域を組み合わせてライセンスを決定する必要があります。
例えば
①東京拠点は Edge2000 × Premium × 2Gライセンス
②大阪拠点は Edge680 × Standard × 1Gライセンス
それぞれの環境や設計方針にあわせてライセンスを選定する形です。
②帯域の考え方
帯域幅の基本的な考え方としては、
WAN回線の帯域幅かつ上り下りの値を合算した数値で選定されます。
あくまでも基本的な考え方のため、1GのWANを2本引いたが帯域使用量が合計100Mbpsもない…等の場合については
購入時に(Broadcom/パートナ)営業様との確認になるかと思われます。
③DMPO(Dynamic Multi Path Optimization)について
Velocloudの特色として
DMPO(Dynamic Multi Path Optimization)という「動的マルチパスの最適化」機能が働いています。
平たく言ってしまうと「Velocloudの機器間のOverlay(Tunnel)通信を最適化する」機能です。
この機能は上記のようにVCE - VCG間(ないしはVCE - VCE間)にてTunnelを形成すると
そのTunnel間の通信品質「パケットロス率、遅延、ジッタ」を測定し、通信品質を向上させるため最適化を行う機能です。
実際に通信品質を測定し、遅延が発生していると
FEC(Forward Error Correction)やSteeringを利用して通信にパフォーマンスを向上させる機能になります。
※Steeringについては今回は説明を割愛しますが、画像の通りでフレキシブルに回線を選ぶんだ、ぐらいの認識でOKです。
「パケットロス率、遅延、ジッタ」についてはそれぞれ一定の基準を設けて評価をしており、
Good / Fair / Criticalで表現されます。
「パケットロス率、遅延、ジッタ」のそれぞれの閾値は上記のとおりです。
この評価基準を基に、Traffic Type「Voice」「Video」「Transactional」それぞれで測定され、
VCOの管理画面「QoE」にて「パケットロス率、遅延、ジッタ」の表示時間あたり、VQS(Velocloud Quality Score)として評価・表示されます。
VQSについては以下の計算式で表されています。
VQS:時間あたりのGoodの% ×10 + 時間あたりのFairの%×5 = VQS(Velocloud Quality Score)
として表示され、視覚的にも品質がわかりやすいようにGUI画面で表示されます。
ただし、上記で記載した通り「VCE - VCG間(ないしはVCE - VCE間)」の計測値になるので、
LBO(Local Break Out)など、「VCE - VCG間(ないしはVCE - VCE間)」を経由しない通信については測定や品質向上の動作をしないことに注意が必要です。
④終わりに
前回の続きでVelocloudの記載をしてみました。
こちらも当初調べたときに頭に「?」を生やしながら色んな情報サイトを見たのを思い出しました…
次回もVelocloudないしはSD-WAN関連のことでも書いてみようと思います。