はじめに
こんにちは!クラウド事業部の志賀です。
この記事では、Oracle Cloud Infrastructure のコンピュートインスタンスにブロックボリュームをアタッチする方法を載せたいと思います。
例えばアプリケーションのデータや大量のログ、バックアップファイルなどを保存するためにストレージを拡張したいといったニーズに柔軟に対応できるのが今回ご紹介する「ブロックボリューム」だと思います。
OCIを使い始めた方向けに操作方法やアタッチタイプの選択の参考になれば幸いです。
アタッチタイプの選択肢
先ずブロックボリュームをアタッチするには、主に2つの接続方法がありますので、簡単にご紹介します。
項目 | iSCSIアタッチメント | 準仮想化アタッチメント |
---|---|---|
説明 | ボリュームとアタッチされたインスタンスとの間の通信に使用されるTCP/IPベースの規格 | VMで使用可能な仮想化アタッチメント |
パフォーマンス (IOPS) | 高い | iSCSIに比べて低い ブロック・ボリュームが比較的大きい場合、低下する可能性がある。 |
設定の容易さ | 普通 (OS内で iscsiadm コマンドの実行が必要(Oracle Cloudエージェント利用で省略可)) |
容易 (追加コマンド不要、すぐに利用可能) |
主な利用シーン | ● ベアメタルインスタンス ● 古いOSイメージのVM ● 高い性能が求められるケース |
● 比較的新しいOSイメージのVM ● 構成の手間を省きたい場合 |
ハンズオン!ブロックボリュームのアタッチ手順
ここからは、実際のコンソール画面をイメージしながら、ブロックボリュームの作成からアタッチまでの手順を見ていきましょう!
Step 1: ブロックボリュームの作成
- 画面左上の三本線の「ナビゲーションメニュー」 > 「ストレージ」 > 「ブロック・ボリューム」へ移動します。
- 名前、サイズ、パフォーマンス(VPU)などを設定します。
※今回サイズは「デフォルト」にしていますが、50GBより大きくしたい場合は「カスタム」を選択します。(サイズは50 GBから32,768 GB (32 TB)までである必要があります。) - 「ブロック・ボリュームの作成」をクリックします。



Step 2: インスタンスへのアタッチ
- 作成したブロックボリュームの詳細画面から画面左下のリソース部分の「アタッチされたインスタンス」をクリックします。
- 「インスタンスにアタッチ」をクリックします。。
- アタッチメント・タイプで「ISCSI」または「準仮想化」を選択します。
- アクセスタイプ、アタッチするインスタンスの設定などをします。
- 「アタッチ」を実行します。
🔸準仮想化


🔸ISCSI
「Oracle Cloudエージェントを使用して、ISCSIでアタッチされたボリュームに自動的に接続します」を選択した場合は、インスタンスの管理画面から「ブロック・ボリューム管理」を有効にしておく必要があります。
(インスタンスの管理画面へのアクセスは画面左上の三本線の「ナビゲーションメニュー」 > 「コンピュート」 > 「インスタンス」 > 「対象インスタンス」 > 「管理タブ」の「Oracle Cloudエージェント」です。)



Step 3: インスタンスOSでの接続と認識(iSCSIの場合のみ)
※この手順はStep2で準仮想化アタッチとiSCSIで「Oracle Cloudエージェントを使用して、iSCSIでアタッチされたボリュームに自動的に接続します」を選択した場合では不要です。
- インスタンスにSSHでログインします。
- アタッチしているブロックボリュームの詳細画の「アタッチされたインスタンス」からインスタンスの「・・・(縦三点)」をクリックし、「iSCSIコマンドおよび情報」をクリックします。表示されたiSCSI接続コマンドをコピー&ペーストして実行します。実行結果から「sdb」が認識されたことが分かります。


[opc@vm1 ~]$ lsblk
NAME MAJ:MIN RM SIZE RO TYPE MOUNTPOINTS
sda 8:0 0 46.6G 0 disk
├─sda1 8:1 0 100M 0 part /boot/efi
├─sda2 8:2 0 2G 0 part /boot
└─sda3 8:3 0 44.5G 0 part
├─ocivolume-root 252:0 0 29.5G 0 lvm /
└─ocivolume-oled 252:1 0 15G 0 lvm /var/oled
[opc@vm1 ~]$
[opc@vm1 ~]$ sudo iscsiadm -m node -o new -T iqn.2015-12.com.oracleiaas:d30da6f4-76a4-4d2f-ae5e-fc5f4428b40b -p 169.254.2.2:3260
New iSCSI node [tcp:[hw=,ip=,net_if=,iscsi_if=default] 169.254.2.2,3260,-1 iqn.2015-12.com.oracleiaas:d30da6f4-76a4-4d2f-ae5e-fc5f4428b40b] added
[opc@vm1 ~]$ [opc@vm1 ~]$ sudo iscsiadm -m node -o update -T iqn.2015-12.com.oracleiaas:d30da6f4-76a4-4d2f-ae5e-fc5f4428b40b -n node.startup -v automatic
[opc@vm1 ~]$
[opc@vm1 ~]$ sudo iscsiadm -m node -T iqn.2015-12.com.oracleiaas:d30da6f4-76a4-4d2f-ae5e-fc5f4428b40b -p 169.254.2.2:3260 -l
Login to [iface: default, target: iqn.2015-12.com.oracleiaas:d30da6f4-76a4-4d2f-ae5e-fc5f4428b40b, portal: 169.254.2.2,3260] successful.
[opc@vm1 ~]$
[opc@vm1 ~]$ lsblk
NAME MAJ:MIN RM SIZE RO TYPE MOUNTPOINTS
sda 8:0 0 46.6G 0 disk
├─sda1 8:1 0 100M 0 part /boot/efi
├─sda2 8:2 0 2G 0 part /boot
└─sda3 8:3 0 44.5G 0 part
├─ocivolume-root 252:0 0 29.5G 0 lvm /
└─ocivolume-oled 252:1 0 15G 0 lvm /var/oled
sdb 8:16 0 50G 0 disk
[opc@vm1 ~]$
今回はOCIコンソール上での操作を取り上げますので「ディスクパーティション」や「マウント」については割愛いたします。
以降のステップはこちらのチュートリアルをご参照ください。
関連リンク
まとめ
今回はOCIブロックボリュームのアタッチ手順を紹介しました。
- 通常は「準仮想化」でよいと思いましたが、要件に応じて「iSCSI」も選択する。
- 手順通りに進めれば、さほど難しい操作もなくインスタンスにブロックボリュームのアタッチができると思います。
おわりに
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