こんにちは、ACS 事業部の埜下です。
HashiCorp 社から HCP Vault Secrets というシークレット管理用マネージドサービスが提供されていますが、この HCP Vault Secrets が 2024年2月 から価格が改定されるというアナウンスがありましたので、どのような改定内容なのか確認してみました。
どう変わるのか
今回の改定では以下のような変更があります。
- シークレットあたりの価格ダウン
- 10,000 API リクエストごとに費用発生
- 無料枠に API リクエスト制限を追加
HCP Vault Secrets には 2 種類の Tier があります。
- Free Tier
- 無料で使える
- 格納できるシークレット数などに制限がある
- Standard Tier
- シークレット数に応じて費用発生
- シークレット数の制限が緩和されている(無制限ではない)
今回の改定で Tier の種類自体は変わりませんが、それぞれどのように影響するか見てみましょう。
Standard Tier
Standard Tier の価格は今まで「シークレット数 × 単価」という計算でしたが、今後は「シークレット数 × 単価 + API リクエスト数 × 単価」という計算に変わります。
「シークレットあたりの価格ダウン」ということでシークレットあたり 0.58 ドル/月 でしたがシークレットあたり $0.50/月 に下がります。 その代わりに API リクエスト数に応じた費用も発生するようになり、この価格は 10,000 API あたり $0.10/月 と発表されています。
HCP Vault Secrets の API には「Secret Access API」と「その他 API」の 2 種類ありまして、上記の計算は「Secret Access API」のみ対象となります。
- Secret Access API
- シークレットの値の取得
- その他 API
- シークレットの作成/削除
- アプリケーションの作成/削除
- etc
ちなみに、格納するシークレット数ごとに以下の API リクエスト数を超えると改定後の価格が改定前より高くなります。
シークレット数 | API リクエスト数 | 価格 |
---|---|---|
25 | 200,000 | $14.50 |
100 | 800,000 | $58.00 |
500 | 4,000,000 | $290.00 |
2500 | 20,000,000 | $1,450.00 |
シークレット数 25 というのは Free Tier で格納できるシークレットの上限値で、シークレット数 2500 は Standard Tier の上限値です。
こう見ると結構良心的じゃないですかね?
Free Tier
Free Tier のほうは API のリクエストに制限が掛かるようになります。
どの程度の制限かというと、API のリクエストが10,000 件/月を超えると、その月は 1 分あたり 1 リクエストまでに制限されます。
なかなか厳しい制限のように見えますが、10,000 件/月という数字は 5 分に 1 件の頻度の API リクエストでは届きません。 もともと Free Tier で足りているユーザにとってそこまで大きな制限ではないかと想います。
おわりに
HCP Vault Secrets の価格改定について確認してみました。 価格体系が変わるのでネガティブなイメージもありましたが、数字をよく見てみると価格面で大きなインパクトはなさそうです。
Free Tier も API の制限が加わりつつも影響は少なそうですので、今後も安心して個人利用も続けられそうです。
HCP Vault Secrets についてはぜひ以下もあわせてご覧ください。
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