APC 技術ブログ

株式会社エーピーコミュニケーションズの技術ブログです。

株式会社 エーピーコミュニケーションズの技術ブログです。

ArcserveUDPでStorageGateway経由でS3へのバックアップ構成を作る

目次

はじめに

こんにちは、株式会社エーピーコミュニケーションズ クラウド事業部の松尾です。
本記事では、バックアップソフトであるArcserveUDPを使って、Amazon S3へファイルバックアップをとる構成を構築して動作を確認していきたいと思います。
「オンプレミスのバックアップサーバのクラウド化」の1つのパターンとして参考になれば。


ゴール

本記事でお伝えすることは次の内容です。

  • EC2を使ったStorage Gatewayの構築手順
  • ArcserveUDPでS3へ保存する設定方法


検証構成

検証はこのような構成で行っていきます。
想定するのは「オンプレミスのバックアップサーバにあるファイルをArcserveUDPを使ってクラウドにバックアップする」状況。
疑似バックアップサーバはオンプレミスのバックアップサーバをイメージして、バックアップソフトはArcerveUDPとしました。Strage Gateway用マシンはEC2でFileGatewayを動作させる構成です。
疑似バックアップサーバはWindowsにしたため通信プロトコルはSMB、FileGatewayとS3間はHTTPSでの通信となります。



「Storage Gateway用マシン」の設定

まずはStrage GatewayのGatewayからリソースを作成していきます。

S3ファイルゲートウェイを選択

EC2を選択しVPC、サブネット等を設定、EC2インスタンスを起動

「IPアドレス」には作成したEC2のプライベートIPが自動反映される

アクティブゲートウェイをクリック

設定をクリック

続いて、ファイル共有を作成していきます。

ユーザ認証はADとゲストアクセスが選択可能

作成されたファイル共有の詳細をスクロールすると、クライアントでマウントするためのコマンドがあるので、クライアントではこのコマンドでマウントしていきます。



Storage Gatewayファイル共有のマウント

疑似バックアップサーバのPowershellでマウントコマンドを実行します。管理者権限は不要。
認証をゲストアクセスにしている場合、ユーザー名は「smbguest」です。


マウントされていることを確認。



ArcserveUDPでのバックアップ設定

ArcserveUDPのインストールは割愛します。
ArcserveUDP機能として、
1.クラウドへ直接バックアップする機能
2.ローカルドライブなど任意のパスへのバックアップ機能
の2つがありますが、今回は2の手法にしました。理由としては、1ではアクセスキーで設定する必要があること、S3のストレージクラスがスタンダードのみであること、の2点からです。

参考:クラウドへ直接バックアップさせる設定画面(本記事では実装しない)

1のクラウドへ直接バックアップ機能の設定画面

2のローカルドライブへのバックアップ設定画面

この状態でフルバックアップを取得していきます。

進行中のバックアップ


エクスプローラで確認するとバックアップファイルとして確認できます。


Storage Gatewayで選択可能なストレージクラス

S3のストレージクラスはファイル共有作成時に以下のように選択可能です。
が、S3 Glacierクラスは選択肢に無い点が留意すべき点です。バックアップ用途の場合なら本来はGlacierクラスにしたいところですが、Glacierだと一度取り出す工程が必要なので、今回のようにS3とStorage Gateway間で同期させるような構成では難しいだろうとは思います。


まとめ

今回はバックアップソフトを使ったクラウドバックアップの1つの手法を検証してみました。
S3への保存はStorage Gatewayが透過的に行うため、ユーザ観点ではバックアップソフト上の操作のみで完結しているように見えます。この点はユーザには分かりやすいのではないかと思います。
一方、Storage Gateway(File Gateway)でGlacierクラスを直接利用出来ない点は、バックアップ用途としては惜しいのですが、
・バックアップソフトの重複排除機能有無
・バックアップデータの保管世代数
の条件次第ではStandardクラスでもGlacierクラスのコストメリットを上回ることもあるように思いました。


おわりに

私達クラウド事業部はAWSなどのクラウド技術を活用したSI/SESのご支援をしております。

www.ap-com.co.jp

また、一緒に働いていただける仲間も募集中です! ご興味持っていただけましたらぜひお声がけください。

www.ap-com.co.jp