はじめに
先進サービス開発事業部のKunimoriです。12年間ネットワーク・サーバ基盤を中心にエンジニア〜PMまでのキャリアを積みました。 その後、新規プロダクトの立ち上げ〜事業責任者として「インフラエンジニアの苦悩からの解放」をビジョンに掲げながら少しづつ事業の歩みを進めております。
わたしたちの事業部のプロダクトはこちらです。
- Firewallのポリシーテストを自動化するツールNEEDLEWORK | AP Communications
- PALallax | オープンソースLOG解析ツール
- LForM | ネットワーク機器のリアルタイムログ解析ツール:エルフォーム
- NEIGHBORS | ひとりの興味をみんなの知識に
3年後の社会がどう変化しているか?その社会に応じてプロダクトをどう進化させるべきなのか?を思考・創造してプロダクトの方針のアイデアを出すヒントになればと思って参加しました。
if-up2019
2月14日に開催されたif-up2019から1ヶ月以上経っていて今更なのですが自身のハイライトを整理したいと思ったのでブログ書きました。
if-upは株式会社ソラコムが主催を務めるIoT Technology Conferenceです。
- イベントの趣旨(オフィシャルのIntroductionより引用)
今、日本のプロダクトづくりが進化する
家電や車などのハードウェアがインターネットにつながり新サービスを提供し、インターネットサービスの企業が住宅や店舗などの物理世界にそのインターフェースを拡張する、顧客の体験を軸に新しいプロダクトづくりが始まっています。
ハードウェア・ソフトウェア・通信などのコネクテッドテクノロジーが融合したこれからのプロダクトづくりを支えるのは、長年培われたものづくりのノウハウ、先端テクノロジーの進化と部品化、インターネットサービスのもつスピードとアジリティ、グローバル市場、現場・顧客志向、そして情熱。
if-up 2019は、今動き出した新しいプロダクトづくりの最前線を体感し、ひとりひとりがこれからのプロダクトづくりのために新たなインターフェースを立ち上げるイベントです。
これからのプロダクトづくりは誰もが主役になれる時代。アイディアとテクノロジーを集結して、さあ、動き出そう。
ポイントは「ハードウェア・ソフトウェア・通信などのコネクテッドテクノロジー」
Web系プロダクトなどソフトウェアを中心としたプロダクトマネジメント系カンファレンスは最近増えてきていますが、ハードウェア・ソフトウェア・通信を組み合わせたプロダクトマネジメント系カンファレンスはまだ少ないんじゃないですかね。(たくさんあったらすみません!)わたしたちもハードウェアにソフトウェアを組み合わせてプロダクトを作っているのでど真ん中のイベントです。
キーノート「テクノロジー x 情熱」が世界を変える のハイライト
- プロダクト作りの前提が変わった
- もの作りから、ものごと作りへ
- テクのロジーのシフト
- スマホ、クラウド
- プロダクトの中で閉める価値のシフト
- モノ -> 顧客体験
- プラットフォームがあるので失敗のリスクが少ない。
- 日本にはICTエンジニアが100万人いるにも関わらずプロダクトの絶対量が少ない
- お子様のプログラミングコンテストの話し
- コーディングはできるけど、それだけでは駄目な気がする。
- 素数が好きだが、友達がいない。-> 素数を使って友達を作る仕組み
- おばあちゃんが毛玉の色番がわからない。スマホで毛糸の写真を撮ったら色番が出る。困っている人のため。これが小学生プログラミングコンテスト優勝
- 日本人はコーディングは得意、言われたものを作ることは得意
- だが、作りたいものを妄想することが得意ではない。
日本人はコーディングは得意、言われたものを作ることは得意
作りたいものを妄想することが得意ではない。
