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学びと成長:Interop Tokyo 2025 研修レポート

はじめに

 初めまして、2025年度新卒で入社いたしました原谷光です。
 今回は先日Interop Tokyo 2025へ研修の一環で参加してきたため、そこで得た学びについて皆様に共有したいと思い、技術ブログを作成いたしました!
 私自身エンジニア3か月目の未熟者ですので、お気づきの点がございましたらコメントにてお知らせいただけますと幸いです。

目次

InteropとShowNetとは?

 Interop Tokyoは、日本最大級のインターネットテクノロジーイベントとして、毎年数多くのIT企業や技術者が集結するイベントです。そのハイライトとなるのが、会場内に構築される超大規模なライブネットワーク 「ShowNet(ショウネット)」 です。

 ShowNetは、1994年の初開催以来、リアルタイムに動作する“本物のネットワーク”として、業界最先端の技術と構成を披露するショーケースの役割を果たしてきました。ただの展示やデモにとどまらず、実際に構築・運用されるネットワーク環境である点が最大の特徴です。

 2025年のInterop Tokyoでは、製品やサービスの数が2300、エンジニア828名がShowNetに参画。企業ごとの最新技術を結集し、「2〜3年後に必要とされるネットワーク像」をリアルに体現するコンセプトネットワークが構築されました。AI、クラウド、セキュリティ、オートメーションなど、未来のインフラを支える技術が一堂に会し、来場者にとっては“未来のインターネット”を先取り体験できる場となっています。

引用元:https://www.interop.jp/2025/assets/file/e-web.pdf

実際にInterop Tokyoを訪問して

 会場でまず驚かされたのは、その圧倒的なスケールです。事前に公開されていたトポロジ図の通り、すべての機器には明確な役割があり、20台以上のラックには機能別に整理された構成機器がぎっしりと並んでいました。なかでも目を惹く以下のラック!

 まず初めに見た目のインパクトです。こちらのサーバーラックは、鮮やかな黄色の配線もさることながら、他のラックと比較してケーブルの量も多く、目に留まったというのが第一印象です。
 またこのラックは、今回のInterop Tokyoで取り上げられていた内容のうち、配線システムにおける自動化の役割を担っている機械であるスマート光スイッチが興味深いと感じました。そのため、今回のトピックとして取り上げました。スマート光スイッチについては次項で詳しく説明していきます。

引用元:https://www.interop.jp/2025/assets/file/arukikata.pdf

XSOS-576Dとは

 このラック内のスマート光スイッチは、センコーアドバンス株式会社でお取扱いのあるXENOpticsが開発したXSOS-576Dという機器です。 物理的な光ファイバ接続の切替を、完全に遠隔・自動化できるという特長を持ちます。 通常、光回線の構成変更やトラブル対応時には、技術者が現地に赴いてケーブルを差し替える作業が必要になります。しかしXSOS-576Dを用いることで、これらの繋ぎ変え作業をすべてソフトウェア経由で完結させることができます。

引用元:https://www.incom.co.jp/products/detail.php?company_id=3461&product_id=108536

 具体的には、内部に配置された光スイッチング素子を制御することで、任意のポート同士を瞬時に接続・切断でき、構成変更にかかる時間・労力・リスクを大幅に低減することが可能です。さらに、装置の制御はAPIや専用GUIから行うことができるため、ネットワーク自動化ツールとの連携も想定された設計となっています。

 このXSOSシリーズは、光パスの切替が頻繁に求められるデータセンターや、複数ベンダーが参加する展示会などの環境構築において、高い即応性と安定性を提供する重要な要素として挙げられます。

XSOS-576DのShowNet における役割

 Interop Tokyo 2025のShowNetでは、XSOS-576Dは「光配線の自動切り替え装置」として導入されていました。ShowNetのように多種多様な構成が実運用さながらに稼働している環境においては、物理配線の手動切替は時間・コスト・ヒューマンエラーのリスクを高めてしまいます。

 そこでXSOS-576Dはこの課題を解決するため、遠隔操作によるポート間の光信号の切替を実現し、再配線作業の「完全な自動化」を可能にしていました。特に展示会のように複数ベンダー間での構成切替が頻発するShowNetのような環境では、その即応性と安全性から取り入れられています。実際にこちらの機器はBest of Show Awardの準グランプリを受賞しており、このことからも本機器がShowNetにおいて重要な役割を担っていることがわかります。

引用元:https://www.interop.jp/2025/shownet/concept/

まとめ

 今回のInterop Tokyoでの体験を通じて、ネットワーク設計や運用における「自動化」の重要性を実感しました。特にXSOS-576Dのように、従来現場への訪問が必要だった領域に対しても自動化が進んでいる現場を目の当たりにし、インフラエンジニアとしての知見の幅が広がったと感じています。
 今後は業務の中でも「なぜ自動化が必要なのか」「どう導入すれば安全性・信頼性を保てるのか」といった観点を持ち、日々の構成管理や運用に取り組んでいきます。

【参考文献】 www.interop.jp cloud.watch.impress.co.jp www.incom.co.jp xenoptics.com