こんにちは、ACS事業部の田中です。
連日の猛暑により体力をじりじり削られています。
福岡は予想にたがわず暑く、流石は修羅の国…
しかし、そんな暑さにも負けないくらい熱いイベントが福岡で開催されていたわけです。
ということで、先日 8/3 に開催された CloudNative Days Fukuoka 2023 (CNDF2023) にスタッフとして参加してきましたので、イベントの参加レポートをお届けします。
イベント概要
2023/8/3(木)、「CloudNative Days Fukuoka 2023」が福岡の博多国際展示場カンファレンスセンターとオンラインのハイブリッド開催されました。
CloudNative Days はコミュニティ、企業、技術者が一堂に会し、クラウドネイティブムーブメントを牽引することを目的としたテックカンファレンスです。
福岡での開催は2019年の CloudNative Days Fukuoka 2019 以来、4年ぶりとなります。
開催にあたっての意気込みであったり、2019年開催時の様子はスタッフのブログで記事が上がっているので良ければご覧ください。
また、過去開催されたイベントのセッションは、CloudNative Days のポータルサイトから視聴することができます。
CNDF2023 では 3トラック計20セッションが行われました。
トラックが分かれている都合上すべてのセッションをご紹介することが難しいのですが、
当日私が参加したセッションの中からいくつかピックアップしてご紹介したいと思います。
セッションレポート
現場の課題に向き合うために大切にしていること
キーノートセッション1つ目、株式会社クアンドの Takanoさんによるセッション。
「エンドユーザーの課題を解決するためにリソースをかけることができるように構築できるようにすること」を大事にしつつも、セルフマネージドな構成にし過ぎたために運用にコストがかかりすぎてしまっていた状態に対してどのような施策を行ったか、という内容をお話しいただきました。
技術的好奇心に目を向けるのではなく現場の課題に目を向けることを第一としつつも、現場の課題を解決するために必要性を感じる場合は積極的にチャレンジをしていくスタンスはとても参考になりました。
技術選定とモチベーションはいつのタイミングでもついて回る話題ですが、そのバランスをうまくとった事例として一つ参考になるのではないでしょうか。
クラウドネイティブの基盤要素、コンテナの今と未来
キーノートセッション2つ目、株式会社Preferred NetworksのKomatsuさんによるセッション。
OCIコンテナランタイムの一つである containers/youki の開発者としてなじみのある方も多いのではないでしょうか。
そんなKomatsuさんからコンテナの現状や技術要素について解説いただき、また独断と偏見で選んでいただいた今後の楽しそうなコンテナ周りの注目技術・要素について語っていただきました。
注目技術としては、WebAssembly, Lasy Pulling, OCI Runtime Specification が挙げられていました。
Linuxの機能がどんどんコンテナで使えるようになっていくのがとても楽しみになる注目技術でした。
個人的には Kubernetes API などでどのように対応されていくかも気になるところです。
"コンテナ"沼にハマりたい方もそうでない方も、ワクワクしたい方にぜひ一度見ていただきたいセッションです!
人工衛星運用システムにおけるクラウドアーキテクチャ設計
キーノートセッション3つ目、株式会社QPS研究所のTanakaさんによるセッション。
小型のSAR衛星といわれる地球観測衛星の運用におけるクラウドアーキテクチャ設計について解説いただきました。
人工衛星の運用とはざっくりと、1. 衛星に対する観測要求がくる、2. 衛星の起動を計算、3. 地上局と観測衛星のスケジュールアップリンク、4. 観測衛星が観測を行う、5. 観測データを地上局にダウンリンク、6. 地上局でデータを処理、という流れで行われているそうです。
その中で、ほとんど落とせない可用性、かなり厳しいリソース要求、地球規模での暗号化NW網の確立、かなり厳しい法令遵守をクリアするためにクラウドをどのように利用されているか、という内容をお伺いすることができました。
また人工衛星運用の未来として、衛星とTCP/IP通信通信可能な時代(!!)がやってくると語られていたのもなかなか印象的でした。
宇宙とのやり取りには非常に時間がかかるものと印象があったのですが、すごい時代になったものだ…
宇宙といえば、多くの人は心躍らせるものですよね!
人工衛星とクラウドはなかなか聞けない組み合わせかなと思います。
少しでも宇宙や人工衛星といったワードに心揺れた方には刺さること間違いなしです。
k8sgpt Deep Dive: KubernetesクラスタのAI駆動型分析について
CFPセッション、株式会社スリーシェイクのnwiizoさんによるセッション。
KubernetesクラスタのAI分析についてのセッションで、AIOpsとはなんぞやというところからK8sGPTとは何か、どういった運用イメージになるのか、という内容をご紹介いただきました。
AIOpsとはAIと運用管理の統合を指し、IT運用の効率化や自動化を可能にします。
タイトルこそK8sGPTが前面に出ていますが、今後ほかのAIOpsツールとK8sGPTを比較するためにかなり丁寧にAIOpsそのものについての導入がなされており、AIOpsの重要性と可能性を存分に味わうことができます。
また、K8sGPTそのものについても概要から内部構造、果ては現実的な運用シナリオやAIとの建設的な関わり方まで幅広く解説いただいています。
今HOTな"AI"と"クラウドネイティブ"の組み合わせについて入門するのにうってつけのセッションです!
また、弊社でも以前にK8sGPTについてブログで取り上げていますので、気になる方はぜひご覧ください。
自己診断能力の獲得を目指し
CFPセッション、株式会社リクルートのKondoさんによるセッション。
自己完結でプロダクトを届けるためのプラットフォームと文化を作るうえで、コード・システム・組織・信頼性・生産性がどの程度ヤバい・ヤバくないを自分たちで判断できるようにするための取り組みについて解説いただきました。
CloudNative が進んだことにより、特に大規模な組織において各チームが自己完結的にプロダクト開発ができるようになった一方で、各チーム間の課題や知見共有がやりにくくなっているケースもあるのではないでしょうか。
そんなケースに対し、各チームからメンバーを集めて自己診断能力について議論を行い、それを各チームに持ち帰って実践を行うというのはまさに文化的なPlatform Engineeringの事例として必見です。
おわりに
今回は全20セッションのうち5セッションを取り上げましたが、もちろんほかにも魅力的なセッション目白押しです。
すでに公開可能なものはすべて公開されているので、気になるセッションがあった方はぜひご覧ください。
私達ACS事業部はAzure・AKSを活用した内製化のご支援をしております。ご相談等ありましたらぜひご連絡ください。
また、一緒に働いていただける仲間も募集中です!
切磋琢磨しながらスキルを向上できる、エンジニアには良い環境だと思います。ご興味を持っていただけたら嬉しく思います。