こんにちは、CL事業部の長谷川です。
今回は小学公PTAでのITコンサル事例(業務改善)についてお話しします。
- 仕事としてのITコンサル事例ではありません
初めに
ITコンサルとは? 🗣️
ITエンジニアというと「インフラや開発、運用」というイメージが強いと思います。
実は、ITコンサルという職種もあり、
簡潔に言うと「企業が抱えている問題を、ITの技術で解決する仕事」です。
今回の事例は? 🏫
今回紹介するのは、私が小学校の PTA 役員として、
PTA 業務の一部をデジタル化した事例です。
主に、Google ドライブやQRコードの活用、権限の話がメイン。
地域のITコンサルの一環として、参考になれれば幸いです。
黎明期 🍀
PTA 内の問題点をヒアリング
- 😞 PTA メンバーより
- データをUSBで管理している
- 紛失が怖い。。
- 配布する書類が多い
- 印刷業務が大変だ!
- データをUSBで管理している
- 🙂 私
- じゃあ Google ドライブで管理して、配布も電子媒体で送信しよう!
1年後 🕐
普及活動から1年が経過したが
ほぼ普及しなかった。
検討 🤔
聞き込み調査 👂
なぜ普及しなかったのか? をヒアリング。
- 😞 PTA メンバーからの意見
- そもそも、Google ドライブの使い方が分からない
- 電子媒体での一括送信は、大人の事情があって対応できない
意見を掘り下げてみた 🔍
Google ドライブの使い方が分からない 件
- そもそもUIの操作が分からない
- ファイルはどうやって登録するの?
- スプレッドシートやドキュメントの使い方が分からない
- フォームの作り方が分からない
- 権限が複雑
- 閲覧とか編集とかよく分からない
- 保護者に資料を見せるにはどうしたらいいの?
電子媒体での一括送信は、大人の事情があって対応できない 件
- 一括送信は大人の事情で廃案
- LINE WORKS の活用も考えたが、進んでいない
- 無償プランだと100人限定
- 課金はいろいろ承認をもらう必要がある
- 保護者に LINE WORKS アプリを入れてもらい、かつ登録してもらう必要がある
- 転出、退会、卒業した場合の対応が必要
- 入学年度ごとにチャットを分ける、という案も出たが、運用コスト面から廃案
- 無償プランだと100人限定
考え直し 🧐
- 電子媒体での一括送信は、大人の事情や承認周りが大変
- これは代替案に落とし込む(次項で説明します)
- Google ドライブなどの使い方が分からない
- これを何とかする
- 課題を一つずつ潰していこう!
対策実行 🦾
代替案から実施 🖨️
電子媒体での一括送信はできない。 ならば...
印刷はQRコード一枚だけにして、 資料自体はQRコードから読み込んでもらおう!
QRコードを利用できない方への対応 📱
QR コード非対応端末や、読み込み方法が分からない、という方もいる。
なので、特別対応も合わせて実施した。
- URLをそのまま併記する
- フォントサイズを大きくする
- 小さいと、印刷でかすれて読めないこともある
- フォームなら 短縮 URL にして、保護者の入力コストを減らす
- フォントサイズを大きくする
- 学校評議員の方には、今まで通り印刷で対応する
- 高齢の方も多く、郵送+書類の方が読んでいただける
- 多くても10数件程度なので、印刷もそこまで負荷ではない
中間成果
- 印刷コスト削減
- 今までは、3, 4枚 × 児童数 なので、2,000枚を超えることもあった
- 今は 1枚 × 児童数 で済む
- 数百枚単位で削減できた
- 拘束時間の削減
- 今までは、n枚印刷して、さらにホチキス止めしていた
- 3時間以上かかっていた
- 今は 1時間以内で 終わる
- 今までは、n枚印刷して、さらにホチキス止めしていた
そもそもUIの操作が分からない 件の解消 💻
ファイルはどうやって登録するの? 📁
- 初めのうちは格納を代行
- そのうち慣れてきて、普通に操作できる人が増えた
スプレッドシートやドキュメントの使い方が分からない 📄
- Excel、Wordとも互換性があるので、手元のパソコンで作成したものを格納してもらった
- ただし、完全な互換性ではないため、資料のズレが起きた
- とりあえず、印刷と公開ができればOKだったので、この辺りは許容範囲
- 慣れている人には、スプレッドシートなどの操作方法をレクチャー
- 直接 UI で編集できる人もいた
フォームの作り方が分からない 😥
- これも最初は代行
- フォームはアンケートや募集でよく使うので、一番需要があった
- 相談件数も多かった
- フォームの作り方を現地でレクチャーしたりして、作れる人を増やした
権限が複雑 🔐
- 大事な部分なので、会議で時間を割いて全体周知した
- 特に「インターネットに公開 はしないでね」という点
- フォームの権限については、編集者と回答者で権限が違う理由を説明
- 保護者への公開=編集者の権限 と勘違いする人が多かった
- PTA メンバーの編集権限は、担当領域のフォルダごとに付与
- 誤操作防止、かつ権限はく奪時に管理しやすいように
- 全フォルダの閲覧権限は、PTA メンバー全員に付与(資料共有のため)
- QRコードなどで参照する保護者共有資料については、例外的に「インターネット共有フォルダ」を用意
- 期限の過ぎたものは、会議などで確認して削除
- 権限の棚卸し
- 利用者と担当領域を表で管理
- 1年ごとに離任者の権限のはく奪、新任者の権限付与を実施
引継ぎ 🤝
- 引継ぎは前年から継続する方で、かつPTA組織に詳しい方にお任せした
- ある程度パソコン操作に明るい方に引き継いだ
- 他メンバーについても、1年間でドライブの操作は実務で試していただいている
成果のまとめ ✅
- USB 管理の撤廃 =>Google ドライブにデータを移行
- 印刷コストの削減 =>数百枚単位での削減
- 現地拘束時間の削減 =>オンラインで自宅からも作業可能に
- アンケートの効率化 =>フォームの活用で電子化
追記: Microsoft 365 は使わなかったの?
Excel や Word の利用者が多かったので、候補の一つだった。
まず、Microsoft 365 には Office の互換性が強いというメリットがある。
手元のパソコンで Excel や Word を使う人が多数なので、
互換性のある Microsoft 365 の方が、資料のズレなどが起こらない。
しかし、それ以上にデメリットも多かった。
- 無償プランだと容量が少ない
- Google ドライブの 15G に比べて 5G しかない
- PTA では写真をよく入れるので、容量は必要
- Microsoft アカウントを持っている人が少ない
- Google アカウントはほとんどの人が持っていたので、普及しやすかった
- 一般に普及していない
- Google ドライブでさえ普及に苦労したので、
Microsoft 365 は普及のハードルがさらに上がる可能性もある
- Google ドライブでさえ普及に苦労したので、
- 引き継ぎ
- 後進に引き継ぐ際、「Microsoft 365 の管理が可能な人」を探す必要がある
- PTA は人材不足なので、極めて難しいハードルだった
なので、Microsoft 365 の活用は保留(ほぼ廃案)となった。
所感
PTAのITコンサル、というのは、お金にはならない地味な作業かもしれません。
ただ、身近にある「自分のITの知見を活かせる場所」の一つではあります。
加えて「IT業界とはまったく違う世界の人に、ITの知見をどう伝えるか」
という訓練にもなりました。
私は講師もやっていますので、この点がとても経験になりました。
業務以外で ITの知見を活かせる場所、を探してみると、面白いかもしれませんね。