【第二部】Zenith Live 2026 新機能まとめ
こんにちは、エーピーコミュニケーションズ 0-WANの山根です。 前回の第一部では、Zenith Live 2026 Day1 Keynoteの全体像として、今年の大きなテーマである 「Zero Trust Everywhere」 についてご紹介しました。 第二部となる今回は、皆様が一番気になっている、Zenith Live 2026で発表された新機能や製品アップデートを中心に整理していきます。 今回の発表は非常に情報量が多く、特にAI Security関連はかなり大きな進化がありました。 一言で表現すると、Zscalerはこれまでの「ユーザーアクセスを守るZero Trust」から、「AI/Agent/MCP/データ/ID/拠点/IoT/OT/B2B接続まで含めたZero Trust Platform」 へと進化しようとしているように感じました。 本記事では技術解説に踏み込みすぎず、まずは「今回何が発表されたのか」を中心に整理します。 少々ボリュームありますが是非最後までご覧ください!
ZenithLive26全リンク集
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今回の発表で最も大きかったテーマ
今回の新機能発表で中心となっていたのは、間違いなく 「Zscaler Zero Trust AI Security」 です。 AI活用が企業に急速に広がる中で、ZscalerはAIを単なる新しいアプリケーションとして扱うのではなく、「新しいセキュリティ対象」として定義していました。 これまでのAIセキュリティというと、
- ChatGPTを許可するか禁止するか
- 生成AIへ機密情報を送らせない
- DLPでプロンプトを監視する
といったイメージが強かったと思います。しかし今回の発表では、その範囲が大きく広がっていました。
対象は、
- AIアプリ
- AI Agent
- MCP Server
- AIモデル
- データセット
- ローカルLLM
- ブラウザ拡張
- ソースコード内のAI利用
- クラウド上のAI資産
- AIが利用するIDや権限
まで含まれています。 つまり、ZscalerはAI利用を単に制御するのではなく、企業内のAIエコシステム全体を可視化し、管理し、制御するプラットフォームを目指しているように感じました。
Zscaler Zero Trust AI Securityの全体像
今回のAI Security関連の発表は、大きく以下の3つの流れで整理できます。
- AI Asset Management
- AI Access Graph
- AI Guard/Secure AI Access
さらに、それらを支える機能として、
- AI Broker
- MCP Broker
- AI Endpoint Security
- AI Red Teaming
- Prompt Hardening
などが紹介されました。
イメージとしては、
AI Asset Management ↓ AI Access Graph ↓ AI Broker/AI Guard ↓ Secure AI Access
という流れです。
まずAI資産を発見し、次にAIとデータ・ID・権限の関係性を理解し、最後にポリシーで制御する流れが、今回の発表全体を理解する上で非常に重要だと感じました。
AI Asset Management
最初に紹介された大きな機能が AI Asset Management です。 これは名前の通り、企業内に存在するAI資産を発見・管理する機能です。 今回の発表で特に印象的だったのは、可視化対象が非常に広いことです。
従来であれば、AI利用の可視化というと、
- ChatGPT
- Claude
- Gemini
- Copilot
などの主要な生成AIサービスを把握する程度だったと思います。 しかし今回紹介されたAI Asset Managementでは、それだけではありません。 対象には、
- Public AI Apps
- AI Agent
- MCP Server
- Local AI Model
- Browser Extension
- AI Assistant
- Dataset
- Source Code Repository
- Public Cloud上のAI Asset
などが含まれていました。 特にインパクトがあったのは、可視化対象のPublic AI Appsが300種類から2,900種類以上へ拡張されたという点です。
企業で使われるAIは、もはやChatGPTだけではありません。 開発者であればCursorやCodex、WindsurfのようなAIコーディング支援ツールを使うかもしれません。 業務部門では、SaaSに組み込まれたAI機能を使っているかもしれません。 また、ローカル端末上にOllamaやLM Studioなどを導入し、ローカルLLMを動かすケースも増えていくと思います。 つまり、これからの課題は「ChatGPTを使わせるか、止めるか」 ではなく、「企業内でどのAIが、どこで、誰によって、どのように使われているかを把握すること」になっていきます。 これは従来のShadow ITに近い考え方ですが、今回の発表では明確に Shadow AI として捉えるべきだと感じました。
AI Agent Inventory
AI Asset Managementの中で特に面白かったのが、AI Agent Inventory です。 AI Agentを一覧化し、
