はじめに
こんにちは。ACS事業部の青木です。
本記事はエーピーコミュニケーションズ Advent Calendar 2024の22日目の記事です。
2024年12月16日にKubestronautに認定されました。
おそらく日本でちょうど30人目、弊社の中では2人目のKubestronautとなります。
(弊社1人目のKubestronautの記事については こちらをご覧ください )
せっかくなので、私の体験談をこちらにまとめさせていただきます。
Kubestronautを目指す方々の参考になれば幸いです。
なお、本ブログの前半パートは体験談的なところがメインとなりますので、
「そんなことどうでもいいから対策を教えてくれよ!」という方はスキップして後半のほうをご覧ください。
そもそもKubestronautって?
Kubestronaut Programは、CNCFのKubernetes認定試験を全て取得した人に対する表彰プログラムです。
以下の資格をすべて取得すると、Kubestronautに認定されます。
- CKA(Certified Kubernetes Administrator)
- CKAD(Certified Kubernetes Application Developer)
- CKS(Certified Kubernetes Security Specialist)
- KCNA(Kubernetes and Cloud Native Associate)
- KCSA(Kubernetes and Cloud Security Associate)
Kubestronautに認定されると、以下のような様々な恩恵を享受できます。
- Kubestronaut限定のSlackチャンネルに招待してもらえる
- 認定されている間は定期的にCNCF資格の受験半額クーポンがもらえる(CNCFの資格であればKubernetes以外の資格でも使用可能!)
- Kubestronaut Programのページに顔写真と名前が載る
- 1年に3回まで、KubeCon、KubeDaysの参加チケット20%オフクーポンがもらえる
- Kubestronautになった人にのみ与えられるブルージャケットが与えられる
詳しくはFAQもご覧ください。 www.cncf.io
認定取得の経緯
なぜなろうと思ったのか
一言でいえば、「自信をつけたかったから」です。
私は2024年4月にAPCに入社しました。 入社当時、私の所属しているACS事業部ではAzure資格を全冠している方、GitHub資格全冠している方、Hashicorp製品に精通しており、後にHashicorp Ambassadorに認定される方、そのほか資格うんぬんに限らずクラウドネイティブ技術に精通している猛者の方々がおり、ひたすら圧倒されたことを覚えています。
一方で、私は「中途で入社=実力を期待されての入社」という意識を強く持っていたものの明確に得意分野と言えるものがなく、どう貢献していけるか?と考えながら最初の数カ月を過ごしていました。
その結果、Kubernetesはまだ全冠者が事業部内におらず、自分はCKAとCKADはすでに取得済みでした。
なら自分が全冠しよう!と思い立ったのがKubestronautを目指したきっかけでした。
(結果的には弊社で一番にKubestronautになれたわけではありませんでしたが、なれたのでヨシ!)
どういうペースで取得したのか
こちらに、私の認定経歴を以下に載せます。
資格名 | 認定証の日付 | 受験回数 |
---|---|---|
CKA | 2022/11/22 | 2回(1回不合格) |
CKAD | 2023/01/13 | 1回 |
(APC入社) | (2024/04) | |
CKS | 2024/10/05 | 3回(2回不合格) |
KCNA | 2024/12/03 | 2回(1回不合格) |
KCSA | 2024/12/15 | 1回 |
ご覧になればお分かりの通りかと思いますが、なんと華麗なことに合計4回も試験に落ちており決してスムーズにKubestronautになったわけではありません。
華麗どころか泥臭い達成じゃないか
一応、Kubernetesの認定は落ちても一度だけ無料で再受験が可能ですが、CKSに至っては2回連続で落ち、試験を買いなおしています。
(円安で7万円弱になっていた受験料が消え、虚空を見上げた…)
Kubestronautになられた他の方のブログなどを見ると、一気に取られた方や RTA 的に取られている方もいらっしゃいます。
しかしこと私に関しては、資格勉強は全く得意ではありません。むしろ苦手です。
そんな中でどんな風にモチベーションを維持したのか
私が所属しているチームのメンバーに申告しながら勉強をしていたことが大きな心の支えになりました。
Kubestronautになるという意思表明や、それぞれの資格をいつ受けるのか、受けてどうだったのか、などの情報をというのを私が所属しているチームのメンバーに申告しながら勉強を進めていました。
おそらく一人でやっていたら達成できなかったと思います。
改めて、近くで応援してくださっていたチームやACS事業部の皆様に感謝申し上げます。
試験対策
では、こちらに試験対策の内容について記載します。
Kubernetesの資格は、いずれもKodeKloudの教材を利用することで対策することができます。
英語の教材ですが、翻訳しながらであれば問題なく利用できます。
ちなみに、KCSAを除く4つの試験は、日本語版が提供されています(CKA-JP、CKAD-JP、CKS-JP、KCNA-JP)。
なるべく日本語で受験したい、という方は、日本語版を受験しましょう。
(受験費用は英語版のほうが安いです)
試験環境準備について
Kubernetes資格はPSIという試験団体によって監督され、オンラインで実施されます。
試験会場は受験者が用意することができますが、静かで掲示物や余計な物がないというような条件を満たす必要があります。
自宅の仕事部屋などで上記のような環境が用意できない場合は、会社の会議室などを借りることをお勧めします。
また、試験中はカメラで常に監視され、試験受験前にはカメラで試験会場の環境を見せる必要があります。
外付けのWebカメラを用意することを強くお勧めします。
