はじめに
こんにちは。クラウド事業部の宋です。
今回は、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)の無料ティアを活用して、
簡単に取り組めるモニタリングサービス(Monitoring)のデモを行います。
私はOCIのアカウントもを持っていなかったため、軽く作成手順も載せておきます。
クラウドリソースの使用状況を監視し、予期しないリソース使用を検知するためのアラートを設定する方法を確認しましょう。
この記事で分かること
- OCI無料ティアアカウントの設定
- モニタリングサービスの概要と準備
- コンピュートインスタンスのCPU使用量を監視するダッシュボード作成
- CPU使用量が閾値を超えた場合のアラート設定
- コスト発生を検知するアラート設定
1. OCI無料ティアアカウントの設定
OCIの無料ティアは、モニタリングサービスを含む多くのリソースを無料で提供します。モニタリングサービスは、
コンピュートインスタンスやデータベースなどのリソースのメトリクス(CPU使用率、メモリ使用量など)やコストデータを追跡し、
カスタムダッシュボードやアラートを設定できます。
アカウント作成手順
- Oracle Cloudホームページにアクセスします。
- 「無料で始める」ボタンをクリックします。
- メールアドレス、名前、住所などの基本情報を入力し、クレジットカード情報を登録します。
(カードは認証用で料金は発生しません。) - アカウント作成後、OCIコンソールにログインします。
2. モニタリングサービスの概要と準備
モニタリングサービスは、OCIリソースの状態やコストをリアルタイムで監視し、異常を検知するために使用されます。
このデモでは、無料ティアのコンピュートインスタンスを作成し、そのCPU使用量を監視するダッシュボードと、
コスト発生を検知するアラートを設定します。
2.1. コンピュートインスタンスの作成
- OCIコンソールで、左メニューのコンピュート > インスタンスに移動します。
- 「インスタンスの作成」をクリックします。(記載されてない項目は基本デフォルトで問題ない)
- 設定入力:
- 名前:
MonitoringDemo
- イメージ: Oracle Linux 8
- シェイプ:
VM.Standard.E2.1.Micro
(無料ティアで利用可能なAMDベース、1コア、1GB RAM) - ネットワーク: デフォルトVCNを使用。(なければ新しく作成をクリック)
- SSHキー: キー・ペアを自動で生成し、秘密キーのダウンロード
- 名前:
- 「作成」をクリックします。
インスタンスが「実行中」状態になったら、次のステップに進みます。
3. CPU使用量を監視するダッシュボード作成
モニタリングサービスを使って、コンピュートインスタンスのCPU使用量を可視化するダッシュボードを作成します。
3.1. メトリクスの確認
OCIコンソールで、左メニューの監視および管理 > メトリック・エクスプローラーに移動します。
Compartment: インスタンスが属するコンパートメントを選択。
- Metric namespace:
oci_computeagent
を選択。 - Metric name:
CPUUtilization
を選択。 Dimension name: 先ほど作成した
MonitoringDemo
インスタンスを選択しUpdate Chartをクリック。グラフが表示され、インスタンスのCPU使用量が確認できます。
3.2. カスタムダッシュボードの作成
- コンソールで、監視および管理 > ダッシュボードに移動します。
- 「ダッシュボードの作成」をクリックします。
- 設定入力:
- 名前:
MyResourceDashboard
- 説明: 「コンピュートインスタンスの監視用ダッシュボード」
- 名前:
- ダッシュボードにウィジェットを追加:
- 「ウィジェット」をクリック。
- Add下の+から「ウィジェットの作成」をクリック
- ソース・データの「+」アイコンをクリックしデータを追加
- メトリクスエクスプローラで先ほど確認した
CPUUtilization
メトリクスを選択。 - 作成されたソース・データをY軸にドラッグ
- グラフタイプ(例: 折れ線グラフ)を選択し、「保存・適用」をクリック。
- ダッシュボードを保存すると、CPU使用量のグラフがリアルタイムで表示されます。
インスタンスの詳細情報「モニタリングタブ」からも確認できますが、
ダッシュボードを別途作成することで、確認したい情報だけをまとめることが可能です。
4. CPU使用量アラートの設定
CPU使用量が一定の閾値(例: 50%)を超えた場合にメールで通知されるアラートを設定します。
4.1. アラートルールの作成
※3.1のメトリクスの確認を実施した後、下の「Create Alarm」から作成することも可能
- OCIコンソールで、監視および管理 > アラーム定義に移動します。
- 「Create Alarm」をクリックします。
- 設定入力:
- 名前:
HighCPUAlert
- メトリクス名前空間:
oci_computeagent
- メトリクス名:
CPUUtilization
- 条件:
greater than 50
(50%を超えた場合) - 間隔: 1分
- Define alarm notifications: 新しいトピックを作成(Create a topic)(例:
CPUNotifications
)。 - トピックに受け取る側のメールアドレスを追加し作成
- 名前:
4. 「作成」をクリックしてアラートルールを保存します。
4.2. アラートテスト
コンピュートインスタンスにSSH接続します:
ssh -i <秘密鍵のパス> opc@<パブリックIP>
CPU負荷を発生させるために、以下を実行:
yes > /dev/null & sleep 300; kill $!
CPU使用量が50%を超えると、設定したメールアドレスに通知が届きます。
補足(コスト発生アラートの設定)
無料ティア(Free Tier)を安全に使用するために、
予期しないコストが発生した場合に通知されるアラートをOCI予算の設定から実現できます。
興味がある方はこちらのページから確認してみてください。
まとめ
今回はモニタリングサービスを活用して、コンピュートインスタンスのCPU使用量を監視するダッシュボードの作成と
リソース使用量に応じるアラート設定について確認しました。
リソース監視とコスト管理は、クラウド運用を安全かつ効率的に行うための重要なステップです。
OCI無料ティアの機能を活用して、さまざまな監視シナリオを試してみてください。
私達クラウド事業部はクラウド技術を活用したSI/SESのご支援をしております。
また、一緒に働いていただける仲間も募集中です!
今年もまだまだ組織規模拡大中なので、ご興味持っていただけましたらぜひお声がけください。