はじめに
梅雨のシーズン、皆様いかがお過ごしでしょうか。
私は先日、あじさいを観に八景島に行ってまいりました。八景島にはここでしか見られない「八景ブルー」というあじさいがあり、ちょうど見頃を迎えつつあった頃でした。スマートフォンで撮影した写真ですが、ご紹介します。
こんな写真がいっときの清涼となれば幸いです。
さて、ここからが本題です。
npm ciの時間を短縮する
今回はAzure Pipelineを使ったアプリケーションのビルドのお話です。 アプリケーションのビルド、特にPull Req時などのビルドはできる限り短時間で完了してほしいものです。 ちょっと古い言葉ですが「1秒を削り出せ」、まさにそういった気持ちになります。そうしたときにどうするか。
今回はいきなり回答です。少しでも時間を短縮する方法、それは「Azure Pipeline Cache」の活用です。
設定方法は上記のDocumentに記載しててあるとおりですが、せっかくなので設定例をご紹介します。 今回、Typescriptで実装した2つのアプリケーション(Angularを利用したSPA、NestJSを利用したAPI Server)でその効果を確認しました。 Pipeline設定は以下のようになります。
〜〜前略〜〜 variables: npm_config_cache: $(Pipeline.Workspace)/.npm steps: - task: NodeTool@0 inputs: versionSpec: '16.13.2' displayName: 'Install Node.js' - task: Cache@2 inputs: key: 'npm | "$(Agent.OS)" | package-lock.json' restoreKeys: | npm | "$(Agent.OS)" path: $(npm_config_cache) displayName: Cache npm - script: npm ci displayName: 'Install packages' 〜〜後略〜〜
Cache@2
のタスクが中間生成物のキャッシュを指定するタスクです。
キャッシュ対象のフォルダは variables.npm_config_cache
で指定している .npm フォルダ
です。
通常のPipeline taskにこれだけ追加すればOK。
キャッシュ効果が現れる npm ci部分の時間は導入前後で以下のようになりました。
種別 | 導入前(未キャッシュ時) | 導入後(キャッシュヒット時) |
---|---|---|
Angular App npm ci | 40秒前後 | 20秒前後 |
NestJS App npm ci | 30秒前後 | 10秒前後 |
効果といっても数十秒のレベルかもしれません。 しかし、こうした時間が何度も積み上がっていくと、数分〜10分待たなければならないといったことも起きてくるものです。 たかが10秒、されど10秒。
今回はNodeJSでの例をご紹介しましたが、Microsoft Docsではその他に
- Cache(C/C++)
- Docker image
- Golang
- Gradle
- Maven
- .NET Nuget
- Python/Anaconda
- PHP/Composer
といったものの設定例が紹介されています。また、言語依存するものではないので、 キャッシュ対象フォルダや条件が特定できるならばその他の場合でも活用できます。
せっか用意されているものですから、有効に活用していきましょう。
最後に
最後に宣伝。 弊社エンジニアが協力した、「AKSのセキュリティ対策に関するホワイトペーパー」の3,4章がMicrosoftから公開されました。
ぜひこちらもご覧ください。
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