- どのFrameworkで作られているか
- どのEnvironmentで動いているか
- どのAccountに紐づいているか
- Riskはどの程度か
- Sensitive Dataへアクセスしているか
- Guardrailsが設定されているか
といった情報を確認できる画面が紹介されました。 これまでの資産管理は、
- PC
- サーバ
- クラウドリソース
- アプリケーション
を管理するものでした。 しかしAI時代には、AI Agentそのものを資産として管理する必要があります。 これは非常に大きな変化だと感じました。
ソースコードからAIリスクを発見
さらに興味深かったのが、ソースコードリポジトリのスキャンです。 GitHub、GitLab、Bitbucketなどを対象に、ソースコード内でAI AgentやAI Frameworkがどのように使われているかを発見するデモが紹介されました。 例えば、
- LangGraph
- CrewAI
- AutoGen
- AI SDK
- MCP関連コード
などを検出し、そこからAIリスクを把握する流れです。 これは、開発者が知らないうちにAI Agentを組み込んでいたり、十分なGuardrailsなしにAI機能を実装していたりするケースを見つける上で非常に有効だと感じました。 AIアプリケーションは、完成してから守るのでは遅いです。 今後は、ソースコードの段階からAIリスクを発見するという考え方が重要になっていくと思います。
ローカルAIモデルの可視化
もう一つ印象的だったのが、ローカルAIモデルの可視化です。 端末上で動作する
- Ollama
- LM Studio
- Hugging Face系モデル
- ローカルLLM
- AI Assistant
などを検出する機能が紹介されました。 企業側から見ると、従業員がローカル環境でどのようなモデルを動かしているかは把握しにくい領域です。 しかし、ローカルモデルであっても、
- 機密情報を読み込んでいる
- 危険なモデルファイルが含まれている
- NSFWモデルが業務端末上で動作している
- 不正なPickleファイルが含まれている
といったリスクがあります。 デモでは、悪意あるモデルファイルを検出するような画面も紹介されていました。 従来のEDRでは見えにくかった 「端末上のAI利用」 に対して、Zscalerが踏み込んできた点は非常に興味深いです。
AI Access Graph
今回の発表の中で、私が最も注目したのが AI Access Graph です。 AI Asset Managementが「何が存在しているか」を発見する機能だとすると、AI Access Graphは、AIが何にアクセスできるのかを可視化する機能です。 従来のアクセス管理では、
User ↓ Application ↓ Data
という関係を考えれば十分なケースが多かったと思います。 しかしAI時代では、関係性が一気に複雑になります。
User ↓ AI Agent ↓ MCP Server ↓ Tool ↓ Application ↓ Data
さらに、AI Agentが別のAgentを呼び出したり、MCPを経由して複数のシステムへアクセスしたりするようになると、全体像を人間が把握することは非常に難しくなります。 そこで登場するのがAI Access Graphです。
Seeing AI is easy. Understanding Data & Identity Lineage with AI is hard.
AI Access Graphの説明で印象的だったメッセージがあります。
Seeing AI is easy.
AIを見ること自体は簡単。
しかし、
Understanding Data & Identity Lineage with AI is hard.
AIがどのデータやIDとつながっているかを理解することは難しい。 これは非常に本質的なメッセージだと思いました。 AIアプリを見つけるだけなら、既存のSWGやCASBでもある程度可能です。 しかし本当に難しいのは、
- そのAIがどのデータへアクセスしているのか
- どのIDで動いているのか
- どの権限を持っているのか
- どのMCP Serverを経由しているのか
- 侵害された場合にどこまで影響が及ぶのか
を理解することです。 AI Access Graphは、この複雑な関係性をグラフとして可視化し、リスクを把握するための機能として紹介されました。
Blast Radiusと過剰権限の可視化
AI Access Graphでは、単に関係性を表示するだけではなく、リスク分析にも使えるようです。 特に重要だと感じたのが、
- Blast Radius
- Overprivileged Access
- Data Permissions
- Remediate Risk
といった考え方です。 例えば、あるAI Agentが侵害された場合そのAgentがどのMCP Serverに接続できるのか、どのSaaSにアクセスできるのか、どのデータを参照できるのか、どのIDや権限で動いているのかを把握できれば影響範囲を評価できます。 これは従来のAttack Path AnalysisやCTEMにも近い考え方です。 個人的には、AI Access Graphは今後のAIガバナンスにおける中核機能になり得ると感じました。
AI Broker/MCP Broker