誰かが決めてくれたこと、誰かが指示してくれたことを実行するのは得意ですが、自分で決めてそれを実行するのは避けがちな文化がありますね、実際。 「仕事はまじめに、しゃべらず、コツコツ」そこへ注がれる「情熱」は是とされますが、業務中に笑いながら「妄想・創造」したりする「情熱」はいまいち是とされない部分があります。 変えるべきですね。ほんとに。
- 良いアイデアがあってもサーバーのためにお金を集める仕組みが必要
- AWS -> たくさんのイノベーティブなシステム
- コンピュータのデモクラシー(民主主義化)の世界観
- あらゆる企業/個人に、最新テクノロジーを提供する
- Soracomとしては
- IoTはテクノロジーの総合格闘技
- テクノロジーのデモクラシー
あらゆる企業/個人に、最新テクノロジーを提供する
テクノロジーのデモクラシー
資本が無ければ作りたいものが作れなかった時代からパッションと少額の投資さえあれば誰でもIoTテクノロジーを利用してプロダクトを作れるプラットフォームを提供できる社会を作ってくれているのは本当に素晴らしいです。
紹介されていた具体的なIoTプロダクト
- 富士山の名水
- ウォーターサーバーにセンシングデバイスがあり、水が少なくなるとAmazonから水が届く
- 600
- オフィス向けの無人コンビニ
- GREEN UTILITY
- モバイルバッテリーのシェアリングエコノミー
業界初!デポジット不要&毎日15分無料!スマホ充電サービス「mocha」(モチャ)モバイルバッテリーシェアリング|GREEN UTILITY株式会社のプレスリリース
- UNIFa
- 子供の見守り(ルクミー)
- 5分に1会子供のうつ伏せかの状態をチェック。(センサーによって、寝返りを監視)
娘の保育園にも導入されているツールです。写真販売管理だけかと思ってましたが保育園の業務統合管理ツールのようです。 乳児の寝相をIoTセンサーで監視することで息ができなくなるような姿勢になったらアラートをあげてくれるんですかね。保育士が少ない中なのでテクノロジーで事故を防ぐ取り組みは素晴らしい。
- GrooveX
- 家族型ロボット(LOVOT)
- オーナーの利用状況がわかる 家の見守り
- 2018.12.18 発表会。
- BEEST OF CES 2019のベストオブロボットに選ばれた。
- 家族の一員として子供よりも力が弱い存在として利用。
- 毎週体験会を実施中。
- 仮説の想定との違い
- ロボット作りでもっとも重要なことが、技術ではなく、チーム作り
- 部門長をまたぐコミュニケーションは大変すぎてプロジェクトが終わる
- 全てフラットでカオス状態で進めている。
- マネージャーはいない。スクラムのフレームワークで乗り切っている。
- 役割を降って自律的に乗り切る。
- 意思決定のみ自分(林社長?)がやる。責任をとるといってもある仮説を検証する間に対する責任で次の仮説がきたら変わっちゃう。
娘が喜ぶと思って買おうか妻に相談したところ「30万円は高い」とのこと。 このロボットで30万円なら安いと思うのですが、「そもそもロボット要る?」という議論であえなく撃沈。
それはさておき、
ロボット作りでもっとも重要なことが、技術ではなく、チーム作り
ロボット作りは技術力が大きな要素だろうと考えていたら「チーム作り」とのこと。 部門長をまたぐコミュニケーションはオーバーヘッドが大きすぎるし、時間の経過やコミュニケーションの調整があるとモチベーションやモーメンタムが下がるというのに共感しました。技術力を発揮するのは人だし。チームワークが機能していると、一番難しいとされる人の問題が減り、パフォーマンスが上がり、事故やトラブルが起こらない。思い返してみると超重要。
パネルセッション「プロダクト x テクノロジーx イノベーション」
良いプロダクトを作る ヒト、パッション、チーム
パナソニック株式会社 パナソニックノースアメリカ株式会社 馬場 渉 氏
- いいプロダクトを作っても売れないと言われすぎている。
- Home Xperience HomeXプロダクトを作っている。
