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Amazon FSxへのデータ移行をやってみる(step1)~オンプレADとAWS Managed Microsoft AD間の信頼関係構築~

こんにちは、株式会社エーピーコミュニケーションズ、クラウド事業部の松尾です。


はじめに

この記事は以下の手順を紹介する内容となっています。

aws.amazon.com

これから5回に分けてFSxへのデータ移行を構築していきたいと思います。本記事ではNo1を紹介します。

  1. オンプレミスのADとAWS Managed Microsoft AD間に双方向の信頼を設定する
  2. ADMT等のツールでユーザーアカウントとグループを移行する
  3. ファイルサーバー上のアクセス権限であるAccess Control List(ACL)を複製する
  4. 移行先へAmazon FSxを作成する
  5. AWS DataSyncを利用し、既存のACLを保ったままファイルとフォルダをAmazon FSxに移行する

ゴール

  • 移行元環境にEC2をADサーバとして構築
  • 移行先環境にAWS Managed Microsoft ADを構築
  • AD間で双方向の信頼関係を構築

環境

移行元環境を疑似オンプレ環境と見立ててADサーバを構築していきます。

赤線内が今回の作業範囲


移行元環境へADサーバを構築

基本的な手順はAWS公式ドキュメントに沿っていきます。

docs.aws.amazon.com

EC2へADサーバ構築の手順は単純にADサーバ機能有効化、になるので割愛します。


移行先環境へAWS Managed Microsoft ADを構築

ディレクトリサービスのセットアップ


AWS Managed Microsoft ADを選択


DNS名は移行後環境のドメイン名を入力


管理者ユーザ(Admin)のパスワードを設定


VPCとサブネットを選択し、作成を進める


AWS Managed Microsoft ADのアウトバウンドルールを設定

参考 作成したらセキュリティグループを設定していきます。 AWS Managed Microsoft ADの「ディレクトリID」をコピーして、セキュリティグループ内で検索します。 このセキュリティグループはAWS Managed Microsoft AD作成時に自動作成されたものになります。 初期状態では自身のセキュリティグループ宛てのみ許可されており不十分なので、通信先に移行元環境を追加します。詳しくはこちら


AWS Managed Microsoft ADのインバウンドルールを設定

インバウンドルールは自動作成されたままの状態で問題ありません。


移行元環境のADサーバで条件付きフォワーダー設定

AWS Managed Microsoft ADのドメイン名に対しては、自身のドメインコントローラではなくAWS側のDNSサーバに問い合わせさせるため、条件付きフォワーダーを設定していきます。

AWS Managed Microsoft ADのDNS名とDNSアドレスを控える


サーバマネージャ>ツール>DNS


DNSサーバを指定して新規条件付きフォワーダー


AWS Managed Microsoft ADのDNS名とDNSアドレスを設定する
「このドメインのすべてのDNSサーバー」を選択する



移行元環境のADサーバで信頼関係設定

参考

今回は双方向の信頼を設定していきます


新しい信頼ウィザードで設定していく


最後まで完了した状態


移行先環境のAWS Managed Microsoft ADで信頼関係設定

ディレクトリから信頼関係を作成していく


移行元ADの情報を設定していく



「追加」をクリックし暫く待つとステータスが「検証済み」になることを確認


「検証済み」にならない場合

以下の可能性が考えられます。

  • パラメータが正しくない
  • 移行元ADと移行先AD間で疎通が出来ていない

私は一度目では失敗し、セキュリティグループ設定が足りないことが原因でした。


はまりポイント

今回のはまりポイントは2点 * 移行元ADサーバのセキュリティグループに移行先ADを許可すること * ピアリング設定でDNS解決を相互に許可すること

私はこの2点でつまづきました。


まとめ

今回はAD信頼関係構築までやってみました。
AWS Managed Microsoft AD側の信頼関係の設定もマネジメントコンソールで完結するので 分かりやすいですが、AD間の通信設定が多いのは手間がかかるポイントでした。


おわりに

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