目次
- 目次
- はじめに
- ゴール
- 検証構成
- 「Storage Gateway用マシン」の設定
- Storage Gatewayファイル共有のマウント
- ArcserveUDPでのバックアップ設定
- Storage Gatewayで選択可能なストレージクラス
- まとめ
- おわりに
はじめに
こんにちは、株式会社エーピーコミュニケーションズ クラウド事業部の松尾です。
本記事では、バックアップソフトであるArcserveUDPを使って、Amazon S3へファイルバックアップをとる構成を構築して動作を確認していきたいと思います。
「オンプレミスのバックアップサーバのクラウド化」の1つのパターンとして参考になれば。
ゴール
本記事でお伝えすることは次の内容です。
- EC2を使ったStorage Gatewayの構築手順
- ArcserveUDPでS3へ保存する設定方法
検証構成
検証はこのような構成で行っていきます。
想定するのは「オンプレミスのバックアップサーバにあるファイルをArcserveUDPを使ってクラウドにバックアップする」状況。
疑似バックアップサーバはオンプレミスのバックアップサーバをイメージして、バックアップソフトはArcerveUDPとしました。Strage Gateway用マシンはEC2でFileGatewayを動作させる構成です。
疑似バックアップサーバはWindowsにしたため通信プロトコルはSMB、FileGatewayとS3間はHTTPSでの通信となります。
「Storage Gateway用マシン」の設定
まずはStrage GatewayのGatewayからリソースを作成していきます。
続いて、ファイル共有を作成していきます。
作成されたファイル共有の詳細をスクロールすると、クライアントでマウントするためのコマンドがあるので、クライアントではこのコマンドでマウントしていきます。
Storage Gatewayファイル共有のマウント
疑似バックアップサーバのPowershellでマウントコマンドを実行します。管理者権限は不要。
認証をゲストアクセスにしている場合、ユーザー名は「smbguest」です。
マウントされていることを確認。
ArcserveUDPでのバックアップ設定
ArcserveUDPのインストールは割愛します。
ArcserveUDP機能として、
1.クラウドへ直接バックアップする機能
2.ローカルドライブなど任意のパスへのバックアップ機能
の2つがありますが、今回は2の手法にしました。理由としては、1ではアクセスキーで設定する必要があること、S3のストレージクラスがスタンダードのみであること、の2点からです。
参考:クラウドへ直接バックアップさせる設定画面(本記事では実装しない)
この状態でフルバックアップを取得していきます。
エクスプローラで確認するとバックアップファイルとして確認できます。
Storage Gatewayで選択可能なストレージクラス
S3のストレージクラスはファイル共有作成時に以下のように選択可能です。
が、S3 Glacierクラスは選択肢に無い点が留意すべき点です。バックアップ用途の場合なら本来はGlacierクラスにしたいところですが、Glacierだと一度取り出す工程が必要なので、今回のようにS3とStorage Gateway間で同期させるような構成では難しいだろうとは思います。
まとめ
今回はバックアップソフトを使ったクラウドバックアップの1つの手法を検証してみました。
S3への保存はStorage Gatewayが透過的に行うため、ユーザ観点ではバックアップソフト上の操作のみで完結しているように見えます。この点はユーザには分かりやすいのではないかと思います。
一方、Storage Gateway(File Gateway)でGlacierクラスを直接利用出来ない点は、バックアップ用途としては惜しいのですが、
・バックアップソフトの重複排除機能有無
・バックアップデータの保管世代数
の条件次第ではStandardクラスでもGlacierクラスのコストメリットを上回ることもあるように思いました。
おわりに
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