- 会社はプロダクト、大企業病を治すプロダクト、会社作りが本業
- 製造業はコンサル入っても変わらない。ものつくり会社はプロダクトを作ることで、会社も変えていける。
株式会社メルカリ 濱田 優貴 氏
- メルカリ入って5年目
- 企業作り、メルカリ、メルペイ、メルカリUSの組織作り
- 不用品の推定価値 7.6兆円
- ユビキタス(欲しい時に欲しいものが。見つける) -> アンビエント情報社会のプロダクトへ(そろそろ行こうか?って会話を勝手に拾ってUBERが配車する。見つかる)
- メルカリもアンビエントに。勝手に不要品がなくなって快適な部屋になる。などをやりたい。
NIANTIC 川島 優志 氏
- 14年あめりかに住んでいる。ロサンゼルスで企業->Googleにジョイン。デザインの統括。ホリデーロゴなんかも手がけた
- NIANTICは社内ベンチャー Adventure on Foot
- 拡張現実のINGRESS、PokemonGo
- 2019はHarry Potter との連携したサービスをローンチ予定
- パナソニック 馬場氏
- 日本発のプロダクトが少ない。
- そもそも教育がおかしいんだけど、それを言っても仕方ない。
- 子供の頃はキャプテン翼を薄いペーパーでなぞったりして何かを作ったりしてた。その芽を積まないようにしたい。
- パナソニックでも若い子は目をキラキラさせている。このままそれを生かしながら3-5年たてば良い人材になると思う。
- ソラコム 玉川氏
- 前の組織は何をやっても、会社の業績上がらないし、給料もさほどあがらない。貢献できているのかいないのかもわからない。AWSに入ったら、むちゃくちゃ成長している気がして、そのまま起業しちゃった。
- 成長企業に身をおき、どよんとしている空気があったら(会社を)出るべき。
- NIANTIC 川島氏
- 2年くらい 収益を上げずにお金を使いまくっていた。(数億円? 笑)
- アルファベットと合併する前まではCFO(スケボー乗って会社来たりすることも。)がお金を出してくれていたが、定年後にCFOが来て、なんだこの会社は?と怒られてNIANTICとして独立した。
- もともとはみだしものの集まり。
- メルカリ 濱田氏
- メルペイとして別会社作ったけど、バンバン子会社作って若い子にやらせるって感じでもない。
良いプロダクトの定義が変わった?それを作るベストプラクティスは?
- 典型的にやってはダメなことを大企業がやっているので、まずはそれをやらなければ良い。
- xxxxはやっているから、とかトレンドだから、とかそういうことじゃなくて、一本筋があり、愛があるプロダクトがいいな、背景に何がしたい?ということがいいプロダクトで大事になっている。
「起業の科学」を読むとやっちゃいけないことが書かれていて、成功の法則はないが、これやったら失敗するというのは先人たちが残してくれているのでそれを避けることが良いプロダクトを成功させる可能性を高められるものかと思っています。 大企業は大企業の戦い方があり、大企業の思考、意思決定、プロセスを真似してみるのでなく、自分達のプロダクトに合った戦い方を考えるべきなんだろうと感じました。
- 何をやっているかを意識することが重要、アマゾンがあってなんでも買えるようになった。メルカリは「売る」ってことを簡単にできるようにしたい、ここにフォーカスして業務に取り組んでいる。「売る」ことをいかに楽にするかってところが軸にあるので、メンバーも正しい判断ができる。
- NIANTICはゲーマーを外に出したい。外に出して買い物をさせたりするためにARを使っている。
メルカリの「売る」を簡単にする。やNIANTECのゲーマーを外に出したい。のような核となる「成し遂げたいこと」というか、「わかりやすい世界観」を言語化して一言で言えるべきなんだろうなと思いました。
- デジマ、 HomeXは松下幸之助が言ってたことを現代版にしたものを提唱している。
- 当時のプロダクトマネージャー(製造業の責任者とか)は現代のプロダクトマネージャーに求められるスキルがなく、ロールが合わない。
