APC 技術ブログ

株式会社エーピーコミュニケーションズの技術ブログです。

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目の前のペタバイト:既存のオンプレミスデータへDatabricksを拡張する

導入 — なぜ"オンプレミスのままクラウド分析"が今必要か

Ugur Tigli氏は、セッションでオンプレミスに残すデータ資産を活かしつつDatabricksの分析機能を利用するアプローチを紹介した。多くの組織でデータ主権やコンプライアンス、機密情報の扱いがクラウド移行を制約しており、データを丸ごとクラウドへ移す従来の手法ではコストや運用負荷、データ忠実度の観点で課題が残る。ここでは、DatabricksMinIOの連携で提案された「データを移動せずに分析を拡張する」アーキテクチャを技術面から整理する。

※本記事は、Data + AI Summit のセッションを現地で視聴したエンジニアが、内容をできる限り客観的に共有することを目的に、生成AIを活用して作成したものです。
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― エーピーコミュニケーションズ GDAI部 Lakehouse

問題の定義 — オンプレミスデータが抱える現実的な障壁

規制やセキュリティ要件が強い領域では、機密データをオンプレミスに置いたままにする必要があることが多い。従来はデータをクラウドへ複製して分析基盤を整備してきたが、マスキングやサブセット化に伴う精度低下、ETLの運用コスト、同期遅延といった問題が残る。こうした背景から、データを移動せずにクラウド側の分析エンジンを利用する設計が注目されている。

解決アーキテクチャの概観 — データ主権を保ちながらDatabricksを活用する方法

オンプレデータ連携拡張

紹介された設計は、オンプレミスのMinIO上にIcebergテーブルを配置し、メタデータを共有してDatabricks側でクエリを実行するというものだ。Tigli氏は、Databricksがこれを""open sharing""と呼んでおり、IcebergのケースではDelta SharingまたはOpen Sharingを使ってUnity Catalogにメタデータを渡すことができると説明している。データ本体はオンプレミスに残し、必要な範囲だけをクエリ時に取得することで、データ移動を最小化する。

なぜデータコピーが不要なのか:仕組みと実装の詳細

AIデータ統合基盤

ソフトウェア定義オブジェクトストレージ

鍵はテーブルフォーマットとメタデータカタログの分離にある。Icebergはメタデータとデータファイルを分離管理するため、軽量なメタデータ共有でテーブル構成を伝達できる。MinIOはS3互換APIを提供し、イレージャーコーディングなどで効率的な冗長化が可能だ。Databricks側のUnity Catalogは共有されたメタデータを参照し、クエリ実行時にオンプレミスのMinIOへアクセスして対象データのみを取得する。この接続では認証・認可をセッション単位で扱い、クラウド側へはクエリ結果だけを一時的に転送する運用が想定されている。

Tigli氏はセッションで、メタデータと必要部分のみを移送することで同期や応答性能が改善される点を示した。さらに、MinIOのサーバーサイドでの絞り込み(S3 Select相当の機能)などを組み合わせればネットワーク転送量を抑えられる可能性があると述べている。

AIワークロードについては、DatabricksとNVIDIAの協業などを踏まえ、エージェント型AIが生む中間データやキャッシュをオンプレミスのオブジェクトストレージへオフロードする運用が紹介された。GPUメモリを効率化しながら大規模推論や学習を支える方策として検討されている。

ビジネスインパクトとユースケース — どのような組織で何が変わるか

この方式は、金融・ヘルスケア・公共セクターなどデータ規制が厳しい領域で効果が期待できる。ストレージの重複を減らしつつ、データ忠実度を維持した分析が可能になるため、マスキング等による精度低下を回避できる場面がある。TCO改善やリアルタイム性の向上、ETL運用負荷の軽減も見込めるが、具体的な効果は環境やワークロードに依存するため、事前評価が重要だ。

PoCは単一VMとMinIOを使って短期間で始められるケースがある。既存データをIceberg互換の形式に整形するツールも利用できるため、段階的に検証しつつ本番へ展開するのが現実的だ。

実装へのロードマップと次のアクション

短期的には、オンプレミスデータをIceberg形式へ整備し、MinIO上でのクエリ性能とセキュリティ性を検証する。測定すべき指標はクエリレイテンシ、転送量、運用工数などだ。中期的にはUnity Catalogとの連携を整え、認証・アクセス制御やネットワーク要件を本番基準へ合わせる。運用チームのトレーニングと監視体制の整備も並行する。長期的には構造化/非構造化データを統合したAIプラットフォームや、エージェント型AIの中間データ運用を確立することで、オンプレミス資産を最大限に活用できる体制を目指す。