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Oracle Cloud Infrastructure(OCI)の主要機能まとめ:クラウド選定の新たな選択肢?

Oracle Cloud Infrastructure(OCI)の主要機能まとめ:クラウド選定の新たな選択肢?

OCIって実際どうなの?

Oracle Cloud Infrastructure(OCI)は、Oracleが提供する次世代クラウドプラットフォームで、近年その注目度が急速に高まっています。特に2025年現在では、従来のAWSやAzureといったメジャープレイヤーと比較して、特定のワークロードにおいて優れた性能とコストパフォーマンスを発揮するケースが増えており、多くの企業がOCIへの移行や併用を検討しています。 このブログでは、OCIの主要サービスとその強みをわかりやすくまとめ、他のクラウドと何が違うのか、どう活用できるのかを解説します。

OCIの特徴まとめ(2025年時点)

項目 内容
提供元 Oracle Corporation
主な強み 高性能VM、低コスト、ハイブリッド対応、自動運用DB(Autonomous DB)
主な用途 データベース、ERP、HPC、エンタープライズアプリケーション
無料枠 Always Free リソースあり(VM、Autonomous Database、オブジェクトストレージなど。ただし、リソースには上限があります)
日本リージョン 東京、大阪(冗長構成が可能)

OCIの主な機能とサービス

1. コンピュート(Compute)

ベアメタル、VM、ARMベース、GPUインスタンスに対応しています。
高性能&低レイテンシでHPC(高性能コンピューティング)やAIワークロードにも強みを発揮します。
独自の「Flexible Shape」でCPUとメモリを自由に設定できるため、リソースの最適化とコスト削減に貢献します。

2. ストレージ(Storage)

ブロック・オブジェクト・ファイルストレージに対応し、多様なデータ保存ニーズに応えます。
高スループットでのIO処理が可能で、大規模なデータ処理にも適しています。
OCI Object StorageはAmazon S3互換APIに対応しており、既存のS3を利用しているシステムからの移行や連携もスムーズです。

3. ネットワーキング(Networking)

仮想クラウドネットワーク(VCN)を利用した柔軟なネットワーク構成が可能です。
FastConnect(専用線)やインターネットゲートウェイにも対応し、オンプレミス環境とのセキュアかつ高速な接続を提供します。

4. データベース(Database)

Autonomous Database(自律運用型DB)により、データベースのパッチ適用、バックアップ、チューニングなどを自動化し、運用コストと障害リスクを大幅に削減します。
Oracle Exadata上で稼働する高性能なDBインスタンスを提供し、ミッションクリティカルなシステムにも対応します。
Oracle Real Application Clusters(RAC)もクラウドで利用可能で、高可用性とスケーラビリティを確保します。

5. コンテナ・Kubernetes(OKE)

Oracle Kubernetes Engine(OKE)はフルマネージド型で、Kubernetesクラスターの構築・運用を簡素化し、スケーリングも容易です。 TerraformやCLI(コマンドラインインターフェース)からのプロビジョニングが可能で、DevOps環境との連携もスムーズです。

6. セキュリティとID管理

IAM(Identity and Access Management)で厳格なアクセス制御が可能です。
ネットワーク・ファイアウォール、DDoS対策、鍵管理サービスも標準で提供され、クラウド環境のセキュリティを強化します。

OCIはどんな場面で選ばれている?

選ばれるケース

高性能なデータベースが必要な業務システム(特にOracle製品との親和性が高く、Exadata Cloud Serviceなどとの連携も容易です)。
大量データ処理(HPC、機械学習など)。
コスト効率を重視したWebサービス。
ハイブリッド/マルチクラウド戦略の一環として、他社クラウドとの連携やオンプレミス環境との統合。

移行事例の一部

銀行、製造業、小売業などのオンプレミスERPからOCIへの移行。
AWSなどの他社クラウドの運用コスト削減を目的とした一部ワークロードのOCI移行。

まとめ:2025年、OCIは「コスパ重視クラウド」の有力候補

AWSやAzureに比べ、OCIはまだ選択肢として見過ごされることもありますが、2025年現在では十分に比較・検討する価値のあるクラウドサービスに成長しています。
予算を抑えながらも、性能を妥協したくない
Oracle製品との連携を最大限活用したい
無料枠から試してみたい
そんなニーズを持つ方には、OCIは強力な選択肢となるでしょう。