- HomexのコンセプトでNIANTICから提案。長寿の番組で90さいのおばあちゃんがピンピンして自転車とか乗っていて、何か良いか?というと、毎日2階に上がって仏壇に挨拶しているから足腰が丈夫だったりして、実は人間本質的に長寿をめざすのであればそういったことが必要なんじゃないか?って思った。
- オリジンが人間でそれをオートメーションにするのはよくない。人間は成長企業においたら進化するし、ロボット以上にバケモンになる。家事を最大限少なくすることはいままでで、これからは幸福をサイエンスする必要があるんじゃないか。
- デザインシンカーの脳はリピータブルで、プロダクト開発に活かせる。コンシェルジュはそんなに嬉しくない。うるさいかーちゃん的なひとが必要。
- くらしの多くの問題って客観的に言語化できない。アンビエントであるべき。睡眠に困っている。とか
ここだけは自分の中で意味が消化できませんでした。デザイン思考についての勉強してないからかな。本を買います。
- メルカリが結構先までのテクノロジーロードマップを作った
- 2025には、自動運転が結構来ている。
- 2050には社会がどうなっているか?まで書いて、じゃあ、会社はどうなっているべきか?を作った。
2025年やその先の2050年がどんな社会になっているかを想像してそこで何をすべきかは設定したいですね。 でないと時代錯誤のプロダクトになってしまうので。(しかし2050年はだいぶ先だな 笑)
実は良いプロダクトは作っているのでは?ブランディング、マーケティング、売る技術が足りていない?
- sonyの話。女子高生にソニーはどんな会社か?って聞いたら、保険の会社だって言ってた。(ツイッターか何か、ソースが正しいかも未確認)
- 確かにCMだけ見てたらそうなるよね。
- 届けかたがあまりうまくいない。BTSもツイッターやYoutubeなどいまどきのマーケティング。最初から世界を狙っていないんじゃないかな。
自分たちのプロダクトを想像してみても、プロモーションは「ライトにサクッとやって、ダメならやめればいい。」を現場で判断/実行できればもっとスピードが上がるのかなと思いました。 「広報を通す」だけなら良いが、リーガル含めてトップに近いところの判断が入るとやっぱり時間がかかるなと。リスクテイクなので仕方ない部分もありますが。。。
- 世界一を目指していいし、目指さないとできない。1年くらい考えているとできることがある。
- スポーツ選手はそういう気持ちでやってる。
- 10年後にアカデミー賞撮りたいって人がいて、
- 山田慎太郎さんは、野茂秀雄が好き。プロ野球界であめりかでプレーをするという風穴をあけた。日本のプロダクトをアメリカで成功させたい。
- 世界一目指す企業以外には属してはいけない。
- 批判、売り上げが上がらない、会社解体の危機はNIANTICでもあった。でもその状況においても自分の軸というか思想を大切にして思っていればどこでもやっていける。
世界市場を視野には入れなくてはならなそうですね。2050年になもなると日本の存続も怪しいですし。
得られたもの
活用例って破壊力ありますね。IoT利活用イメージが「大規模なセンサリング+ビッグデータ+データ解析」みたいなものだと漠然と考えていましたが、実際に使われているウォーターサーバなどのプロダクトを見て身近に利活用できるテクノロジーであると認識をアップデートしました。帰り道に「低価格セルラー+常時性」の仕組みを自社プロダクトに組み込むアイデアを思いついたので取り組んでみたいと思います。アイデアを思いついたのは大きな収穫でした。
おまけ
年に1-2度海外旅行の時に自分のiPhoneを海外用のsimに入れ換えて日本のsimをどう保管するか困るのですがノベルティーでいただいたsimケースが最高すぎたので紹介しておきます。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。