詳しくは、以下のページなどを参照すると良いでしょう。 docs.linuxfoundation.org
シミュレーション式試験(CKA、CKAD、CKS)
用意されたターミナルから試験用のKubernetes環境にアクセスし、問題で求められていることに従ってリソースの作成や修正、トラブルシューティングなどを行います。
試験中はKubernetes Documentation | Kubernetesを確認することが可能です。
詳しくは以下をご確認ください。
CKA
以下の教材を利用しました。
・Certified Kubernetes Administrator (CKA) with Practice Tests www.udemy.com
Udemyで購入可能な教材となっていますが、中にKodeKloudの教材を利用するためのクーポンが入っており、実際はKodeKloudで用意された仮想環境を利用して本番に近い形で問題を解くことができます。
CKAD
CKAと同様、Udemyにある以下の教材を購入し、KodeKloudの仮想環境でトレーニングをしました。
・Kubernetes Certified Application Developer (CKAD) with Tests www.udemy.com
CKS
※CKSを受験するには、CKAに事前に合格している必要があります。
CKAに合格していない場合は、まずそちらの勉強から行いましょう。
CKSの教材は以下となります。
・Certified Kubernetes Security Specialist (CKS) learn.kodekloud.com
ただ、CKSはCKA、CKADのようにUdemyで買い切り型の教材は用意されていません。
KodeKloudの有料会員になったうえで、利用が可能になります。
KodeKloudへの支払い方法には年単位での支払い方法と月単位の支払い方法があります。
月単位は35ドル(約5000円前後)と高いので、短期で集中して利用することをお勧めします。
また、CKSはCKA、CKADとは比較しても圧倒的に難易度が高いです。
上記コンテンツのどの問題も迷わずに素早く解ききれる!と思うくらいでようやく合格ラインを超えれるくらいの難易度になってくるので、心してかかりましょう。
シミュレーション式試験勉強のポイント
シミュレーション式試験の勉強のポイントは以下の通りです。
- 試験時間は120分ありますが、悠長に説いている時間はありません(特にCKS)。いずれの試験も約16~20問ほど出題されるため、それを想定して「1問に何分使えるか?」ということを事前に頭に入れましょう。
- yamlファイルなどの記載方法を頭に入れるのではなく、Kubernetes Documentation | Kubernetesのどこに問題を解くための情報があるかを頭の中に入れるための勉強をしましょう。
- 最初にコンテンツを解く際は解説を読みながら解き、2回目以降は答えを見ないという形で本番で迷わず解けるようになるまで何回も解きましょう。
選択式試験(KCSA、KCNA)
4択の問題から正答を選んだり、合っている選択肢すべてにチェックを入れるなどのような形で回答する方式です。
こちらについては知識問題となり、試験中にドキュメントなどは確認できません。
また、Kubernetes以外のクラウドネイティブ関連のツールや考え方についても出題されます。
出題範囲をよく確認しておきましょう。
KCNA
以下の教材を利用しました。
※KodeKloudの有料会員限定のコンテンツとなります。
・Kubernetes and Cloud-Native Associate (KCNA) https://learn.kodekloud.com/courses/kubernetes-and-cloud-native-associate-kcna learn.kodekloud.com
KCNAは日本語版が提供されていますが、私の場合は英語版KCNAの購入用クーポンをいただけたことと英語版のみしか存在しないKCSAの受験を想定して英語で受験しました。
そのため、問題文や解答文にわからない単語や熟語、文法表現がある場合は以下のようにメモをし、誤りなく問題を読めるように並行して勉強しました。
KCSA
以下の教材を利用しました。
※KodeKloudの有料会員限定のコンテンツとなります。
・Kubernetes and Cloud Native Security Associate (KCSA) learn.kodekloud.com
KCSAは日本語版が提供されていないため、英語で受ける想定で勉強を行いましょう。
KCNAのほうで記載させていただきましたが、英語の勉強と並行して英語の問題文を読めるように意識しながら問題集を解きましょう。
ちなみに、自分は上記のコンテンツと合わせて以下の問題集も解きました。
こちらは無料なので、受験に極力お金をかけたくない方はこちらを利用するのもよいかと思います。
・Kubernetes Security KCSA Mock Exam kubernetes-security-kcsa-mock.vercel.app
選択式試験勉強のポイント
- 何回も繰り返し問題を解き、出題されるコンポーネントやツール、考え方がどのように出題されるかの傾向をつかみましょう。
- 問題は60問で試験時間は90分となります。1問あたり1.5分かけられる計算が必要ですが、本番は1問30秒~40秒ほどで解き、自信のない問題についてはゆっくり見直すという形で解くのが良いと思います。
おわりに
正直まだ実感はわきませんが、今回の制覇を通して「Kubernetesという技術においてある程度の知識を持っていることを客観的な指標で証明できた」という実感や、「超人の領域だと思っていた『特定の資格の制覇』ということは、自分もやればできるんだ」という自信を得ることができました。
もちろん資格を全冠したからといってKubernetesのプロフェッショナルになれるわけではありません。
これからの業務や検証などを通じて、本当の意味でのプロフェッショナルになっていきたいと思っています!
本ブログの内容は以上になります。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
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