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【HashiCorp】HashiConf 2024 参加レポート

ACS事業部の埜下です。

今年は HashiCorp Ambassador に選出していただいて「HashiCorp プロダクトやっていき」の年でもあるため、HashiCorp の年次イベントである HashiConf 2024 に現地参加してきました! イベント全体の雰囲気をお伝えできるように写真多めで HashiConf 2024 について紹介していきます。

HashiConf 2024 で発表された新機能などの情報は速報として公開していますので、ぜひ本記事と併せてご覧ください。

techblog.ap-com.co.jp

HashiConf とは

HashiConf は HashiCorp が開催している年次イベントです。 10/14(月)〜16(水) にボストンで開かれた今年の HashiConf はアメリカ東海岸での初めての開催となりました。

会場はボストン・ローガン国際空港から自動車で10分ほどの Omni Boston Hotel at the Seaport でした。

このホテルの向かいには過去に Red Hat Summit が開催された会場があります。

10/13 (日)

HashiConf 本編に先駆けて、HUG (HashiCorp User Group) のプライベート イベント「HUG on the Harbor」が開催されました。 HashiCorp Ambassador も招集され、私はこの枠で参加しました。

プライベート イベントということで内容についてはお伝えできませんが、HUG on the Harbor はボストン港から船に乗ってクルーズしながら HUG メンバーで交流するという会でした。

私にとってこのイベントが初めての日本以外の方と交流する場になったのですが、拙い英語でも皆さん優しくコミュニケーションを取ってくれて HashiCorp Ambassador をはじめ多くの参加者と会話することができました。 このイベントでお会いした方とは HashiConf 会場で挨拶する関係になれて、異国での孤独感のようなものが少し薄まりました。

そして、HashiCorp 共同創業者兼 CTO の Armon 氏とも握手することができました! 実は今年8月にも Armon 氏が来日されて同じイベントで登壇したのですが、お話しする機会(というよりは勇気)がなく終わっていました。 今回はチャンスを逃すまいと話しかけ、念願の Armon 氏との握手が叶いました。

あいにくの雨模様でしたが、ボストンの夜景はとても綺麗でした。

10/14 (月) Day 0

Ambassador Product Day

HashiConf 初日には Day 0 として HashiCorp Ambassador 同士で HashiCorp プロダクトについてディスカッションする時間がありました。

こちらも HUG on the Harbor と同じく内容は公開できませんが有意義な時間でした。 とは言いつつ、英語でのディスカッションだったため議論についていけず大まかな会話を拾うので精一杯でしたが……。

また、このイベントに出席したタイミングで Ambassador 向けのグッズをいただきました。 HashiCorp Ambassador という文字がプリントされた青いジッパーがアクセントのフード付きパーカーと、テッカテカの HashiCorp ロゴがプリントされた T シャツ。

そして使い道のわからない謎の光るプレート。 近くにいた他の Ambassador の方と「これなに(笑)」みたいな話をするキッカケにはなりました。

Japan Dinner

Day 0 の夜には日本から HashiConf に参加している方々でディナーがありました。

こちらは「日本から来ている方々が会場で顔を合わせた際に交流しやすくなるように」という HashiCorp Japan さんの粋な計らいで企画されたものでした。 今回の HashiConf は20名ほどの方が日本から参加されていました。

HUG on the Harbor と同様に、事前に交流会をしておくことでイベント会場でお会いしたときにも会話ができるようになって助かりました。

まさにアメリカンなサイズのお肉を頼まれている方もいました。

10/15 (火) Day 1

Infrastructure Lifecycle Management

さて、いよいよ HashiConf 本編の話です。

Day 1 では Infrastructure Lifecycle Management の関するセッションがメインでした。

Opening keynote はホテルで一番大きいメインホールでありました。 Ambassador は予約席があるということで先行で入場できました。 予約席は前半分の場所でしたが、一般入場でも最前列近くに座れたようで Day 2 では Ambassador 特権は使わずに最前列を確保しました。

司会のお二人。

共同創業者兼 CTO の Armon 氏から Day 1 の Opening keynote として Infrastructure Lifecycle management に位置づけられている Terraform、Nomad、Waypoint のアップデート情報が発表されました。

また、ゲストとしてエネルギー事業を展開する Duke Energy Corporation のシニアクラウドエンジニア Travis Rutledge 氏との対談がありました。

Opening keynote の後は各部屋でセッションがおこなわれていました。

私は Keynote に続いてメインホールで発表された「The building blocks of Infrastructure Lifecycle Management」というセッションに参加しました。こちらは HashiCorp が掲げる Infrastructure Lifecycle Management について紹介されていました。

続いても同じ部屋で発表された「Build and manage complex application platforms with Terraform」というセッションに参加しました。 こちらは Opening keynote で発表された Terraform Stacks の概念や使い方について紹介がありました。

日本企業の登壇

今回の HashiConf は日本企業から4社も登壇がありました。 すべて Day 1 の午後に固まっていたため、昼食後は各社の発表を見ていました。

日本勢トップバッターはイオンスマートテクノロジーさんでした。 「Platform engineering maturity: Your key to competitive differentiation」というタイトルで、イオングループ内で成熟度にあわせてチームをどのように変化させてきたか、またその中で HashiCorp プロダクトをどのように活用されているか発表されていました。

Hallway Track では HashiCorp、パートナー企業、ユーザー企業から多くのセッションがあり、日本からは JAL インフォテックさんと日本経済新聞社さんが登壇されていました。

JAL インフォテックさんからは「Teamwork in automation: Lessons learned and future goals」というタイトルで HCP Terraform と HCP Vault を利用するチームのフレームワークについて紹介がありました。