今回の発表では、AI Broker と MCP Broker も紹介されました。 第一部ではあまり触れませんでしたが、今回のZenith LiveではMCPというキーワードが非常に多く登場しました。 MCPの技術解説は第三部で詳しく行いますが、簡単に言うと、AI Agentが外部システムやツールと連携するための仕組みです。 例えば、
AI Agent ↓ MCP Server ↓ GitHub/Salesforce/Jira/ServiceNow など
のようなイメージです。 今回紹介されたMCP Brokerは、このMCP通信を前段で制御する仕組みです。
デモでは、MCP Server上に多数のTool Callが存在する状態で、管理者ロールに対しても最小権限のポリシーを適用し、利用できるToolを制限する流れが紹介されました。 つまり、AI Agentに対してもLeast Privilegeを適用するという考え方です。これは、従来のZTNAをAI Agent向けに拡張したようなイメージに近いと感じました。 AI Agentが増えるほど、どのAgentがどのMCP Serverへ接続しどのToolを実行できるのかを管理する必要があります。MCP Brokerは、その制御ポイントになる可能性があります。
Secure AI Access/AI Guard
AI利用時の実行時制御として紹介されたのが、Secure AI Access と AI Guard です。 これは、ユーザーがAIアプリを利用する際に、
- プロンプト
- レスポンス
- アカウント種別
- 送信データ
- コンテンツ
- 脅威
を検査し、必要に応じて制御する機能です。 例えば、
- 個人アカウントでのChatGPT利用を禁止する
- 法人アカウントのみ許可する
- 個人アカウントと法人アカウント間のコピーを制御する
- 機密情報を含むプロンプトをブロックする
- ソースコードの外部送信を防ぐ
- 不適切な出力を検知する
といった使い方が想定されます。
ここで重要なのは、従来のURL制御では不十分だという点です。 例えば、単純に「chatgpt.com を許可するか禁止するか」ではなく、「誰が・どのアカウントで・どのAIを使い・どのデータを送信し・どのような応答を受け取ったか」を見て制御する必要があります。 これはAI時代の新しいアクセス制御だと感じました。
OpenAI/Anthropic Compliance API連携
Secure AI Accessの一部として、OpenAIやAnthropicのCompliance APIとの連携も紹介されました。 これにより、AIチャットやAI利用に対して、
- Threat Protection
- Content Moderation
- Data Protection
を適用する考え方が示されていました。従来のインラインDLPだけではなく、AIサービス側のAPIとも連携し、利用後の監査や検知を行う方向性です。 AI活用が企業に深く入り込むほど、ブラウザ通信だけを見ていても不十分になる可能性があります。 このようなAPI連携は、今後さらに重要になりそうです。
AI Endpoint Security
AI Endpoint Securityも大きなトピックでした。 今回の発表では、端末上のAI利用として、
- Browser
- Copilot
- Native Agent
- Cursor
- Codex
- Windsurf
- Claude Desktop
- Local LLM
- Browser Extension
などが対象として紹介されました。 従来のエンドポイントセキュリティは、マルウェアや不審なプロセスを検知することが中心でした。 しかしAI時代では、端末上でどのAIが動いているのかを把握する必要があります。 例えば、
- ブラウザ拡張として動くAI
- IDEに組み込まれたAI
- ローカルで動くAIモデル
- ユーザー端末上のAI Agent
などです。
この領域は今後非常に重要になると思います。 特に開発者向けAIツールは急速に普及しており、ソースコードや機密情報を扱う可能性も高いため、早い段階で可視化と制御を検討する必要があると感じました。
AI Red Teaming
AI Red Teamingも今回の注目ポイントでした。 対象は、
- AI Models
- AI Apps
- MCP Servers
- AI Agents
です。 従来のRed Teamingは、人間がアプリケーションやインフラに対して攻撃シナリオを試すものでした。 しかしAIアプリやAI Agentが増えると、
- Prompt Injection
- Jailbreak
- Data Leakage
- Hallucination
- Unsafe Tool Use
- MCP経由の不正操作
など、AI特有のリスクを検証する必要があります。 今回の発表では、5,000以上の攻撃シミュレーションや、MCP Red Teaming、Prompt Hardeningなどが紹介されました。
AIアプリケーションは、作って終わりではありません。 継続的に攻撃テストを行い、プロンプトやガードレールを改善していく必要があります。 これは今後、AI開発やAI導入における重要なプロセスになると思います。
Prompt Hardening
Prompt Hardeningは、プロンプトやガードレールを強化するためのサービスとして紹介されました。 AI Red Teamingで見つかったリスクをもとに、
