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【HashiConf 2024】HCP Vault Secrets アップデート速報

HashiCorp の年次イベント HashiConf 2024 の Day 2 にて HCP Vault Secrets (HVS) に多くのアップデートが発表されました!

Day 2 で発表されたアップデート情報

  • Auto-rotation (GA)
  • Dynamic Secrets (Public beta)
  • Resource-level access control (GA)
  • Audit log streaming (Public beta)
  • Plus SKU (GA)

Auto-rotation (GA)

Auto-rotation

従来、HCP Vault Secrets は静的シークレットしかサポートしていませんでした。 多くの場合、シークレットの漏洩による損害を抑えるために一定期間でシークレットをローテーションさせます。 静的シークレットを利用する場合はこのローテーションが手作業になってしまうため、ローテーション時期になると生産性が低下してしまうとのこと。

今回登場した Auto-rotation は静的シークレットとは異なるシークレットの種類となります。 30日、60日、90日の中からローテーション期間を選択でき、この期間で自動的にシークレットがローテーションされます。

また、ローテーションすることでシークレットのバージョンが更新されていきますが、2つのバージョンが使える状態になるため、アプリケーションのダウンタイムを回避できるようです。

ローテーションの例

現在サポートしているのは以下になりますが、今後追加されるとのこと。

  • AWS IAM
  • Google Cloud Service Account
  • MongoDB
  • Twilio

Auto-rotation がサポートしているサービス

この Auto-rotation は後述する HCP Vault Secrets の Plus SKU のみサポートされているようです。

Auto-rotating secret は Plus SKU のみサポート

Dynamic Secrets (Public beta)

Dynamic secrets

通常の Vault でも目玉機能となっている Dynamic Secrets(動的シークレット)が HCP Vault Secrets にも登場しました!

動的シークレットを使うことでユーザが利用したいタイミングでシークレットが作成されて、利用後にシークレットは破棄されるため静的シークレットに比べて安全です。

Vault ではデータベースなどの動的シークレットをサポートしていましたが、現時点で HCP Vault Secrets でサポートされているのは以下の認証のみとなります。

  • AWS STS
  • Google Cloud SAI
  • Dynamic creds for HCP Terraform

Dynamic secrets がサポートしているサービス

動的シークレットはパブリックベータのステータスですが、Auto-rotation と同じく HCP Vault Secrets の Plus プランのみサポートされるようです。

エンタープライズ向けアップデート

エンタープライズ向け HCP Vault Secrets のアップデート

エンタープライズ向けの HCP Vault Secrets のアップデートとして以下の機能が追加されました。

  • Resource-level access control (GA)
  • Audit log streaming (Public beta)
  • Plus SKU (GA)

上2つは HashiCorp Cloud Platform のアップデートと合わせて HCP Vault Secrets でも利用できるようになった機能です。

従来、HCP Vault Secrets は Free と Standard の2種類の SKU が出ていましたが、今回 Plus SKU が登場したことで HCP Vault Secrets を使う際の選択肢が増えました。 料金体系 Standard と同じく管理するシークレット数に依るようです。

引用元: https://www.hashicorp.com/products/vault/pricing


今回の HashiConf では HCP Vault Secrets のアップデートがフォーカスされていたと思います。 シークレット管理を始めやすいサービスなので、ぜひお試しください。