こんにちは。ACS事業部 亀崎です。
今日は 開発がスタートしたばかりのプロジェクト「Dapr Backstage plugin」をご紹介したいと思います。
Daprとは
Daprは分散アプリケーション実行環境で、様々な外部サービスとの接続を抽象化し、分散アプリケーションの実装を容易にするものです。 Service InvocationやPub/Sub接続、State Managementなど分散アプリケーション接続の抽象化、ActorやWorkflow SDKの提供など とその機能拡張が進んできました。 こうした機能を活用することで、開発者は特定のインフラストラクチャやミドルウェアに依存せず様々な環境で実行できるアプリケーションを実装することができるようになります。
アプリケーション開発者にとって、特定のインフラストラクチャやミドルウェアに関する知識を必要とする、というのは大きな認知負荷の1つです。 Daprはこうした部分を抽象化してくれるので認知負荷の低減が期待できます。こうしたことから最近はPlatform Engineeringという文脈でも注目を集めています。
Backstageとは
BackstageはPlatform Engineeringの領域のツールで、Internal Developer Portal(開発者ポータル)です。 開発者はIDPを通じて組織内にあるシステムに関する情報を得ることができ、またテンプレート機能を利用して開発者自身がセルフサービスでインフラストラクチャ等の リソースを作成できるようにするものです。 組織内のシステムに関する情報が1箇所に集めることで、開発者がそうした情報へのアクセスを容易にして認知負荷を下げる効果があります。
Dapr Backstage plugin
DaprもBackstageも開発者の認知負荷の低減を目指すツール・ランタイムです。Platform Engineeringという視点でみるとBackstageからDaprの情報に アクセスできるようにし、より効果をあげていきたいと誰しもが考えるのではないでしょうか。
Backstage 用の dapr-plugin は Mauricio Salatino氏 (@salaboy) が2025年1月下旬にDapr Communityに提案され、開発が開始されたプロジェクトです。
まさに必要とするプロダクトが開始されたというわけです。
実は私も同じようなことできないかなと考えていたところに1月下旬のIssueを見つけ、2025年2月にMauricioさんが来日した際にお話させていただく機会があり興味があることを伝えたところ、ぜひ協力して欲しいということで、初期の段階からPull Requestを出させていただいています。
現在のプロジェクトは初期段階にあり、すぐにその動作イメージを確認できるよう、Backend側についてはすでにあるBackstage proxy plugin やdapr-dashboard機能を活用し、Frontendのみの開発を行っています。Daprの実行環境としてはKubernetes上のDaprを対象としています。
構成イメージとしては以下のようになります。
2025年3月14日時点では、指定したDaprアプリケーションに関する4つの情報「Summary」「ComponentS」「SubscriptionS」「Actors」の4つの情報を確認することができます。
この画面を通じて、開発チームはそこで利用されているDapr関連コンポーネント等を確認できるようになります。まずは第1段階クリアという感じですね。
今は開発者が自身で開発しているアプリケーションの情報が見える段階です。この他にもPlatform Teamとしては登録されている全コンポーネント一覧がほしいと 思うでしょう。また、自身が公開・管理しているコンポーネントやアプリケーションを利用しているシステムやそのオーナーが誰かといった依存関係といったものが 必要になるでしょう。私もそうした機能の実現を検討していきたいと考えています。 ぜひ皆さんのご意見なども伺ってみたいです。
さいごに
今回は Dapr x Backstage の連携部分の最新ニュースをお届けしました。 先にご紹介した通り、Dapr/Backstage はPlatform EngineeringやCloud Nativeシステム開発といった分野に関する技術でもあります。 これらの領域にご興味のある方がいらっしゃいましたらぜひ弊社までご連絡ください。よろしくお願いします。
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また弊社では開発者ポータルBackstageのマネージドサービスである「PlaTT」も提供しております。 Backstageに興味があるという方もぜひご連絡をいただけると嬉しいです。