
エーピーコミュニケーションズ 取締役 兼 ACS事業部長の上林です。
今回初めて渡航して現地参加してきました。 速報と言うことでkeynoteで気になった点を、かいつまんで紹介しつつ感想を走り書きします(自分の興味なのでFoundryやAzureよりです)。自分の拙い英語での理解ですので誤りがありましたらご容赦。
1. 全体テーマ
基本的にはAIエージェントに移管していく、というメッセージが全体テーマとして貫かれてました。 365系とかazure系とはフラットに扱った上で、移管していくための概念と機能が発表された印象です。
2.気になったポイント
Microsoft Foundry
Microsft AI FoundryがMicrosoft Foundry(以下MS Foundry)になったようです。
Anthoropicとの提携

これが一番驚きました。AnthoropicのCPOが登場して共同発表です。
AzureでCludeのモデルが使えるになるようですね。AzureはOpenAIとCludeの両モデルに対応する唯一のクラウドでしょうか。マルチクラウド化しているOpenAIとの依存を減らすとともに、「モデル開発が我々の主戦場ではない!」というメッセージが伝わってきます。
こちらblogでも公開されてまして、AnthoropicやNVIDIAとの戦略パートナーシップも締結されて50億ドルの投資だそうです。すごい。
Intelligence layer 「Work IQ,Foundry IQ,Fabric IQ」
AIが利用する「Intelligence layer(インテリジェンス層?)」という概念が提唱されてました。ただのデータを、インテリジェンス(意味のあるデータ)に変更する層というイメージでしょうか。要はコンテキストエンジニアリングの層という理解で、RAGの代わりになるようなコンテキストをAI自動生成してくれるというイメージですね。
MCPサーバとも被ると感じましたが、回答するデータ自体をAIが独自に推論・改善してカスタマイズしていくということのようです。例えばWork IQだと自分やその組織、組織の目的などを様々な情報から補完してくれるようですね。システム的にどうなるかはわかりませんでしたが、MCPサーバの在り方自体に一石が投げられそう。
Agent365
AIエージェントを一つのユーザアカウントとして扱えるようになる機能のようです。ガバナンス対策ですね。
将来AIエージェントが一従業員のように認証が与えられるイメージが湧きました…
Foundry Control Plane
これもAgent365のFoundry版のイメージです。AIエージェントのガバナンスを統合的に管理するという機能と理解しました。
Agent Factory

Azure HorizonDB
こちらはAzureの発表ですね。フルマネージドのPostgre互換DBとのことです。OSSのPostgreSQLより3倍のスループットだそうです。
3.感想
マイクロソフトさんの戦略の凄み
しかし、マイクロソフトさん、改めてですが、本当にすごいですね。
■ペルソナ:個人利用・ビジネス利用・プロ開発まで
■システム:ローコード、プロ開発者ツール、インフラ基盤、データ基盤、セキュリティ/ガバナンス、データセンターまで
ここまでをAIエージェントを中心に川上から川下まで戦略的に統合している企業は、他のクラウドベンダーなどと比較してもないわけで、まず戦略の強さを感じます。
それでいて、なんでもかんでもカバーするというわけではありません。
EntraIDなどでもともと強いガバナンス領域は「Agent365」などのコンセプトと機能をいち早く打ち出してしっかりと抑える。一方で、AIのモデルについてはAnthoropicとの提携などエコシステムを打ち出す、と抑えるところ割り切るところをはっきりさせています。子会社のGitHubがAgentHQを打ち出し、様々なコーディング補完ツールとは勝負しなかったのと似ているとも感じました。
そしてその戦略をいち早く製品として開発する実行力。巨大企業のはずなのに、ここまでの短期間でAIエージェントを中心とした製品ラインナップとして名称含めて編成しなおし、開発仕切る機動力、それを支えるガバナンスにもっとも凄みを感じました。
2025年度も売上成長率がすごいようですが、まだまだ快進撃は続きそうですね。
AIの時代に必要なカンファレンスとは?
話は変わって、2時間の予定のKeynoteが2時間半にはみ出るなど、良い意味で熱量を感じたkeynoteでした。

「現地だからこそなにを感じたか?」、もちろん発表内容自体も良かったのですが、その前提として現地だからこそ感じる会場のでかさと行列を含めた人の多さでの「集客力」に感動したのがまず一つ。そしてAdobeのCEO、メルセデスベンツのCIO、AnthoropicのCPOなどのゲストがわざわざ一同に集合し思想的な会話をしている「リアル感」が、AI時代における未来予想の裏付けになっている印象です。
プロダクト企業としてのマイクロソフトさんのマーケティングパワーの神髄を感じました。
カンファレンスの動画もAIで簡単にサマリーされ、情報が大量に簡単に手に入る時代ですが、大量の情報の中でなにが伝達されるかは、結局その時感じた感動が大きいと思います。AI時代にこそ、ユーザに感じさせる「体験」を表現できる企業こそが生き残る、と改めて胸に刻みながら速報blogを終了とさせて頂きます。
引き続きカンファレンスを楽しんできます!
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