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【OCI】バックアップ?コピー?OCIのバックアップとクローンを使い分けよう!

はじめに

こんにちは。クラウド事業部 IaC技術推進部の飯島です。
OCIでインスタンスを使っていると「バックアップを取りたい」「別の環境に複製したい」というシーンが出てきます。そこで出てくる「バックアップ」と「クローン」。一見似ていますが、目的や挙動が異なります。
本記事では、それぞれの違いと使い分けのポイントを紹介します。

本記事の前提

本記事では「ブロック・ストレージ」におけるバックアップとクローンに触れていきます。
「ブロック・ストレージ」の他にも「オブジェクト・ストレージ」と「ファイル・ストレージ」がありますが、本記事では触れません。

ブロック・ストレージの種類

ブロック・ストレージには以下2種類のボリュームがあり、両方ともバックアップとクローンが可能です。

  • ブート・ボリューム(インスタンスの起動ディスク)
  • ブロック・ボリューム(データボリューム)

バックアップとは?

バックアップとは、ある時点のボリュームの状態を保存する機能です。
用途としては、障害時の復旧、作業前の一時的な保存などがあります。
増分バックアップにより容量を抑えたり、定期的な自動バックアップを設定できたりします。

クローンとは?

クローンとは、ある時点のボリュームをそのままの状態でコピーし、別のボリュームとして利用できる機能です。
用途としては、検証環境の作成、別インスタンスへの展開などがあります。
クローンはコピー後すぐに利用可能な点が特徴で、バックアップのようにリストア操作は必要ありません。

バックアップとクローンの比較表

比較項目 バックアップ クローン
主な目的 ボリュームの状態を保存し、必要時に復元する ボリュームの状態をコピーし、すぐに別リソースとして利用可能にする
主な用途 障害復旧、作業前の状態保存、定期バックアップ テスト環境作成、検証、開発用の一時的複製
保存先 オブジェクト・ストレージ(内部的に管理) ブロック・ストレージとして即作成
コスト効率 増分バックアップによりストレージ効率が良い 1:1のコピーなので容量も1:1(ストレージの容量消費が大きくなりがち)
即時利用可否 リストアが必要(バックアップ → ボリュームに戻す) 作成直後から利用可能(アタッチしてすぐ使える)
自動化可否 定期バックアップポリシーが利用可能 基本的には手動操作のみ

実際にやってみた

■ バックアップ

(1) バックアップ対象のボリュームを選択し、バックアップを作成 ※本記事ではブロック・ボリュームを選択

(2) バックアップのボリューム名を指定

(3) バックアップが作成されたことを確認

(4) バックアップからリストア

(5) リストア後のボリューム名を指定

(6) リストア後のボリュームが作成されたことを確認

バックアップしたボリュームは、上記のようにリストアしてからインスタンスにアタッチして利用します。

■ クローン

(1) クローン対象のボリュームを選択し、クローンを作成 ※本記事ではブロック・ボリュームを選択

(2) クローンのボリューム名を指定

(3) クローンが作成されたことを確認

クローンしたボリュームは、作成後すぐにインスタンスにアタッチできます。
バックアップと違い、リストア操作は必要ありません。

まとめ

バックアップとクローンは用途に応じて使い分けることで運用効率が向上します。

  • バックアップは「保存と復元」が目的。自動化や増分バックアップも可能。
  • クローンは「複製してすぐ使う」のが目的。検証や展開に便利。

以上、参考になれば幸いです。

おわりに

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