- プロンプトが十分に安全か
- ガードレールが適切か
- どのように改善すべきか
を評価する機能です。 個人的には、この機能はAIを内製している企業や、AI Agentを業務に組み込もうとしている企業にとって非常に重要になると思います。 AIの安全性は、モデルだけで決まるものではありません。プロンプト、ガードレール、権限、接続先、データアクセスがすべて関係します。 そのため、Prompt Hardeningのような取り組みは今後さらに注目されるはずです。
Bring Your Own Detector
もう一つ面白かったのが、Bring Your Own Detector という考え方です。 これは、Zscaler独自の検知器だけではなく、既存の検知ロジックや他製品のDetectorを活用できるようにする構想です。 発表では、AWS Bedrock Guardrailsなどとの連携例も紹介されていました。 AIセキュリティの領域はまだ発展途上であり、検知ロジックも企業ごとに異なる可能性があります。 そのため、既存の投資を活かしながらAI Guardに組み込める考え方は非常に実用的だと感じました。
Agentic SecOps
AI関連の発表では、Agentic SecOpsという考え方も紹介されました。 流れとしては、
Connect Your Data ↓ Detect Active Threats ↓ Apply Agents ↓ Closed-loop Remediation
というものです。 従来のSecOpsでは、ログを集め、アナリストが調査し、手動で対応するケースが多くありました。 しかし今後は、AI Agentが脅威を検知し、分析し、対応まで支援する世界が広がっていくと考えられます。 もちろん全てをAIに任せるわけではありませんが、膨大なログやシグナルの中から重要なものを見つける上で、AIの活用は避けられないと感じました。
AIだけではない。Zero Trust Everywhereの新機能
ここまでAI Security関連を中心に整理してきましたが、今回のZenith LiveではAI以外の領域にも大きなアップデートがありました。 第一部でも触れた通り、今回のテーマは Zero Trust Everywhere です。 つまり、ユーザーだけでなく、拠点、IoT/OT、SIM、B2B接続までゼロトラストの対象として拡張されています。
Zero Trust Branch
弊社0-WANチームも得意とするZero Trust Branchでは、拠点ネットワークの考え方が大きく変わります。 印象的だったのは、
Every branch should be like a Starbucks.
というメッセージです。 従来の拠点ネットワークでは、
- SD-WAN
- Firewall
- VLAN
- NAC
- MPLS
- VPN
などを組み合わせて、拠点を「社内ネットワークの一部」として扱ってきました。 しかしZscalerは、拠点を信頼するのではなく、インターネット前提で個別にアクセスを制御する方向へ進んでいます。 AirGap Networksの技術を取り込み、オフィス内の各デバイスを個別のネットワーク領域として扱う考え方も紹介されました。
個人的には、Zero Trust Branchは日本市場でも非常に可能性があると感じています。 多拠点企業や店舗展開を行う企業では、拠点ごとのFirewallやネットワーク機器の管理負荷が課題になるケースが多くあります。 そのような環境に対して、Zero Trust Branchは新しい選択肢になり得ると思います。
Zero Trust IoT/OT
IoT/OT向けのゼロトラストも大きなトピックでした。 工場設備やセンサー、カメラ、PLCなどは、従来のIT端末とは異なり、エージェントを入れることが難しい場合があります。 また、工場ネットワークでは構成変更が難しく、VLAN変更やFirewall追加が簡単にできないケースもあります。 今回紹介されたZero Trust IoT/OTでは、
- VLAN変更不要
- East-West Firewall不要
- エージェント不要
- 横展開リスクの削減
といった考え方が示されました。
これは製造業や重要インフラ領域にとって非常に興味深い内容です。 ゼロトラストはPCやユーザーだけの話ではなく、工場や設備にも広がっていく可能性を強く感じました。
Zero Trust SIM
以前から注目しているZero Trust SIMも非常に面白い発表でした。 対象としては、
- ATM
- 自動販売機
- EV充電器
- 車両
- 監視装置
- センサー
などが想定されていました。 従来であれば、
SIM ↓ VPN ↓ データセンター
のような構成が多かったと思います。 しかしZero Trust SIMでは、
SIM ↓ Zero Trust Exchange ↓ 必要なアプリケーション
という考え方になります。 特徴としては、
- No Agents
- No VPN
- SIMベースでのゼロトラスト通信
が紹介されていました。
個人的には、Z-SIMはこれからの日本のモバイルセキュリティを強化する起爆剤だと思っています。 エージェントを導入できないデバイスや、遠隔地に多数展開されるデバイスに対して、ゼロトラストをどう適用するか。 ウェアラブル端末やM2M、IoTデバイスとの連携などのセキュリティをどう守るか。 その一つの回答として、Zero Trust SIMは非常に面白いアプローチだと思います。
