
はじめに
当社では、Datadogの導入支援から運用サポートまでをトータルでご支援するサービスを提供しています。
初期設計・エージェント展開・モニタリング設定・ダッシュボード構築まで、お客様のニーズに合わせた支援が可能です。
「自社だけでの導入が不安」「もっと効率的に監視環境を整えたい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
こんにちは、クラウド事業部の加藤です。
2025年12月16日、東京国際フォーラムで開催されたDatadog Live Tokyo 2025に参加してきました!
普段から業務でDatadogを扱っている身として、最新のプロダクトアップデートや、
実際に活用されている企業の事例を直接聞ける絶好の機会。
これは行くしかない!と参加を決めました。
今回のイベントでは、ABEMAやNTTドコモ、SBI証券など、国内の名だたる企業が登壇され、
それぞれのオブザーバビリティ実践についてお話しされました。
この記事では、参加したセッションの内容と、そこから得られた学びをシェアしたいと思います!

Datadog Live Tokyoとは
Datadog Live Tokyoは、今年で3回目の開催となる、Datadogの国内最大のユーザーイベントです。
国内約2,000のお客様の中から、先進的な取り組みをされている企業が登壇し、
実際の活用事例を惜しみなく共有してくださいます。
今回のイベントは14:00から18:45まで、基調講演に始まり、複数のブレークアウトセッション、
そして最後にはネットワーキングレセプションという構成でした。
会場となった東京国際フォーラムのホールB7は、想像以上に多くの参加者で埋まっていて、
改めてDatadogへの関心の高さを実感しました。
セッション間の休憩時間には、参加者同士で話したり、とても活気のある雰囲気でした!
印象的だったセッションたち
今回のイベントでは、6社の事例セッションを聴講することができました。
どのセッションも現場の生の声が聞けて、メモを取る手が止まらなかったです。^^
その中でも印象的だったセッションをご紹介します!
DNP:現場主導で進める定着化への道
DNPさんの発表で最も印象的だったのは、
「デフォルト化」「フレームワーク化」「社内コミュニティ」という
三本柱の戦略でした。
特に「許可なしで使える環境」を作ったという点が目から鱗で、
新しい基盤には最初からDatadogが標準搭載されているそうです。
これ、すごくないですか?
ツールを導入しても「使っていいか確認しないと...」となりがちなのですが、
最初から組み込まれていれば迷わず使えますよね。
結果として、手動レポート作成が月60人日削減、
メトリクス可視化で月6人日削減という具体的な数字も出ていて、
現場主導で進めることの大切さを感じました。
ドコモ:当事者意識がもたらした76%のMTTR削減
ドコモさんのセッションで心に残ったのは、「DevOps全体が当事者意識を持つ」という言葉でした。
100を超えるプロダクトを抱える中で、Datadogを共通言語として活用することで、
平均修復時間(MTTR)を76%も削減されたそうです。
さらに、AIエージェントのコストや品質測定、DDoS対策を含むセキュリティ基盤の構築など、
最先端の取り組みも惜しみなく共有してくださいました。
大規模な組織でも、一人ひとりが当事者意識を持つことで
ここまで変われるんだなと感じた瞬間でした。
SBI証券:On-Callで実現した85%の効率化
SBI証券さんの事例で驚いたのは、
エスカレーション時間を11.5分から1分に短縮したという数字です。
これ、85%の効率化ですよ!
On-Call機能を導入することで、インシデント発生時に全チームが単一ツール上でファクトを共有でき、
以前は停滞しがちだった対応が劇的にスピードアップしたそうです。
さらに、AI SRE機能の評価も進めていて、有識者の経験に依存していた原因特定を
誰でもできるようにする取り組みも興味深かったです。
3000万口座時代に向けた準備、すごいなあ...
TimeTree:週1回の「停点観測会」の威力
TimeTreeさんの「停点観測会」というネーミング、良いですよね。
SREチームとバックエンドチームが週1回、60分間集まって、
先週比やクライアントアプリごとのメトリクスを俯瞰的に確認する取り組みです。
週4回という高頻度リリース環境で、問題の早期検知と開発効率を両立させるための工夫。
この定期的なチーム間のコミュニケーションが、
開発者側のパフォーマンス意識向上にもつながっているとのこと。
うちの案件でも取り入れられそうなアイデアだなと思いました!
