APC 技術ブログ

株式会社エーピーコミュニケーションズの技術ブログです。

株式会社 エーピーコミュニケーションズの技術ブログです。

NotebookLMで週報70件を分析してみた──AIで見えた業務の課題と改善点

はじめに

生成AI「NotebookLM」を用いて、従業員(私自身)の週報を分析し、業務改善に役立てる試みを行いました。本記事では、週報分析の手順と結果、およびその考察について報告します。

70個の週報ファイルをNotebookLMで分析した

NotebookLMによる週報分析の手順

NotebookLMを用いて週報を分析する手順は以下の通りです。

  1. NotebookLMにアクセス

    • NotebookLM にアクセスし、Googleアカウントでログイン。
  2. 新しいノートブックを作成

    • 初回利用時は「新規作成」を選択。
    • 既存のノートブックがある場合は、それを選択。
  3. 週報ファイルをアップロード

    • 「ソースを追加」ボタンをクリック。
    • 「パソコンからアップロード」を選択し、週報ファイル(.txtやPDFなど)をアップロード。
    • アップロードが完了すると、NotebookLMが自動的に内容を解析し、概要を生成。

補足 - Google DriveのファイルやウェブサイトのURLもソースとして追加可能。 - NotebookLM Plusユーザー向けには、チームとノートブックを共有する機能も提供されている。

これで週報分析の準備が完了しました。

NotebookLMを使った週報分析

NotebookLMを活用し、週報のデータを多角的に分析することで、業務の課題や改善点を明確にすることができます。本記事では、以下の2つの視点から週報を分析しました。

1. 仕事に対するモチベーションの変化

プロンプト

ソースは、私の仕事に関する週報です。すべての週報の最初の数行は、その週に私が個人的に感じたことを記載しています。これらの過去の週報から、私の仕事に対するモチベーションの変化について、わかることはありますか?

回答

(一部社内向け情報をマスクしています)

週報の冒頭に記載された感想から、仕事に対するモチベーションの変化を分析します。

  • 2024年1月~2024年4月:
    • 生成AIの活用がモチベーションを高める大きな要因となっているようです。特に、AIツールを活用して業務効率化を図ることに積極的でした。
  • 2024年5月~2024年7月:
    • 5月以降、業務の進捗に影響を及ぼす課題に直面し、調整の難しさを感じる場面が増えました。
    • 6月には、Jenkinsパイプラインの開発で生成AIを活用し、その楽しさを実感する一方で、スクリプトの品質に課題を感じていました。
  • 2024年8月~2024年10月:
    • 生成AIを使った文書処理を本格化し、業務効率向上を実感。
  • 2024年11月~2025年1月:
    • プロジェクトの関係者との調整に課題を感じる場面が増え、負担が大きくなっていました。
  • 2025年2月:
    • 自主学習の時間を確保し、AIを活用したスキルアップに取り組む。

全体的に、生成AIを活用することで業務の効率化が進んだ一方で、プロジェクトの進行や外部環境の影響によってモチベーションが変動する様子が見て取れます。

2. プロジェクトの課題の特定

プロンプト

週報からわかる、このプロジェクトの課題についてまとめてください。

回答

(一部社内向け情報をマスクしています)

週報から明らかになったプロジェクトの課題は以下の通りです。

  • 技術的課題:
    • システムの特定機能に関するサポート対応に課題を感じる場面があった。
    • データ復旧に関する技術的な課題が発生し、解決に時間を要するケースがあった。
  • 環境構築の課題:
    • システム環境の変更に伴い、リソースの再配置や構成変更が必要になる場面があった。
    • 一部の環境ではネットワーク設定やシステム管理の調整が必要な状況が発生。
  • プロジェクト進行の課題:
    • タスクの指示が明確でない場面があり、進行が滞ることがあった。
    • 一部のシステムへのアクセスに制限がかかる場面があり、業務調整を要することがあった。

これらの課題に対し、AIを活用した業務効率化やプロジェクト管理の最適化が求められていると考えられます。

NotebookLMを使って感じたこと

  • 対話形式の分析: NotebookLMでは、まるで人と会話をするように、自然な言葉で質問を投げかけることができます。これにより、ソースファイルの内容を様々な角度から分析することができ、非常に便利だと感じました。
  • 自動生成されるノートブックの概要: ファイルをアップロードすると、NotebookLMが自動的にノートブックの名前と概要を作成してくれる点は、非常に効率的です。特に、概要の精度は高く、各ファイルを開かなくても全体像を把握することができます。これにより、分析の時間を大幅に短縮できるだけでなく、「このデータでどんな分析ができるか」といったアイディアも浮かびやすくなりました。
  • 引用元表示: 回答にソースファイルの引用元が明記されている点は、分析結果の信頼性を高める上で非常に重要だと感じました。引用元を辿ることで、回答の根拠を容易に確認することができます。

週報分析を行って感じたこと

今回の分析で感じたこと

  • 分析の効率性と網羅性: NotebookLMを使うことで、従来手作業で行っていた週報分析を大幅に効率化できました。70ファイル、計100KB程度のデータであれば、短時間で分析が完了し、かつ、人間が見落としがちな細かな点にも気づくことができました。これにより、より多くの情報を網羅的に把握することが可能となり、分析の精度向上に繋がると感じています。
  • 客観的な視点の獲得: 週報をNotebookLMに分析させることで、自身の業務に対する客観的な視点を獲得できました。例えば、モチベーションの変化を時系列で可視化することで、自身のモチベーションに影響を与える要因を明確に把握することができました。また、プロジェクトの課題についても、客観的なデータに基づいた分析結果を得ることができ、今後の改善活動に役立つ具体的な示唆を得られました。

将来への展望

  • チーム全体への応用: 週報分析は、個人の振り返りだけでなく、チーム全体の業務改善にも役立つ可能性を感じました。チーム全体の週報をNotebookLMで分析することで、チーム全体の課題や傾向を把握し、より効果的なチーム運営やプロジェクト推進に繋げることができると考えられます。
  • マネージャーの活用: マネージャーが部下の週報を分析する際に、NotebookLMは強力なツールとなりえます。部下の業務状況や課題を効率的に把握し、適切な指導やサポートを行うことが可能になります。また、チーム全体の週報を分析することで、チーム全体のモチベーション向上やパフォーマンス改善に繋がる施策を検討することができます。
  • 分析の高度化: 今回は週報のテキストデータのみを分析しましたが、今後は数値データや画像データなども合わせて分析することで、より多角的な分析が可能になると考えられます。例えば、業務時間や成果物などの数値データを組み合わせることで、より詳細な分析結果を得ることが期待できます。
  • データに基づいた改善提案: NotebookLMによる分析結果を、具体的な業務改善に繋げることが重要です。例えば、分析によって「特定のタスクが集中している時期にモチベーションが低下する傾向がある」ことが明らかになったとします。この場合、タスクの偏りを解消するために、担当者の変更やタスクの分割、スケジュールの調整などを検討することができます。このように、NotebookLMの分析結果を具体的な行動計画に落とし込むことで、より効果的な業務改善を実現できると考えます。