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【OCI】OCIのコスト試算ツールと価格リストそれぞれでコスト計算したときの話

目次

はじめに

こんにちは、クラウド事業部の田中です。

先日OCIクラウドの利用を想定してコスト試算をしてみました。
OCIでは公式のツールを使用することで簡単にコストを計算できますが、
もう一つの方法として価格リストから各コンポーネントの単価を用いてコスト試算をすることができます。
もちろん簡単なのはコスト試算ツールを使用することですが、
価格リストを用いた方法と併用して年額を計算したところ、
本来同じになるはずが金額に差が出てしまったので今回はそちらについて発信していこうと思います。

どんなひとに読んで欲しい

  • OCIに興味がある人
  • OCIのコスト試算ツールを使用したことがある/使用する予定の人

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コスト試算ツール/価格リストについて

コスト試算ツールとは

コスト試算ツールとは、OCIを使用した場合に予想されるコストについて
必要なコンポーネントやスペックを入力するだけで簡単に試算してくれるツールです。
月額や年額だけでなく、日付を直接入力することでお好みの期間でのコストを試算することも可能です。
以下リンクをクリックいただくと、実際のコスト試算ツールにアクセスできます。
www.oracle.com


価格リストとは

一方、価格リストとはOCIにて提供されている各コンポーネントの単価が記載されている表です。
例えば仮想マシンにおいては必要なCPU(OCIの場合はOCPU)、メモリ、ディスクなどの
それぞれの単位あたりの料金が詳細に記載されています。
様々なインスタンプシェイプやブロックボリュームのスペックがある中で、
各コンポーネントの料金がいくらで他のもの比べてどの程度コストが高い/低いのかが簡単にわかります。
もちろん仮想マシンに限った話ではなくデータベースやセキュリティ、ネットワークなど
OCIが展開している各サービスの料金がわかるようになっています。
www.oracle.com

試算ツール、価格リストそれぞれでコスト試算をしてみる

上記2つのツールを使用して、同じスペックのコスト試算をしてみます。
今回は以下のスペックの仮想マシンを1年間利用した場合として試算します。

インスタンスシェイプ:VM Standard E4 Flex
OCPU:1
メモリ:8GB
ディスク:100GB(パフォーマンスレベルはバランス)
OS:Linux(OCIではLinuxイメージは無料で使用可能)


コスト試算ツールでの試算

各スペックを入力すると、1年間のトータルのコストは¥59,107.08と計算されました。



価格リストを用いて試算

続いて、価格リストから各コンポーネントの単価を用いて計算したところ、
1年間のトータルコストは¥58,143.60と計算されました。
※1時間単位の料金はコスト×必要量×24時間×365日として、
 1月単位の料金はコスト×必要量×12か月として計算


上記の通り計算結果にズレがあり、
コスト試算ツールでの計算結果が若干高値となっています。
コスト試算ツール:¥59,107.08
価格リスト:¥58,143.60

計算結果のずれの原因と解決方法

計算結果のずれの原因は何だったのか、
確認したところコスト試算ツールでの期間の設定方法に答えがありました。

コスト試算ツールでは、右上のカレンダーのボタンを押すことで見積期間を設定できます。


このボタンを押すとプルダウン方式で期間を選択できます。デフォルトは「Month」です。


ここで期間を「1Year」に変更します。
選択すると英語でオプションが表示されますが、一旦私はデフォルトのまま設定しました。
そしてこれが試算結果のずれの原因でした!

デフォルトでは以下が設定されています。

Simple multiplication (number of months × monthly price)

これは、期間の計算として単純に月数×月額で計算するよ、というものです。
コスト試算ツールでは1か月あたり744時間(日数換算すると31日)としています。
そのため、この設定のままで年額を計算すると31日×12か月として
1年を365日ではなく372日とした計算結果が表示されてしまうのです。

上記を解消するために、期間選択画面でのオプションを以下に変更します。

Hours/Days Smoothing (number of months × monthly price adjusted for 730 hours instead of 744)



こちらは1か月を744時間ではなく730時間として計算するオプションです。
730時間とすることで年額を計算する際には各月の月末が30日や31日であったり、
2月が28日間しかなかったりするカレンダー上の日数の凸凹を平滑化し
1年を730時間×12か月=8760時間(24時間×365日=8760時間と同じ)として計算してくれます。

上記オプションを修正したところ、
金額が訂正され価格リストから取得した値と見事同じになりました。


おわりに

今回はコスト試算ツールと価格リストそれぞれでコスト計算したときのことを綴らせてもらいました。
やはり難易度で考えるとコスト試算ツールを使うことの方がとても簡単ではあるので
皆さんにもぜひ使っていただきたいですが、
ぜひ上記のオプションには気をつけていただければと思います。
また、価格リストでの計算も今回各コンポーネントの単価が知れたり
ブロックボリュームの価格の考え方について学べたりしたので、
より詳しくコストについて知りたい!という方にはぜひおすすめです!
興味がある方はぜひお試しください~!

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