目次
はじめに
Azure Load Balancerを構築するにあたっての設定プロセスと基本構成についてまとめてみました。
構築
構築手順についてはMicrosoftが出しているクイックスタートガイドを参考にしました。
learn.microsoft.com
ざっくりですが以下のような流れで設定を進めています。
- フロントエンド用のパブリックIPアドレス発行
- バックエンドプール作成
- 負荷分散ルール作成
・フロントエンドIPアドレスの選択
・バックエンドプールの選択
・プロトコルやポート設定
・正常性プローブ設定
構成のベストプラクティス
可用性と耐障害性を確保するために以下の3つのベストプラクティスが推奨されています。
※2025/03時点
learn.microsoft.com
ゾーン冗長を使用する
フロントエンドIPアドレスをゾーン冗長のPublic IPに設定することでロードバランサーもゾーン冗長構成となり、ゾーン規模の障害に対応できる構成が実装可能。バックエンドプールの冗長性を確保する
バックエンドプールに少なくとも2つ以上のインスタンスを配置する。グローバルロードバランサーを活用する
Standard Load Balancerではクロスリージョンの負荷分散がサポートされているため、リージョンで障害が発生した場合でも正常なリージョンにルーティングされる。
Azureの負荷分散サービス
今回はLoad Balancerの基本構成を整理しましたがAzureにはいくつかの負荷分散サービスが提供されています。
サービス | 機能概要 | 負荷分散の規模 | 推奨トラフィック |
---|---|---|---|
Azure Load Balancer | レイヤー4負荷分散サービス | リージョン/グローバル | 非HTTP(S) |
Azure Application Gateway | Web アプリケーション向け負荷分散サービス 機能としてWAF、SSL/TLSなども含まれている |
リージョン | HTTP(S) |
Azure Front Door | Web アプリケーション向けのグローバル負荷分散サービス 機能としてCDN, WAFも含まれている |
グローバル | HTTP(S) |
Azure Traffic Manager | DNSベースのトラフィックロードバランサー | グローバル | 非HTTP(S) |
クラウドでの負荷分散サービスとソフトウェア | Microsoft Azure
用途に応じたサービスが提供されているため、要件に合わせて設計構築によってシステムの安定運用に活かすことが可能です。
各サービスのアップデートにも注目しつつ、次回以降はより技術的な観点で具体的な設計や応用パターンについてご紹介できればと思います。