目次
はじめに
こんにちは。クラウド事業部の田代です。
今回はAzure上で利用可能なMicrosoft Copilot in Azureについて書いていこうかと思います。実際の業務でどのように役立つかも記載していくのでよければ是非見ていってください。
Microsoft Copilot in Azureの概要
Microsoft Copilot in Azureって何?
Microsoft Copilot in Azureは、2025年4月8日に正式版(GA)が発表された、AzureポータルやAzureサービスに組み込まれた生成AIアシスタントです。OpenAIの技術とMicrosoftのクラウド基盤を組み合わせることで、Azureの利用者がより効率的にクラウドを設計・運用できるようにサポートします。
Azure Portal上では、以下の画像のようにCopilotのアイコンをクリックして利用します。

詳細についてはドキュメントを参照してください。
公式ドキュメント:
価格
本記事の投稿時点(2025年8月22日)では、無料で利用可能です。 今後、機能が追加された場合は課金対象となる可能性もあります。
対応言語
ユーザーの自然言語の入力に応じて回答・操作を支援するために、以下の19言語で利用できます。
中国語 (簡体字)、中国語 (繁体字)、チェコ語、オランダ語、英語、フランス語、ドイツ語、ハンガリー語、インドネシア語、イタリア語、日本語、韓国語、ポーランド語、ポルトガル語 (ブラジル)、ポルトガル語 (ポルトガル)、ロシア語、スペイン語、スウェーデン語、トルコ語
利用可能な地域
日本やアメリカ、ヨーロッパなどの一般的な Azure リージョンでは利用可能です。
しかし、特殊用途のリージョン(ガバメントクラウドや中国本土リージョン)では利用できません。
Copilotと何が違うの?
CopilotとMicrosoft Copilot in Azureの違いを表にまとめました。
| 項目 | Copilot | Microsoft Copilot in Azure |
|---|---|---|
| 主な用途 | 生産性向上(文章作成、コード生成、会議要約など) | クラウド管理・運用支援(Azureリソースの構築、監視、最適化など) | |
| 動作環境 | 各アプリケーションやIDE(例: Word, VS Code) | Azure Portal、Azure CLI、Azure関連サービス上 |
| 入力方法 | 自然言語プロンプトで「文章生成」「コード補完」「要約」などを依頼 | 「VMを作成して」「コストを最適化して」と自然言語で依頼(Azureの操作や設定) |
| 出力内容 | - テキスト(文章、要約、メール草案) - コード(プログラミング補助) - 分析(Excelグラフやレポート) |
- Azureリソース構築用の Bicep / ARM / Terraform コード - Azure Portalでの操作支援 - コストやセキュリティの改善提案 |
| 対象ユーザー | ビジネスユーザー、開発者、知識労働者全般 | クラウド管理者、インフラエンジニア、DevOps担当 |
| 利用するデータ | ユーザーのドキュメント、メール、ソースコードなど(組織データ+公開情報) | Azure環境のリソース情報、メトリクス、ログ(Monitor、Advisor、App Insightsなど) |
| 導入形態 | 追加ライセンスが必要な場合あり (例: Microsoft 365 Copilot は有料) |
Azure利用者は追加コストなしで利用可能 |
このように比較してみると、
Copilot → 文章やコードなど人の仕事の効率化に特化
Copilot in Azure → クラウドリソース管理のAzure運用・管理の自動化に特化
していることがわかるかと思います。
とりあえず触ってみた
ここまでMicrosoft Copilot in Azureについて、Copilotとの比較も踏まえて解説しました。
ここからは実際にMicrosoft Copilot in Azureを触っていきます。
効果的なプロンプト
どのAIツールを使うときにも言えることですが、効果的なプロンプト(AIに対して与える、指示・質問・命令文などのこと)を使うことはとても大切です。 公式ドキュメントにヒントが記載されているので、AIに対して指示を与える際には参考にしてみてください。 learn.microsoft.com
実演
まず、AKSクラスターのノードスケーリングを有効化するコマンドを表示するように指示を与えました。しかし、具体的な指示が足りなかったため、ノードプールとノード数を提示するように求められました。

もう一度実行。

今度はコマンドを表示してくれました。
次に、サービスのページに移動するよう指示しました。

正式なサービス名称を入力しないと遷移してくれませんでした。
もう一度実行してみます。

今度は無事、遷移しました!
続いて仮想マシンの起動を試してみました。

続行欄で「はい」を選択して無事仮想マシンの起動に成功しました!
次に、個人的に気になっていた「Terraformでコードを出力させる」ことを試してみました。

コードは出力されましたが、与えた情報が少なかったためか、実機の値と異なる箇所がありました。 リソースグループ名やリソース名、リージョンなど、細かい設定はこちらで補足しないと正確には出力されないようです。Azure上の設定を読み込んでコードに反映させてくれるものだと思っていました。
実務での利用を考えてみる
色々と試した結果、実務で利用するなら、パラメータなどをしっかりと提示してMicrosoft Copilot in AzureにTerraformのコードを出力させ、その後、手動で微修正してからレビューに回すのが最も良いかと思います。 指定した仮想マシンを起動/停止する、Azureサービスのページに遷移する、リソースグループの一覧を出力する、といった簡単な指示は、積極的に活用できると感じました。
終わりに
今回の検証を通して、Microsoft Copilot in AzureがAzure運用の強力なパートナーになりうることが分かりました。まだ発展途上の機能も多いですが、今後のアップデートでさらに多くの機能が追加されることが期待されます。
特に、日常的な簡単なタスク(リソースの起動・停止、ページ遷移など)はCopilotに任せることで、より複雑で高度な作業に集中できるようになるでしょう。これからもCopilotの進化に注目し、日々の業務に積極的に取り入れていきたいと思います。
このブログが、皆さんのAzure運用の一助となれば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。