はじめに:クラウド選定、価格だけで決めていませんか?
こんにちは、クラウド事業部の加藤です。
本日はOCIとオンプレ、その他クラウドのコストメリットを比較して紹介します。
クラウド移行が進む中で、多くの企業が「とりあえずAWS」「まずはAzure」と導入を進めてきました。しかし、いざ本格運用に入ると、想定以上のコストや想定外の運用負荷に直面するケースも少なくありません。
本記事では、オンプレミス環境と主要クラウド(AWS/Azure)と比較しながら、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)ならではの“本当のコストメリット”に焦点を当ててご紹介します。特にOracleワークロードを抱える企業にとって、OCIがなぜ最適解になりうるのか、経営層やITマネージャーの視点で解説します。
目次
- はじめに:クラウド選定、価格だけで決めていませんか?
- 1. コスト比較:オンプレ vs AWS/Azure vs OCI
- 2. Oracleワークロードにおけるクラウドの“落とし穴”
- 3. ケーススタディ:AWSからOCIに移行した製造業A社の例
- 4. TCO(総保有コスト)で見ると、OCIが“最適化”されている理由
- 5. まとめ:OCIは“Oracleユーザーにとって最も経済的なクラウド”
1. コスト比較:オンプレ vs AWS/Azure vs OCI
観点 | オンプレミス | AWS / Azure | OCI |
---|---|---|---|
初期費用 | 高(設備投資) | 低 | 低 |
ライセンス | 高(Core単位、BYOL不可も) | 高(Oracle非推奨構成で割高) | 低(BYOL対応、Core単位も優遇) |
インフラ費用 | 減価償却ベース | 高(秒単位課金だが実質単価高め) | 競争力ある単価(予測しやすい) |
可用性・拡張性 | 冗長化は手動 | オートスケール可能 | 同等機能に加え、RACやExadataがマネージドで提供 |
運用負荷 | 人手に依存 | 自動化は限定的 | 自動化・監視統合が進んでおり、少人数運用が可能 |
特にOracle Databaseを使用している企業では、OCIのライセンス設計とハードウェア親和性が大きなコスト差を生み出します。
2. Oracleワークロードにおけるクラウドの“落とし穴”
他クラウドでのよくある課題
- Oracle RACが使えず単一構成になってしまう
- サポート外構成による不具合やパフォーマンス問題
- 高額なライセンス費用(Oracle向けでないインフラでの稼働)
OCIならではの優位点
- Oracle製品のライセンスコストを抑制(Core数あたりの単価が有利)
- フルマネージドでExadataやRACが使える唯一のクラウド
- GoldenGate、Data GuardなどのHA構成もサポート済み
3. ケーススタディ:AWSからOCIに移行した製造業A社の例
背景:AWS上でOracle DBを運用していたが、ライセンス費用が高騰し、運用効率も悪化。
課題: - 複数台のEC2インスタンスでRAC相当構成を無理に再現→運用が複雑に - ストレージIO性能が不足し、夜間バッチ処理に遅延が発生
OCI移行の効果: - Exadata Cloud@Customerに移行し、パフォーマンス改善+シンプルな構成へ - 年間で30%以上のコスト削減を実現 - 運用負荷が大幅に軽減し、情シスの工数も約40%削減
4. TCO(総保有コスト)で見ると、OCIが“最適化”されている理由
- Oracle DBを動かすために最適化されたインフラ(Exadata / RAC / Data Guard)
- 専用サポートライン、Oracleとのネイティブ統合
- 利用状況に応じた柔軟な料金設計(Reserved / Universal Credits)
これらにより、見えるコストだけでなく、"見えない運用コスト"も含めて抑えられるのがOCI最大の特徴です。
5. まとめ:OCIは“Oracleユーザーにとって最も経済的なクラウド”
クラウド移行を検討する際、価格だけでなく「ワークロードの親和性」「運用体制」「拡張性」まで含めた総合的な判断が重要です。特にOracle Databaseを業務中核に据えている企業にとって、OCIは次のような選択肢となります:
- 「AWSやAzureでのOracle運用に限界を感じている」
- 「オンプレのOracleを今後どうするか悩んでいる」
- 「IT投資の最適化を経営目線で見直したい」
OCI移行は、“コスト削減”だけでなく、“運用の最適化”と“将来への拡張性”を同時に叶える選択肢です。まずは、PoCや一部ワークロードの移行から始めてみてはいかがでしょうか?
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