
ラストワンマイルの変化
こんにちは、エーピーコミュニケーションズ 0-WANの山根です。
近年、企業ネットワークの構築において「ラストワンマイル」、つまりエンドポイントとネットワークの接続部分の在り方が大きく変わりつつあります。
従来はオフィスLANやVPNを前提としたモデルが主流でしたが、テレワークやIoTデバイス、クラウドの拡大により、“どこからでも安全につながる”ことが前提となる世界に移行しています。
本記事では、通信そのものにセキュリティを統合するという発想から生まれた「Z-SIM」について紹介しつつ、これが今後のラストワンマイルをどう変革するか、私なりの考察をまとめてみたいと思います。また、広く皆様にZ-SIMの存在を知っていただき、日本のITイノベーションを加速させる一助となれば幸いです。
通信のラストワンマイルは、SIMの時代へ
これまで「ラストワンマイル」は光回線や有線LANなど物理的な接続経路を指すことが多くありました。
しかし、5GやeSIMの普及により、企業ネットワークの末端は“モバイル回線+SIM”が当たり前になりつつあります。
主なユースケースは以下の通りです
- テレワーク端末
- タブレットやモバイルPOSなどの業務端末
- 工場や物流現場のIoTデバイス
つまり、「SIMがネットワークの延長線にある」状態が、今や日常になってきているのです。
5Gや6G時代に向けたセキュリティ課題とは?
通信が便利になればなるほど、セキュリティの難しさも増していきます。具体的には次のような課題が挙げられます
- 通信内容の可視化・制御が困難になる
- VPNや固定IPに依存した境界型セキュリティの限界
- AIによるサイバー攻撃の自動化・高度化
- シャドーIT化や非管理端末の増加
こうした課題に対応するため、ゼロトラストセキュリティという考え方が広がってきました。
Zscaler Z-SIMとは?
Zscalerが提供する「Z-SIM」は、SIMカードそのものにセキュリティポリシーを組み込んだ画期的なソリューションです。
以下のような特徴があります。
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| SIM単位での識別 | 通信元が「誰か」「どの端末か」を明確に識別可能 |
| Zscaler Cloudとの連携 | VPN不要でクラウド型セキュリティを常時適用 |
| 場所に依存しない接続制御 | 海外や現場でも統一ポリシーを適用可能 |
| エージェントレスでの導入 | 設定不要、SIMを挿すだけで適用可能 |
これにより、SIMは単なる通信媒体から、企業のセキュリティ境界そのものへと進化を遂げることになります。

Z-SIMがもたらす、次世代のネットワーク像
私がZ-SIMに注目する理由は、「レジリエンス」と「ゼロトラスト」の両立が可能だからです。
- モバイルネットワークを活用した高可用性ネットワーク
- 災害や回線障害時のバックアップ通信手段としても有効
- IoTやOT領域にも展開可能(特に工場や医療、物流現場など)
さらに、ユーザーの移動・端末の変更・場所の違いに関係なく、一貫したセキュリティポリシーが適用できる点は大きな利点です。 こちらのBlog後半にもZ-SIMに関する話題がございますので合わせてご覧ください。
おわりに
Zscaler Z-SIMは、「ラストワンマイル」を“接続点”ではなく“防御点”へと変化させる力を持っています。
このようなSIMベースのセキュリティ制御は、今後のネットワークインフラにおけるスタンダードになる可能性があると感じています。
日本のMNO,MVNOがこうした技術をどのように取り入れて協業するのかという点にも注目しています。
ITインフラ通信の未来は、セキュリティと一体化していく、その先駆けがZ-SIMである。 そんな世界が、もうすぐそこに来ているのではないでしょうか。
APCでは今後もゼロトラスト事業の推進にあたって最新動向のキャッチアップに努めていきます。
インフラ領域におけるセキュリティ、ゼロトラスト領域に課題感があるお客様がおりましたらぜひご相談ください。