
最近、システムの「オブザーバビリティ(可観測性)」への関心が高まっています。
今回はその学習の一環として、Microsoft Learn(以下、MS Learn)のハンズオンを通じて、Azureのモニタリングツールである Application Insights を触ってみました。
MS Learnのハンズオンは、とてもスムーズに進められるのでお勧めです。
その中でも、一部ハンズオン通りにいかない箇所や自分の視点で検証したことがあるので、それらを中心にまとめたいと思います。
目次
- 目次
- 参考にしたリソース
- 検証日時
- 使用したリソースの構成(パラメータ)
- 「Blazor」とは
- ハンズオン手順で躓いたところ
- 検証:取得できたデータと可視化
- 深掘り:調べたこと・気づいたこと
- 今回の検証で掛かった費用
- まとめ
- お知らせ
参考にしたリソース
今回利用したMS Learnのラーニングコースと、その中で公開されているハンズオン資料になります。
Microsoft Learn: Application Insights を使用したソリューションのトラブルシューティング
ハンズオン手順:Monitor an application with autoinstrumentation
検証日時
2026年3月2日時点の情報になります。
使用したリソースの構成(パラメータ)
今回のハンズオンで作成・設定した主なパラメータは以下の通りです。
リソースグループ名以外は、ドキュメント通りです。
| 項目 | 設定値 / パラメータ | 備考 |
|---|---|---|
| リソースグループ | tomi-rg-WebApp | 後で簡単に削除できるように新規作成 |
| App Service プラン | F1 (Free) ) | 検証用のため低コストプランを選択 |
| ランタイムスタック | .NET 8.0 (LTS) | ハンズオンの対象言語 |
| 地域 (Region) | Canada Central | デフォルトの設定 |
| Application Insights | 有効 (Enabled) | これが今回のメイン設定 |
| OS | Windows | - |
「Blazor」とは
ハンズオンの中で出てくる「Blazor」とは、Microsoftが提供する、C#言語でWebアプリを開発できるフレームワークです。
このドキュメントで使われているBlazor Appは、Application Insightsを試すための「テスト用のサンプルアプリ」です。
このアプリを動かすことで、自動でアクセス数やエラーなどのデータがAzureに送られます。
ハンズオン手順で躓いたところ
躓くポイントはほとんどありませんが、細かな部分で個人的に少しあったので書きます。
まず、社内のAzure検証環境では使用上の制約条件があり、リソースを作成することができませんでした。
(具体的には、Application Insightsの有効化ができない、限られたリージョンしか選択できない、などです)
そのため、個人用のAzure環境を利用しました。
ハンズオン手順では、以下の箇所がどこにあるか探しました。
Deploy the app to App Service
When the deployment is completed, select the link in the Default domain field located in the Essentials section to open the app in a new tab in your browser.
【日本語訳】
展開が完了したら、[Essentials] セクションにある [Default domain] フィールドのリンクを選択して、ブラウザの新しいタブでアプリを開きます。
Azureを日本語で利用している場合、「[Essentials] セクションにある [Default domain] フィールド」は、以下の箇所になります。
[Application Insights] > [要点(≒Essentialsセクション)] > [既定のドメイン]
また、以下の箇所でも同じです。
[Application Insights] > [概要] > [プロパティ] > [既定のドメイン]

View metrics in Application Insights
In the left-navigation expand the Investigate section and select Failures. It displays the failed request count along with more detailed information about the response codes for the failures.
【日本語訳】
左側のナビゲーションで「調査」セクションを展開し、「失敗」を選択します。失敗したリクエストの数と、失敗のレスポンスコードに関する詳細情報が表示されます。
こちらは以下の箇所です。
[Application Insights] > [調査] > [障害]

検証:取得できたデータと可視化
実際にハンズオンで確認できた内容をまとめます。
Web アプリ側のメトリックを確認する
まずApplication Insightsではなく、Webアプリ側の[監視中]タブから標準で確認できるメトリックのグラフを確認しました。
送受信グラフ、HTTP 5xx エラーのウェジェットが確認できました。

また、「すべてのメトリックを表示する」から特定のメトリックを検索することもできます。
ハンズオンの中で「HTTP 4xx」を意図的に発生させたので、そのメトリックグラフを確認しました。

Application Insights でメトリックを表示する
続いて本題のApplication Insights側のメトリックを確認しました。
[概要]では、以下が標準で確認できました
- 失敗した要求
- サーバーの応答時間
- サーバー要求
- 有効

深掘り:調べたこと・気づいたこと
ハンズオンでは、それ以外の情報については各自で気になる箇所を確認するようにとなっています。
個人的に気になった箇所を確認していきました。
アプリケーションダッシュボード
アプリの現在の状況をより詳細なグラフや数値で一覧表示するダッシュボードが提供されています。
このダッシュボードをチームに共有して確認することも可能です。

アプリケーションマップ
アプリがどのDBにアクセスしているか、外部APIを呼んでいるかなどがグラフィカルに表示されます。
このハンズオンではWebアプリ単体のリソースしか存在していないので、ちょっと有用性がわかりづらいかもしれませんが、「どこで遅延が起きているか」が一目でわかります。

ライブ メトリック
今まさにアプリにアクセスしているユーザーの挙動や、CPU使用率がリアルタイムで流れてきます。
デプロイ直後の動作確認に非常に強力です。

トランザクションの検索
「特定のエラーがどのタイミングで、どの処理で発生したか」をエンドツーエンドで追跡できます。
今回のハンズオンリソースでは処理が単発で完結してしまうので、こちらも有用性がわかりづらいかもしれませんが、「一連の流れ(トレース)」を時系列で追えることは非常に強力です。

パフォーマンス
「どの機能が遅いのか?」を特定し、その原因が「自分のプログラム」にあるのか「外部のデータベースやAPI」にあるのかを切り分けるための分析ツールです。
各処理にかかった時間やカウントがテーブルで確認できます。
右下にある「分析情報」では、Azure側のアルゴリズムやAIがデータを分析し判断した結果を表示してくれています。
これによって、対処策のヒントを素早く見つけることが可能となります。

Dashboard with Grafana
Azure Application Insights で収集したデータを、オープンソースの可視化ツールである 「Grafana(グラファナ)」 を使って表示・分析する機能です。
カスタマイズ性の自由度が高く、他のシステムとも連携できます。
標準でいくつかのダッシュボードが用意されていました。

リソースビジュアライザー
Application Insightsがどのリソースに紐付いているか(依存しているか)という「リソースの構成」を表示しています。
ハンズオンのリソースでは、収集したテレメトリ(ログやメトリクス)を保存するLog Analytics ワークスペースとの構成を表示しています。

補足:Webアプリ側のリソースビジュアライザー
Webアプリ側にもリソースビジュアライザーがあります。
こちらはWebアプリが稼働するために直接依存しているインフラ要素を表示しています。

今回の検証で掛かった費用
このハンズオンドキュメントには、検証自体は20分で完了するとの記載がありました。
今回は証跡を取りつつ、数時間かけて検証を行いました。
その前提で、検証の翌日にコスト分析で確認しました。
サービスやロケーションでは、今回利用したリソースの項目が表示されているものの、ほとんど料金はかからなかったようです。

まとめ
Application Insightsを活用すれば、アプリの挙動からインフラの依存関係までを直感的に可視化し、トラブルの予兆をいち早く察知できます。
まだApplication Insightsを触ったことがない、触ってみたいという方は、このハンズオンを通じてぜひ体感してみてください。
そんな方にこの記事が届き、少しでも参考になれば幸いです。
お知らせ
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