🚀 動機と目的
生成AIで作られた静止画作品の中に、地下鉄トンネル内を黒いバイクで疾走する女性を描いたものがありました。 映画のワンシーンのようなドラマチックな構図に魅了され、私もこのような映像を自分の手で作ってみたいと思いました。
🖼 再現した静止画
まずは、印象的だった静止画をSoraを使って再現してみました。
この静止画は2:3の縦長構図で、バイクにまたがった女性が銃を構えて地下鉄トンネルを疾走し、背後には炎上する脱線車両が迫っています。 グラフィティアートに彩られたトンネルと、破壊的な状況が織りなす緊張感ある構図が魅力です。
🎬 第1試作:静止画からの動画化
続いて、先ほどの静止画だけをインプットして動画を生成してみました。
この動画では、静止画にあった銃を持つ描写が確認できませんでした。Soraでは、武器の描写がうまく反映されにくいのかもしれません。 「銃を持つ」設定はここでいったん断念することにしましたが、女性の衣装、バイク、トンネルの雰囲気は十分に表現されていました。
🖥 第2試作:横長(16:9)への展開
静止画のプロンプトを大きく変えずに、16:9の横長構図で動画を生成しました。
1つ目の動画では、ヘルメットなしの女性ライダーが颯爽と登場します。
2つ目は、バイクがトンネル内を蛇行しながら走る様子が印象的でした。
ただし、レールが3本ある不自然な構図や、脱線車両が遠すぎて緊迫感が薄れている点が気になりました。
💡 第3試作:AIの提案で演出強化
より臨場感のある映像を目指して、ChatGPTに演出強化のアイデアを提案してもらいました。 その結果、トンネル天井の点滅照明、水たまりにタイヤが突っ込んで水しぶきが上がる描写などを取り入れることにしました。
照明の存在が明確になり、濡れた路面の表現も加わったことで、映像の雰囲気がよりリアルになりました。 アングルやライダーのなびく髪などの表現も非常に気に入っています。
ただし、依然として脱線車両の迫力や緊張感が足りないと感じました。
🔁 第4試作:ウェット路面へのRemix
ウェット路面の演出が気に入ったので、以前作成した動画をベースに、強力なRemix機能(Strength: 8)で演出を強化しました。
🧾 Remix(Strength: 8)、1回目のプロンプト
Debris and sparks scatter around her, while the tunnel lights flicker overhead. As the motorcycle races over a wet floor, water splashes dramatically.
Remix効果が強く働き、脱線車両の派手な描写や、濡れた路面の反射がよりリアルに表現されました。
🔚 完成版:迫りくる地下鉄の緊張感
さらに臨場感を高めるため、2回目のRemixで「迫りくる地下鉄」の演出を追加しました。
🧾Remix(Strength: 8)、2回目のプロンプト
Behind her, the derailed train closes in on the motorbike.
脱線した地下鉄がバイクに迫り、緊迫感ある追跡シーンが完成しました。 火花や煙、土煙の描写も加わり、非常にリアルな映像になったと感じています。
この仕上がりに満足できたので、今回の制作はここで完了とします。
✏️ まとめと振り返り
今回は、生成AIで作られた静止画をもとに、動画作品を作成するプロセスを紹介しました。 元の静止画に優れた要素(キャラクター、衣装、舞台設定、ライティングなど)が備わっていたおかげで、動画も自然に高いクオリティとなりました。
地下鉄トンネル、グラフィティアート、炎上する車両、濡れた床、黒いバイク、武装した女性、なびく髪──反射や動きのある要素を多数組み合わせたことで、映像の密度が高まり、印象的なシーンが生まれました。
これらの要素を一つの世界観に統合する構成力とセンスには、オリジナルの静止画制作者の力量を感じます。 私はその完成度の高いモチーフを活用し、自分なりの解釈と演出を加えて、今回の動画を完成させました。
生成AIを使えば、他人のプロンプトや作品を出発点に、誰でも二次創作的なアプローチで独自の作品を作ることができます。 今回はまさにそのような創作体験を楽しみました。