APC 技術ブログ

株式会社エーピーコミュニケーションズの技術ブログです。

株式会社 エーピーコミュニケーションズの技術ブログです。

Azure Managed Grafana で新プラン登場&機能追加が発表されました

はじめに

こんにちは、ACS事業部の吉川です。

Microsoft Ignite で多数のアップデートが発表されていますが、基調講演やBook of Newsで紹介されている内容以外にも、ひっそりと更新されているものがあります。

そんなひっそり更新ネタのひとつ、Azure Managed Grafana のアップデートをご紹介します。

techcommunity.microsoft.com

Essential プランが新設(プレビュー)

従来Azure Managed Grafanaは単一の料金プランで提供されていましたが、新たにEssential プランが登場しました。

料金ページを見るに、ダッシュボード・データソースの数の上限や利用できない機能があるものの、インスタンス料金が発生しない というのが大きな特徴のようです。小規模にダッシュボードでの可視化のみの用途で利用したい場合は大きなメリットになるでしょう。

azure.microsoft.com

Grafana version 10対応

リソース作成時にバージョンが選択できるようになり、バージョン10系が作成できるようになりました。

今のところは現行の9系で稼働しているAzure Managed Grafanaのバージョンアップには対応しておらず、新規作成時のみ10が選択可能です。が、インプレースアップグレード機能の計画もあるようなので既存ユーザーは気長に待ちましょう。

Grafana Team Sync with Entra Groups(プレビュー)

Grafanaはダッシュボードごとに細かくアクセス制御が可能ですが、従来のAzure RBACだとワークスペース単位でしか権限の割り当てができませんでした。
今回プレビューが始まる Grafana Team Sync により、Grafana上のアクセス制御設定の内容を、Entra (Azure AD) グループの設定と同期して保持することが可能です。

learn.microsoft.com

プラグイン管理(プレビュー)

プラグインによる機能追加に対応しました。ただし、世の中にあるすべてのプラグインに対応しているわけではなく、Managed Grafanaチームが選定したもののみがAzureポータルから追加できる形となっています。

Application Insightsのトレース対応

Application Insights内のデータをトレースとして表示できるようになりました。Grafana version10のみの対応です。

Tech Community blogより引用

Azure Data Explorer のユーザーベース認証対応

Azure Data Explorerをデータソースとして使用する際、Grafanaにアクセスしているユーザーの認証情報を利用してAzure Data Explorerへアクセスするように設定できます。
従来はGrafanaのマネージドIDを利用してAzure Data Explorerのデータにアクセスする形でしたが、ユーザーの認証情報を透過的に扱うことによりユーザーごとのデータへのアクセス可否を細かく設定できます。

とはいえこれはあくまでログインしてデータを閲覧するときのみ有効な機能、アラートなどの非ログイン時に動く機能を利用する場合は従来通りマネージドIDでのデータソース設定が必要です。

重複請求の廃止

Azure Managed Grafanaにはユーザー単位の料金があります。このユーザー単位料金は、従来Grafanaワークスペースごとに個別に発生していました。例えば、2つのGrafanaワークスペースを利用するユーザーがいた場合、それぞれのワークスペースに対し1ユーザーづつ課金されていました。
今年12月の請求サイクルより、1つのAzureサブスクリプション内において 1ユーザーあたり1ワークスペース分しか課金されなくなります
複数のワークスペースを使って運用している組織には朗報ではないでしょうか。

おわりに

Azure Managed Grafanaは昨年8月末にGAしたサービスですが、1年経って地味ながら着実に使いやすいアップデートが追加されました。
Igniteではこういったアップデートがひっそりと追加されています。Microsoft公式のTech Community BlogにてMicrosoft内各チームから情報発信がなされていますので、覗いてみることをオススメします。

techcommunity.microsoft.com

【PR】
私達ACS事業部はAzure・AKSなどのクラウドネイティブ技術を活用した内製化のご支援をしております。

www.ap-com.co.jp

また、一緒に働いていただける仲間も募集中です!
今年もまだまだ組織規模拡大中なので、ご興味持っていただけましたらぜひお声がけください。

www.ap-com.co.jp

本記事の投稿者: 吉川 俊甫
2023/06に Microsoft MVP (Microsoft Azure) を受賞しました。
Shunsuke Yoshikawa - Credly