目次
はじめに
近年、システム運用において、効率的なモニタリングと管理が求められています。その中でもDatadogは強力な監視プラットフォームとして、多くのエンジニアに利用されています。特に、Datadogの「タグ」機能を使えば、複雑なインフラやアプリケーションの監視をより柔軟かつ効果的に行えます。
本記事では、Datadogのタグ設定方法と、その活用術について詳しく解説します。タグを適切に設定することで、日々の運用がどのように劇的に楽になるのか、その具体的な方法を探っていきます。
当社では、Datadogの導入支援から運用サポートまでをトータルでご支援するサービスを提供しています。
初期設計・エージェント展開・モニタリング設定・ダッシュボード構築まで、お客様のニーズに合わせた支援が可能です。
「自社だけでの導入が不安」「もっと効率的に監視環境を整えたい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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タグ設定の基本
タグのDatadogにおける役割
タグとは、リソースやメトリクスなどに付与するラベルのことで、Datadog内でのデータのフィルタリングやグループ化に使用されます。これにより、特定の環境やサービス、バージョンなど、さまざまな視点からデータを分析することが可能となります。
タグの基本構造
Datadogにおけるタグは、基本的に「キー:バリュー」の形式で表現されます。例えば、「env:production」や「service:webapp」といった形です。この形式により、データの分類や検索が容易になります。
Datadogでタグを設定する方法
Datadogでタグを設定する方法は主に以下の3つがあります。
- 手動での設定:DatadogのUI上で直接タグを追加・編集する方法です。
- エージェント設定でのタグ付け:
datadog.yaml
ファイルを編集してタグを設定します。 - クラウドインテグレーション経由での自動タグ付与:AWSやGCP、Azureなどのクラウドプロバイダーのタグを自動的に取り込む方法です。
タグの具体的な活用術
モニタリングの効率化
タグを活用することで、特定の環境(開発・ステージング・本番)やサービスごとにメトリクスをフィルタリングし、効率的なモニタリングが可能となります。例えば、「env:production」というタグを持つリソースのみを対象にすることで、本番環境の状況を迅速に把握できます。
アラート設定の最適化
タグを利用して、特定の条件に合致するリソースに対してのみアラートを設定することができます。これにより、不要な通知を減らし、重要なアラートに集中することが可能となります。
例)
env:prod(本番環境)のタグがあるもののみ通知する
team:●●というタグを設定して値に対応した通知先にのみ通知する
など
ダッシュボードの管理強化
タグベースのフィルタリングを活用することで、ダッシュボード上で特定のサーバグループやリージョンごとの可視化が容易になります。これにより、必要な情報に迅速にアクセスでき、運用効率が向上します。
実際にやってみた!設定手順とデモ
前提条件
- Datadogアカウントが作成済みであること。
- Datadogエージェントが対象のホストにインストールされていること。
タグの設定手順
Datadog UIで手動タグ設定をする場合
- Datadog UIにログインします。
- 左側のメニューから「インフラストラクチャ」を選択し、タグを追加したいホストをクリックします。
- ホストの詳細ページで、「Add Tags」ボタンをクリックします。
- 赤枠に追加したいタグを入力し、「+」をクリックして追加します。
- 「Save」をクリックして保存します。
datadog.yaml
を編集してタグを設定する場合
Datadogエージェントの設定ファイルであるdatadog.yaml
を編集することで、ホスト全体に適用されるタグを設定できます。以下の手順で行います。
1.エージェントの設定ファイルを開きます。
sudo vi /etc/datadog-agent/datadog.yaml
2.tags
セクションを見つけ、コメントを解除して以下のようにタグを追加します。
tags: - env:production - service:webapp
3.ファイルを保存して閉じます。
4.エージェントを再起動して設定を反映させます。
sudo systemctl restart datadog-agent
タグをウェブインターフェースから確認
Datadogのウェブインターフェースの「hostmap」から対象のホストを選択すると以下のような画面になります。 ここに設定したものが表示されていればOK!
タグをウェブインターフェースから使ってみよう
- Datadogのウェブインターフェースにログインします。
- 左側のメニューから「インフラストラクチャ」を選択し、「Group by」で「service」と「env」を選択
設定したタグの通りにグルーピングされました!
タグ設定のベストプラクティス
Datadogのタグを効果的に活用するために、以下のベストプラクティスを意識しましょう。
1. 一貫性のある命名規則を作る
タグの命名ルールを統一することで、管理しやすくなります。
例えば、以下のようにルールを決めると、チーム全体で統一しやすくなります。環境ごとのタグ
env:production
env:staging
env:development
- サービスごとのタグ
service:webapp
service:database
- チームごとのタグ
team:devops
team:security
2. 不要なタグを増やさない
タグが増えすぎると、かえって管理が大変になります。
本当に必要なタグかどうか を考えてから追加しましょう。良い例:
env:production
,service:webapp
- 悪い例:
production-server
,app123-v2.5.1
(用途が不明確)
3. 定期的にタグを見直す
システムやチームの変更に合わせて、タグを定期的に整理しましょう。
不要なタグを削除し、新しいタグのルールを追加する ことで、管理しやすくなります。
推奨: 半年ごとにタグの棚卸しを行い、最新の運用ルールに沿って整理する。
4. チーム間でタグの使い方を統一する
チームごとにバラバラなタグを使ってしまうと後で集計するときにデータの統合が難しくなります。
ルール例:
owner
タグはteam:xxx
に統一env
タグはenv:production/staging/development
に統一
コツ: ConfluenceやNotionにルールをまとめておくと、チーム全体で統一しやすい!
まとめ
Datadogのタグ機能を活用することで、運用の効率化と可視性の向上が期待できます。
適切なタグの設定 によって、以下のようなメリットがあります。
モニタリングの最適化 → 必要なデータをすぐに見つけられる
アラートの精度向上 → 関連するリソースのみ通知を受け取れる
ダッシュボードの整理 → 必要な情報に迅速にアクセスでき、運用効率が向上
今後のステップ
Datadogのタグをもっと活用するために、次のアクションを検討しましょう!
タグの棚卸しを実施し、不要なタグを整理する
チーム内でタグの運用ルールを決める
Datadogのダッシュボードやモニターで、タグを活用したフィルタリングを試す
Datadogのタグを活用し、より効率的なクラウド運用を実現しましょう!
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今年もまだまだ組織規模拡大中なので、ご興味持っていただけましたらぜひお声がけください。