Zero Trust B2B
Zero Trust B2Bも日本企業にとって非常に重要なテーマだと感じました。 多くの企業では、グループ会社、協力会社、外部委託先、販売パートナーなどとの接続にVPNが使われています。 しかし、VPNでネットワークを接続すると、必要以上に広い範囲が見えてしまうリスクがあります。 今回紹介されたZero Trust B2Bでは、ネットワークを接続するのではなく、必要なアプリケーションだけを接続するという考え方が示されました。
近年はサプライチェーン経由の攻撃も増えており、取引先接続をどのように安全にするかは非常に重要な課題です。 Zero Trust B2Bは、その解決策の一つとして今後注目されると感じました。
AWS/OpenAIとの連携
今回のKeynoteでは、AWSやOpenAIとの連携も大きく取り上げられていました。 AWS関連では、
- Amazon Bedrock
- SageMaker
- AgentCore
- AWS Security Lake
- AWS Marketplace
などとの連携が紹介されました。 AIワークロードがAWS上で動くケースは多く、ZscalerがAWSと連携することで、AI時代のセキュアな基盤を提供する狙いがあるように感じました。
OpenAI関連では、ChatGPTとCodexの統合について紹介されていました。 CodexのWeekly Active Usersが短期間で大きく増加していることも紹介され、AI AgentやAIコーディング支援の利用が急速に広がっていることを実感しました。 AIは単なる業務効率化ツールではなく、開発やセキュリティ、業務プロセス全体に入り込んでいく段階に来ていると感じました。
今回の新機能を整理すると
今回の新機能を整理すると、以下のようになります。
| 領域 | 主な内容 |
|---|---|
| AI Asset Management | AIアプリ、AI Agent、MCP、Local LLM、ソースコード、クラウドAI資産の可視化 |
| AI Access Graph | AI、データ、ID、権限、MCPの関係性をグラフで可視化 |
| AI Broker/MCP Broker | AI AgentやMCP通信を制御する接続基盤 |
| Secure AI Access/AI Guard | プロンプト、レスポンス、DLP、アカウント制御、Runtime Protection |
| AI Endpoint Security | 端末上のAIアシスタント、ローカルモデル、ブラウザ拡張を可視化・制御 |
| AI Red Teaming | AIモデル、AIアプリ、MCP、Agentに対する攻撃シミュレーション |
| Prompt Hardening | プロンプトやガードレールの改善支援 |
| Zero Trust Branch | 拠点ネットワークのゼロトラスト化 |
| Zero Trust IoT/OT | 工場設備やIoT機器のゼロトラスト化 |
| Zero Trust SIM | SIMベースでのゼロトラスト通信 |
| Zero Trust B2B | 取引先接続のゼロトラスト化 |
こうして見ると、今回の発表は単なるAI機能追加ではありません。 Zscalerは、AI時代のあらゆる接続をZero Trust Exchange上で制御するという方向へ進んでいるように見えます。
山根が注目したポイント
今回の新機能発表の中で、私が最も注目したのは AI Access Graph です。 AI GuardやAI Brokerも非常に重要ですが、多くの企業にとって最初の課題は、AIをどう制御するかではなく、AIがどこに存在し、何に接続し、どのデータへアクセスしているか分からないことだと思います。 その意味で、AI Asset ManagementとAI Access Graphは非常に重要です。 AI利用が進むほど、
- AI Agent
- MCP
- データ
- ID
- 権限
- SaaS
- Cloud
- Endpoint
の関係性は複雑になります。 この関係性を可視化できなければ、AIを安全に活用することは難しいと思います。 今回の発表を通じて、AI SecurityはChatGPT対策からAIガバナンス基盤へ進化していることを強く感じました。
第二部まとめ
第二部では、Zenith Live 2026で発表された新機能を中心にご紹介しました。 特に大きなテーマは、Zscaler Zero Trust AI Securityです。 今回の発表では、AIを単なるアプリケーションとして扱うのではなく、
- AI資産を発見する
- AIとデータ・ID・権限の関係性を可視化する
- AI AgentやMCP通信を制御する
- AI利用時のプロンプトやレスポンスを保護する
- AIアプリやAgentを継続的にテストする
という、AI時代のセキュリティ全体像が示されました。
またAIだけではなく、
- Branch
- IoT/OT
- SIM
- B2B
にもゼロトラストが広がっており、まさに Zero Trust Everywhere というテーマが具体化された発表だったと感じます。
第三部では、
- MCPとは何か
- MCP Serverとは何か
- AI Agentとは何か
- AI Access Graphとは何か
- AI Brokerとは何か
など、今回の発表を理解するための技術解説をお届けする予定です。 ぜひご期待ください!!!