APC 技術ブログ

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【Zscaler】Zenith Live '23 in Las Vegas参加レポート(前編)

はじめに

こんにちは!ビジネスデベロップメント部の名田です。 私をご存じの方は、弊社の自動化事業の事業責任者としてのイメージがあるかと思いますが、昨年あたりからゼロトラスト事業の推進も兼務しています。今回のレポートでは、我々の事業の狙いに触れつつ、6月半ばにアメリカ ラスベガスで開催されたZscaler社のイベントZenith Live '23の参加レポートをお届けします!

ゼロトラストとAPC

イベントレポートに入る前に、ゼロトラストの世界観と弊社の立ち位置に触れておきたいと思います。

ゼロトラストアーキテクチャとはセキュリティにおいて「何も信頼せず、常に確認せよ」の原則に従って構成されたアーキテクチャです。 パブリックなインターネットは危険がいっぱいで、無防備のままに接続すれば、たちまち攻撃に晒され、社内のデータを盗まれてしまったり、環境を破壊され業務に支障をきたしたり、仕舞いには身代金を要求されたりとロクなことがありません。従来、多くの企業システムではインターネットと自社のネットワークの境界にシステムを守るためのアプライアンスを導入し、これらの脅威から社内のリソースを保護してきました。時代の流れとともに攻撃は高度化していますし、クラウド化とリモートワークの普及により、守るべき対象が分散している昨今、いわゆる境界型防御ではネットワークの利便性とセキュリティの確保の両立は難しいと考えられています。

弊社は境界型防御が主流だった何十年も前からお客様のネットワークのインテグレーションをご支援してきましたし、AWS、Azureをはじめとしたクラウドの支援もご提供してきました。これらのネットワークやクラウド、お客様の社内の資産を守るため、新しいセキュリティの概念、すなわちゼロトラストアーキテクチャを提供することも弊社の使命と考えています。

Zenith Liveへ

Zenith LiveはアメリカのセキュリティソリューションメーカであるZscaler社が主催する、サーバーセキュリティイベントです。 キーノート、事例紹介、最新情報、トレーニング、コミュニティイベントなどが3日間ほど開催されます。参加者は様々な国籍の方が参加していると見受けました。 会場はアメリカ ラスベガスのARIA Resort & Casinoです(日本一の品川プリンスホテル3,679室を超える約4,000室にということで桁違いのデカさです)。

会場はConvention Centerの1階から3階まで複数のホールと会議室でキーノート、ブレイクアウトが実施されていました。

ブレイクアウトセッションはパラレルで複数開催されており、テーマを選ぶのが大変です。

Japan Special Session

日本からの参加者向けに同時通訳付きのJapan Special Sessionが開催されました。 日本法人であるゼットスケーラー株式会社の代表取締役 金田様からご挨拶がありグローバルのエグゼクティブの登壇でセッションが展開されます。

私も経験上、外資系XaaSメーカーのイベントやビジネスに関わってきましたが、日本のマーケットをあまり魅力的と感じていない会社が多かったように思います。 Zscaler社は日本向けのセッションに複数名のエグゼクティブを登壇させ、日本向けの資料も作って話したこともあり、日本市場を軽視しない姿勢が感じられます。

Cloud ConnectivityやAnalyticsについての解説がありました。 SD-WANに依存しないゼロトラストネットワーク接続の実装として、Branch Connectorの解説があります。 ロードマップによればハードウェアでの提供が予定されているとのことです。詳しくはリリース予定の別記事でも技術的に掘り下げていきます。

競合比較に対するZscaler社の見解にも真のゼロトラストを目指す彼らならではのセールスピッチがありました。 「他社製品と比較してあれができる、これができないなどという、パーツ単位の機能比較をしないでほしい。ガソリン車と電気自動車が別物であるように、機能を比較しても、根本的に別物のなのだ。」と。 こういった製品に対する自信と、設計思想、開発思想としての違いは、深く彼らの製品と関わっていると見えてきます。 (SIerである我々の立場としては、彼らの製品としての自信は認めつつも、かと言ってそれが全てのお客様のニーズを満たすものとは捉えていないので、あくまでも一つのファクターと考えています。)

セッションの中ではZscaler社の日本市場におけるパートナー戦略も多く語られていました。 日本のビジネスコミュニティにも積極的に足を運んでいるとのことで、日本の企業文化をよく捉えている印象でした。 例えば、日本企業は企業のエグゼクティブ同士のコミュニティの中で、取り組み事例などをよく共有しており、こういったコミュニティの中に勝機があるといったような見立てなどが挙げられていました。 (Zscaler社がこういったコミュニティ戦略を重視し、ローカライズという単語を何度も使っていたのが印象的です)

日本向けのパートナー戦略を話すKarl氏は後の大型キーノートでも登壇していたZscaler社のエグゼクティブですが、多くの大企業を経てきた人物でもあります。 彼はZscaler社のパートナーエコシステムの完成度については驚いたと、マイクロソフトなどのビッグテックでさえ高いレベルでコミュニケーションが図られていると話していました。

Partner Briefing

パートナー向けキーノートでも、ロードマップやクライテリアが語られていました。

全体を通して数値的な指標が非常にクリアで、どの程度の水準を目指しているかが終始はっきりしています。

また、パートナーのベネフィットの向上を意識している発信が多くありました。 Best Of Breed(Suiteの対義で各分野でそれぞれ最適な製品を選定して組み合わせる)を重視するZscaler社の方向性がブレていないことが読み取れました。 パートナーエコシステムには普段使用しているサービスや、エンジニアリングとして関わっているベンダー製品などが並びます。

終盤ではスペシャルゲストでマジシャン(Michael Carbonaro氏)の出演もあり、アメリカらしいエンターテインメントあふれるキーノートでした。 (しきりにマジックとzerotrustをかけており、上手いなと。)

Reception

グローバルの社員とパートナー、顧客を招待してのレセプションはBREWDOGにて開催されました。

ブレイクダンス、光る人、スプレーアートでTシャツを作ってくれたりと、コンテンツが盛り沢山でした。

レセプションでは、なかなか日本ではリーチできない方々との出会いがありました。 ここでの出会いを日本でのビジネスやエンジニアリングに活かしていければと考えています。

前編まとめ

この記事では弊社とゼロトラストの関りをお伝えしつつ、Zenith Live '23 Las Vegasの模様を一部ではありますがレポートさせていただきました。 セキュリティデジタルトランスフォーメーション、ゼロトラストエクスチェンジなどを掲げ、従来のセキュリティから転換を図る企業として、Zscaler社の将来性が感じられるイベントでした。 日本においてもゼロトラストへのシフトは大手企業様を中心に進んでいると感じており、次第に多くの会社に浸透していくものと考えています。

APCとしては、ゼロトラスト事業の推進にあたって今後も最新動向のキャッチアップに努めていきます。 インフラ領域におけるセキュリティ、ゼロトラスト領域に課題感があるお客様がおりましたらお声がけください。

後編は弊社のエンジニアリングマネージャーから、さらに掘り下げてレポートします。