ベネッセ:RUMで「サクサク・ワクワク」を定量化
ベネッセさんのセッションタイトルにもある
「サクサク・ワクワク」という表現が印象的でした。
授業支援アプリ「オクリンクプラス」にDatadog RUMを導入し、
ユーザーの不満(Frustration Signals)を定量化されたそうです。
「無駄なクリック」を96.1%から5.2%まで削減したという数字もすごいですが、
何より驚いたのは「データドッグ合宿」という取り組み。
企画チームも巻き込んでRUM分析を活用することで、
従来2週間かかっていた企画立案がわずか1日に短縮されたとか!
「企画・開発・運用の協業」が本当の意味で実現されているんですね。
ヌーラボ:Bits AI SREが5分でDDoS攻撃を解明
このセッションはFireside Chat形式で、Datadogの角田さんとヌーラボの二橋さんの対談でした。
一番驚いたのは、トライアル中に発生した
毎分170万件のログを伴うDDoS攻撃を、Bits AI SREがわずか5分で分析したという話。
しかも、アラートメッセージに情報がなくても、
適切なタグ付けを元にAIが賢く原因を判断したそうです。
AI SREって、もうここまで来てるんだなあと。。
日常的なアラート調査でも高い精度で結論を出してくれるので、
調査時間の大幅削減につながっているとのことでした。
全体を通して感じたこと
各社のセッションを聞いて共通して感じたのは、
Datadogを「ただのモニタリングツール」として使うのではなく、
組織全体の文化やワークフローに組み込んでいるという点でした。
DNPさんの「デフォルト化」、
ドコモさんの「当事者意識」、
TimeTreeさんの「停点観測会」、
ベネッセさんの「データドッグ合宿」...
どれもツールの使い方以前に、組織としてどう活用していくかを考え抜いている印象を受けました。
あと、どのセッションでも具体的な数字が出ていたのが印象的でした。
「○○%削減」「○時間短縮」といった定量的な成果を
きちんと測定し、共有されている。
これって、オブザーバビリティの本質だなと改めて感じました。
観測するだけじゃなくて、それを行動につなげて、
結果を測定する。そのサイクルがちゃんと回っているんですよね。
ネットワーキングレセプションも充実
セッション終了後のネットワーキングレセプションでは、
「CTF at Datadog」という体験型イベントも開催されていました。
Datadogを使って設定された"異常"を実際に調査、解決するゲームです。
残念ながら時間の都合で参加できなかったのですが、
参加された方たちが楽しそうに取り組んでいたのが印象的でした。
(次回は絶対参加したい...!)
軽食やドリンクを片手に、登壇された方々や他の参加者と交流できる貴重な時間でした。
普段リモートワークだからこそ、こういう対面での交流の場はとても新鮮で、
色々な話を聞けて刺激になりました。
おわりに
今回のDatadog Live Tokyoに参加して、
「オブザーバビリティは技術じゃなくて文化だ」
ということを改めて実感しました。
どんなに優れたツールがあってもそれをどう使うか、どう組織に浸透させるかが大事。
そして、各社の事例を聞いて、「試してみよう!」と思えるヒントを
たくさん持ち帰ることができました。
パートナー企業として、お客様にこういった先進事例を共有しながら、
より良いオブザーバビリティの実現をご支援していきたいと思います!
登壇された企業の皆様、Datadogの皆様、
ありがとうございました!
会場の雰囲気も良かった!

次のDatadog Liveも楽しみです ^^
お知らせ
当社では、Datadogの導入支援から運用サポートまでをトータルでご支援するサービスを提供しています。
初期設計・エージェント展開・モニタリング設定・ダッシュボード構築まで、お客様のニーズに合わせた支援が可能です。
「自社だけでの導入が不安」「もっと効率的に監視環境を整えたい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
また、一緒に働いていただける仲間も募集中です!
今年もまだまだ組織規模拡大中なので、ご興味持っていただけましたらぜひお声がけください。