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マネージドディスクとアンマネージドディスクの違いについて

こんにちは、ACS事業部の吉川です。

AzureのVM関連のドキュメントを見ると、マネージドディスク という単語をよく見かけます。
マネージドディスクと対になる単語として アンマネージドディスク(非管理ディスク)というものもあります。
「この2つ、何が違うの?」と社内で質問を受けたので、自分の理解の整理も兼ねてちょっと整理してみます。

2022/09/26 追記
2025年9月でアンマネージドディスクがリタイアするとの発表がありました。

azure.microsoft.com

今後新規で利用するときは迷わず マネージドディスク一択 と考えてください。
いまアンマネージドディスクをご利用中の方は急いでマネージドディスクへ移行を!

追記ここまで

どちらを使えばいい?

結論から言うと、いま新規でVMを作るならマネージドディスク一択です。
マネージドディスクにしか対応していない機能が多く、アンマネージドディスクを選ぶ必然性が殆ど存在しないためです。

ポータルからVMを作るときのデフォルトもマネージドディスクになっていますし、 アンマネージドディスクを選ぶとマネージドディスクを推奨する旨が表示されます。

歴史的背景

両者の違いを述べるには、まずAzure VMのディスクにまつわる歴史の話が必要です。A long time ago in a galaxy far, far away...

マネージドディスクの登場以前では、VMのディスクは必ず ストレージアカウント 内に配置する必要がありました。
ただVMが作りたいだけなのにストレージアカウントも作成する必要があり、設定やキャパシティの管理も必要でした。
Azure入門者を混乱の渦に叩き込んだ元凶です。

この不便さを解消するために2017年にリリースされたのが マネージドディスク です。
ストレージアカウント部分がMicrosoft管理となりユーザーから隠蔽されたことで、ディスクをそのまま管理するイメージとなりとてもわかり易くなりました。

マネージドディスクの誕生とともに、従来のストレージアカウント内に配置するディスクが アンマネージドディスク と呼称されるようになりました。

両者の違い - キャパシティ編

前項で述べたとおり、アンマネージドディスクはストレージアカウント内に配置します。
ストレージアカウントは、リージョン毎に 250 個までしか作成できません。
1つのストレージアカウント内に複数のアンマネージドディスクを配置することができますが、ストレージアカウント毎に 20000 IOPS の性能上限があります。

対するマネージドディスクの作成可能数はリージョン毎に1種類 50000 個、 IOPSは他のディスクと競合せず独立して利用できます。

ストレージアカウントにどうディスクを配置すれば効率がいいか…といった悩みから解放されるので、マネージドディスクをお勧めします。

両者の違い - 運用編

ディスクの種類として、マネージド/アンマネージドそれぞれに以下の種類があります。

  • マネージドディスク
    • Standard HDD
    • Standard SSD
    • Premium SSD
    • Ultra Disk
  • アンマネージドディスク
    • Standard
    • Premium

マネージドディスクはUltra Disk以外の3種の間であれば相互に変更可能です。最初はコスト重視でStandard HDDを選択し、パフォーマンスに不足を感じたらPremium SSDに変更、といった運用が可能です。
一方、アンマネージドディスクは種類の変更ができません。 変更したい場合は、
新たな種類のストレージアカウントを作成 ⇒ VHDファイルを新たなストレージアカウントにコピー ⇒ VMの参照しているディスクを変更
と、かなり面倒な手順となります。

その他にも、

  • 1つのVMでマネージドディスクとアンマネージドディスクの両方を同時に使うことは不可。どちらかに揃える必要がある。
  • Gen2のVMはマネージドディスクのみ対応
  • VMを可用性ゾーンで作成する場合はマネージドディスクのみ対応

など、マネージドディスクのリリース後に追加された機能は、アンマネージドディスクでは使えないものが多いです。
こういった運用上の面からもマネージドディスクの利用をお勧めします。

アンマネージドディスクの使いどころ

思いつく唯一のアンマネージドディスクの利点についてですが、価格面でメリットを出せる場合があります。
アンマネージドディスクのPremiumおよびマネージドディスクはデプロイしたサイズで料金が決まりますが、 アンマネージドディスクのStandardのみ、実際に利用しているデータ容量 で料金が決まります。

azure.microsoft.com

とはいえ、マネージドディスクのStandard HDDと比べると微々たる差にしかならないケースが殆どですし、前述の機能上の制約からもあまりお勧めはしません。

おわりに

最近Azureを使い始めた方は混乱するかもしれませんが、新規でVMを作る場合はマネージドディスクを使いましょう、という内容でした。

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本記事の投稿者: 吉川 俊甫
AKSをメインにインフラ系のご支援を担当しています。趣味は資格取得です。
Shunsuke Yoshikawa - Credly