HCP Terraform のヘビーユーザーである日経さんからは「Reducing complexity and scaling best practices using HCP Terraform」というタイトルで、複雑になっていたシステムの運用を HCP Terraform を使ってどのように解消したか説明されていました。

日本勢の締めを括るのはトヨタさんでした。 「How Toyota scaled cloud onboarding with HCP Terraform and AFT」というタイトルで、HCP Terraform と Account Factory for Terraform を組み合わせて AWS アカウントの払い出しを短縮したお話しをされていました。

Opening keynote と同じメインホールでのセッションで「さすが世界のトヨタ!」という印象でした。 余談ですが、ボストンで走っている日本車の割合がとても高く、特にトヨタ車はよく見かけました。

Evening Social

Day 1 の日中帯のセッションが終わると、夜には Evening Social と呼ばれるパーティが開催されました。 HashiConf の会場とは異なる場所に移動すると、そこにはボウリングやビリヤード、そしてアーケードゲームが併設されたバーがありました。

パーティ会場の入口には HashiConf のモニュメントが鎮座していました。

Evening Social では主に日本勢で集まって Day 1 で登壇された方々を労いつつ、ボウリングをしたり交流を深めたりしていました。

会場内のいたるところに HashiConf 関連の飾りがありました。

アーケードゲームコーナーも Cloud Arcade という名前がつけられていました。

また、Day 0 の Ambassador Product Day でファシリテーションをされていた HashiCorp の方からも「Taichi!」と声を掛けていただいて嬉しかった反面、英語力の関係で十分な会話ができなかったのが心残りです。

10/16 (水) Day 2

Security Lifecycle Management

日が変わって Day 2 の Keynote では Security Lifecycle Management のアップデート情報が発表されました。

会場のライティングも Security Lifecycle Management にちなんだオレンジ色になっていました。

Day 1 と同じく、Day 2 でも Armon 氏とユーザー企業との対談がありました。

対談相手は SAP Concur でプリンシパルソフトウェアエンジニアをされている Dale Ragan 氏でした。

Day2 keynote のあとは「Building blocks of Security Lifecycle Management」というセッションに参加しました。 Security Lifecycle Management を構成する Vault、Boundary、Consul がどのようにセキュリティ課題を解決するかを紹介していました。

続いてのセッションでは「How to get dynamic with secrets management」というタイトルで、シークレットローテーションと動的シークレットをどのように使い分けるかの説明がありました。

シークレットローテーションは今回の HashiConf でも HCP Vault Secrets に追加された機能で、従来の動的シークレットとどのような棲み分けを考えているのか疑問に思っていたため、とても学びのあるセッションでした。

Hallway Track では Microsoft の Mark Tinderholt 氏が Terraform を使って Minecraft に家を作るデモを紹介されていました。 変数の値を変えて Terraform Apply を実行するたびに Minecraft 内でブロックが作り直されていてとてもおもしろいデモでした。

Day 2 で参加したセッションは以上となります。

すべてのセッションが完了した後、朝食会場で Closing reception が開催されて無事に HashiConf 2024 は全日程を終了しました。

会場の様子

ここからは HashiConf 2024 が開催された会場の様子をお届けします。

こちらは HashiCorp のロゴをかたどったモニュメントです。 イベント会場はホテルの2階にあるのですが、1階からエスカレーターを昇った先にこのモニュメントが鎮座していました。 ライトの使い方が絶妙で光がいい感じに反射されていてカッコよかったです。

こちらはメインホールのある2階から3階に行くための階段です。 こういう場所にも HashiCorp ロゴのついた光り物があると雰囲気が出てとてもよいですね。

2階のエレベーターの扉にも HashiCorp ロゴなどでデコレーションされていました。

こちらがフロアマップです。 2階、3階、5階にイベント会場が用意されていました。

こちらは5階にある Hallway Track のブースです。 写真には写ってませんが、右手のほうにもテーブルがあって多くの人が聞けるスペースとなっていました。 それでも席が足らなかったらしく、自分が見たすべての Hallway Track セッションで立ち見が発生していました。

こちらは HashiCorp のブースです。 朝食開始したばかりの時間だったためか、まだ人はいませんでした。 テーブルにはノベルティの HashiCorp シールやピンバッジが置いてありました。

Escape room という脱出ゲームのようなブースがありました。 三人一組で謎を解いて脱出した時間を競っていたようです。 その他にもレースゲームができるブースがありました。

こちらが朝食・昼食会場です。 この写真は朝食の早い時間帯で撮ったものですが、イベント開始直前や昼食時には人で溢れていました。

会場で提供される食事はほとんど同じメニューでしたが、タコスなどの入れ替わりのメニューもありました。 個人的にはカリカリに焼かれたベーコンを食べられて大満足でした。

Day 2 には paloalto さんがドーナツを提供していました。

こちらはヨーロッパを中心に活動している IT コンサルティング企業 ITQ の方の登壇です。 HUG on the Harbor で知り合った方が ITQ に所属されていて、同僚が Hallway Track で登壇されるということで見てきました。

こちらも同じく HUG on the Harbor で知り合った dnsimple の方の T シャツです。 写真は純粋に T シャツが可愛くて撮らせてもらいました。 dnsimple 自体は今回始めて知ったのですが、このように自社 T シャツを着てもらうと会話のキッカケになったり、どのような方だったか記憶に残りやすかったりしてよいですね。

HashiConf 2025 はサンフランシスコ

Day 2 Keynote のラストに、来年開催される HashiConf 2025 の情報が発表されました。 HashiConf 2025 は 2025/9/24-26 の日程でサンフランシスコで開催されるようです!

すでに HashiConf 2025 の登録ページは公開されていて Super Early Bird(超早割)で参加申し込みできますので、HashiConf に行きたい方はお早いご登録を!

www.hashicorp.com